第一條 鹽專賣法第六條ノ規定ニ依リ製鹽地ノ區域ヲ制限スル場合ニ於テハ政府ハ鹽ノ種類、製造方法ヲ區別シテ之ヲ制限スルコトヲ得
製鹽地ノ區域ノ制限ニ依リ鹽ノ製造ヲ禁止シタルトキハ政府ハ禁止ノ際ニ於ケル鹽製造者、製鹽地ノ所有者、現ニ鹽ノ製造ニ專用スル建物設備器具器械ノ所有者ニ對シ其ノ請求ニ依リ命令ノ定ムル所ニ從ヒ交付金ヲ交付ス
前項ノ鹽製造者ハ昭和四年三月以前ニ於テ鹽製造ノ許可ヲ受ケ製造禁止ノ際現ニ其ノ製造ヲ爲ス者ニ限ル但シ昭和四年四月以後相續ニ因リ鹽ノ製造ヲ承繼シタル場合ニ於テハ被相續人ノ受ケタル製造ノ許可ハ相續人ニ於テ之ヲ受ケタルモノト看做ス
昭和四年三月ニ於ケル實況ニ依リ鹽ノ製造ヲ廢止シタルモノト認ムベキ製鹽地ニ付テハ鹽製造者、製鹽地及之ニ附屬スル建物設備器具器械ノ所有者ニ對シ第二項ノ交付金ヲ交付セズ
交付金ヲ交付スベキ建物設備器具器械ノ種類數量ハ政府之ヲ決定ス
第三條 前條ノ納付鹽賠償金額ハ大正十四年ヨリ昭和二年ニ至ル三年ノ納付鹽賠償金額ノ平均ニ依リ之ヲ定ム但シ三年中鹽ノ製造ヲ繼續セザル年、製鹽地ノ納付鹽若ハ鹹水ノ數量ヲ區分シ難キ年又ハ納付鹽及賣渡鹹水ナキ年アルトキハ之ヲ除キタル年ノ納付鹽賠償金額ノ平均ニ依リ平均ナキトキハ其ノ除クベキ事故ナキ年ノ納付鹽賠償金額ニ依ル
大正十四年ヨリ昭和二年ニ至ル三年共ニ前項但書ニ規定スル事故アル製鹽地ノ納付鹽賠償金額ハ政府之ヲ決定ス
第四條 製鹽地ノ價額及鹽製造禁止後ニ於ケル製鹽地ノ見込價額ハ鑑定人ノ意見ヲ徵シ政府之ヲ決定ス
鹽製造專用ノ建物設備器具器械ノ價額ヨリ鹽製造禁止後ニ於ケル其ノ見込價額ヲ控除シタル金額ハ協議ニ依リ之ヲ定ム協議調ハザルトキハ鑑定人ノ意見ヲ徵シ政府之ヲ決定ス
第五條 前條ノ決定ニ對シ不服アル者ハ十日內ニ其ノ申立ヲ爲スコトヲ得此ノ場合ニ於テハ政府ハ更ニ鑑定人ヲ選定シ其ノ意見ヲ徵シ之ヲ裁定ス其ノ裁定ニ不服アルトキハ行政裁判所ニ出訴スルコトヲ得
交付金ハ額面金額ニ依リ五分利附國債證券ヲ以テ之ヲ交付ス但シ鹽製造者ニ對スル交付金ノ一部及國債證券ノ最小額面金額ニ滿タザル端數ハ現金ヲ以テ之ヲ交付ス
第七條 政府ハ前條ノ交付金額中同條但書ノ規定ニ依リ現金ヲ以テ交付スル額ヲ除キタル金額ノ限度ニ於テ公債ヲ發行スルコトヲ得
第八條 鹽ノ製造ヲ禁止シタル區域內ニ於ケル鹽製造專用ノ建物設備器具器械ニ對シテハ政府ハ監督上必要ナル處分ヲ爲スコトヲ得