第一條 本令ニ於テ獸醫師會ト稱スルハ道府縣獸醫師會又ハ日本獸醫師會ヲ謂フ
第二條 本令ニ依リ設立シタル獸醫師會ニ非ザレバ道、府、縣若ハ日本ノ文字ヲ冠スル獸醫師會ノ名稱又ハ之ニ類スル名稱ヲ附スルコトヲ得ズ
第三條 公私立ノ診察所若ハ治療所又ハ其ノ出張所ニ於テ診察又ハ治療ニ從事スル獸醫師ハ其ノ診察所、治療所又ハ出張所ノ所在地ヲ區域トスル道府縣獸醫師會ノ會員トス
前項以外ノ獸醫師ハ其ノ住所地ヲ區域トスル道府縣獸醫師會ノ會員ト爲ルコトヲ得
第四條 道府縣獸醫師會ヲ設立セントスルトキハ會員ト爲ルベキ者五人以上設立委員ト爲リ會則案ヲ定メ設立總會ノ議決ヲ經ベシ
設立委員設立總會ヲ招集セントスルトキハ少クトモ十四日前ニ會議ノ日時、場所及目的タル事項ヲ會員ト爲ルベキ者ニ通知スベシ
設立總會ニ於テハ第一囘總會ニ於テ役員ノ選任アル迄獸醫師會ノ會務ヲ處理スル爲會員ト爲ルベキ者ノ中ヨリ假役員ヲ選任シ左ニ揭グル事項ヲ議決スベシ
設立總會ニ於テハ會員ト爲ルベキ者半數以上出席スルニ非ザレバ會議ヲ開クコトヲ得ズ其ノ議決ハ出席者三分ノ二以上ノ多數ヲ以テスルニ非ザレバ之ヲ爲スコトヲ得ズ
會員ト爲ルベキ者ハ豫メ書面ヲ以テ出席者ニ委任シテ其ノ議決權ヲ行フコトヲ得此ノ場合ニ於テハ之ヲ出席シタル者ト看做ス
前條第二項ノ獸醫師ニシテ設立委員ニ對シ會員タラントスル意思ヲ表示シタル者ハ第二項乃至前項ノ規定ノ適用ニ付テハ之ヲ會員ト爲ルベキ者ト看做ス
第五條 日本獸醫師會ヲ設立セントスルトキハ五以上ノ道府縣獸醫師會ノ會長設立委員ト爲リ會則案ヲ定メ道府縣獸醫師會三分ノ二以上ノ同意ヲ得テ設立總會ヲ開キ其ノ議決ヲ經ベシ
設立委員設立總會ヲ招集セントスルトキハ少クトモ三十日前ニ會議ノ日時、場所及目的タル事項ヲ會員ト爲ルベキ者ニ通知スベシ
設立總會ニ於テハ第一囘總會ニ於テ役員ノ選任アル迄獸醫師會ノ會務ヲ處理スル爲道府縣獸醫師會ノ委員中ヨリ假役員ヲ選任シ左ニ揭グル事項ヲ議決スベシ
設立總會ニ於テハ道府縣獸醫師會ガ其ノ會員中ヨリ選任シタル委員半數以上出席スルニ非ザレバ會議ヲ開クコトヲ得ズ其ノ議決ハ出席者三分ノ二以上ノ多數ヲ以テスルニ非ザレバ之ヲ爲スコトヲ得ズ
第四項ノ委員ノ數ハ會員總數百人以內ノ道府縣獸醫師會ニ在リテハ一人、百人ヲ超エ二百人以內ノモノニ在リテハ二人トシ二百人ヲ超ユルモノニ在リテハ二百人又ハ其ノ端數ヲ加フル每ニ一人ヲ加フ
第六條 獸醫師會ノ設立總會ニ於テ會則案ヲ議決シタルトキハ設立委員ハ其ノ認可ヲ主務官廳ニ申請スベシ
獸醫師會ハ前項ノ認可アリタル時又ハ第八條ノ規定ニ依リ會則ノ設定アリタル時成立スルモノトス
第七條 獸醫師會成立シタルトキハ主務官廳ハ獸醫師會ノ名稱、區域、事務所ノ所在地及成立ノ年月日ヲ告示スベシ告示シタル事項ニ變更アリタルトキ亦同ジ
第八條 地方長官ハ道府縣獸醫師會設立ノ義務ノ生ジタル時ヨリ六月以內ニ第四條第一項ノ規定ニ依ル議決ナキトキハ道府縣獸醫師會ノ會員ト爲ルベキ者ニ設立委員ヲ命ジ、會則ノ設定ヲ爲シ其ノ他設立ニ關シ必要ナル處分ヲ爲スコトヲ得
第九條 獸醫師會ノ會則ニハ左ニ揭グル事項ヲ記載スベシ
四 役員ノ種類、數、職務權限、選任、解任及任期ニ關スル規定
五 日本獸醫師會ニ在リテハ議員、豫備議員ノ選任、解任及任期ニ關スル規定
六 代議員ヲ設クル道府縣獸醫師會ニ在リテハ代議員ノ選任、解任及任期ニ關スル規定
第十條 獸醫師會ノ會則ノ變更ハ總會ノ議決ニ依リ、主務官廳ノ認可ヲ受クベシ
第十一條 道府縣獸醫師會ノ總會ハ其ノ會員ヲ以テ之ヲ組織ス
第十二條 道府縣獸醫師會ハ會則ノ定ムル所ニ依リ會員中ヨリ選擧シタル代議員ヲ以テ組織スル總代會ヲ以テ總會ニ代フルコトヲ得
道府縣獸醫師會ノ總會ニ關スル規定ハ總代會ニ之ヲ準用ス
第十三條 日本獸醫師會ノ總會ハ道府縣獸醫師會ガ其ノ會員中ヨリ選任シタル議員ヲ以テ之ヲ組織ス
前項ノ議員故障アルトキハ道府縣獸醫師會ガ其ノ會員中ヨリ選任シタル豫備議員日本獸醫師會會則ノ定ムル所ニ依リ之ヲ代理スルコトヲ得
第一項ノ規定ニ依リ選任スベキ議員ノ數ハ第五條第六項ノ委員ノ數ノ例ニ依ル但シ日本獸醫師會會則ヲ以テ別段ノ定ヲ爲スコトヲ妨ゲズ
第十四條 獸醫師會ノ總會ニ於テ左ニ揭グル事項ヲ議決スル場合ニ於テハ其ノ會員又ハ議員半數以上出席スルニ非ザレバ會議ヲ開クコトヲ得ズ其ノ議決ハ出席者三分ノ二以上ノ多數ヲ以テスルニ非ザレバ之ヲ爲スコトヲ得ズ
前項ノ役員ノ外會則ノ定ムル所ニ依リ必要ナル役員ヲ置クコトヲ得
第十六條 道府縣獸醫師會ノ役員ハ其ノ會員中ヨリ、日本獸醫師會ノ役員ハ其ノ議員中ヨリ各其ノ總會ニ於テ之ヲ選任スベシ
副會長ハ會長ヲ輔佐シ會長故障アルトキハ其ノ職務ヲ代理ス
會長及會長ノ職務ヲ代理スル者故障アルトキハ主務官廳ハ道府縣獸醫師會ニ在リテハ其ノ會員中ヨリ、日本獸醫師會ニ在リテハ其ノ議員中ヨリ假役員ヲ定メ臨時會務ヲ處理セシムルコトヲ得
第十八條 獸醫師會ニ於テ議決シ又ハ施行シ得ル事項左ノ如シ
第十九條 主務官廳ハ獸醫事衞生ニ關スル報告又ハ調查ヲ獸醫師會ニ命ズルコトヲ得
第二十條 獸醫師會ノ經費及獸醫師會設立ニ關スル經費ハ其ノ會員ノ負擔トス
第二十一條 道府縣獸醫師會ハ其ノ會員中獸醫師法第二條第二號若ハ第三號ニ該當スル者アリ又ハ同法第十二條第二項ノ規定ニ依リ免許取消又ハ業務停止ノ處分ヲ必要トスル者アリト認ムルトキハ總會ノ議決ニ依リ其ノ意見ヲ地方長官ニ具申スルコトヲ得獸醫師法第十二條第三項ノ規定ニ依リ再免許ヲ爲スヲ適當トスル者アリト認ムルトキ亦同ジ
第二十二條 道府縣獸醫師會ハ會則ノ定ムル所ニ依リ其ノ會員ニ對シ總會ノ議決ニ依リ左ノ各號ノ一ニ揭グル懲戒ヲ行フコトヲ得但シ特別ノ事由アルトキハ之ヲ併セ行フコトヲ妨ゲズ
三 三年以內議員、豫備議員及役員ノ選擧權及被選擧權竝ニ代議員ノ被選擧權ノ停止
代議員、議員、豫備議員、役員又ハ假役員タル者前項第三號ノ規定ニ依リ被選擧權ヲ停止セラレタルトキハ解任セラレタルモノトス
第一項第三號ノ規定ニ依リ被選擧權ヲ停止セラレタル者ハ其ノ期間內假役員ト爲ルコトヲ得ズ
第二十三條 主務官廳ハ獸醫師會フ議決若ハ選擧又ハ其ノ施行スル事項ガ法令若ハ會則ニ違反シ又ハ公益ヲ害スト認ムルトキハ理由ヲ示シテ其ノ議決若ハ選擧ヲ取消シ又ハ其ノ施行スル事項ノ廢止、停止若ハ變更ヲ命ズルコトヲ得
農林大臣ハ日本獸醫師會ノ議決又ハ其ノ施行スル事項ガ法令若ハ會則ニ違反シ又ハ公益ヲ害スト認ムルトキハ理由ヲ示シテ其ノ解散ヲ命ズルコトヲ得
主務官廳ハ獸醫師會ノ役員又ハ假役員ノ行爲ガ法令若ハ會則ニ違反シ又ハ公益ヲ害スト認ムルトキハ其ノ役員又ハ假役員ヲ解任スルコトヲ得
前項ノ規定ニ依リ解任セラレタル者ハ三年間獸醫師會ノ役員又ハ假役員ト爲ルコトヲ得ズ
第二十四條 獸醫師法第十二條第二項ノ規定ニ依リ業務ヲ停止セラレタル者ハ其ノ停止中獸醫師會ノ總會ニ出席シ若ハ總會ニ於ケル議決權ヲ行ヒ又ハ獸醫師會ノ役員若ハ假役員タルコトヲ得ズ
第二十五條 獸醫師會ハ主務官廳ノ定ムル所ニ依リ每年度ノ豫算、決算及會務ノ狀況ヲ主務官廳ニ報告スベシ
第二十六條 道府縣ノ廢置分合ニ因リ道府縣獸醫師會ノ區域ニ變更ヲ生ジタル爲道府縣獸醫師會存立セザル區域ヲ生ジタルトキハ其ノ區域ノ道府縣獸醫師會ノ會員タルベキ者ハ其ノ區域ニ依リ道府縣獸醫師會ヲ設立シタルモノト看做ス
前項ノ場合ニ於テハ地方長官ハ假ニ會則ヲ定メ會員中ヨリ假役員ヲ選任シ役員ノ選任アル迄會務ヲ處理セシムベシ
第一項ノ規定ニ依リ設立シタル道府縣獸醫師會ハ會則ヲ議決シ其ノ認可ヲ設立ノ時ヨリ二月以內ニ地方長官ニ申請スベシ
第二十七條 道府縣獸醫師會ノ區域ニ變更ヲ生ジタル爲財產處分ヲ要スルトキハ關係道府縣獸醫師會ノ協議ニ依リ財產處分方法ヲ定メ農林大臣ニ其ノ認可ヲ申請スベシ
道府縣獸醫師會ノ區域ニ變更ヲ生ジタル爲消滅シタル舊道府縣獸醫師會ハ前項ノ目的ノ範圍內ニ於テハ仍存續スルモノト看做ス
第一項ノ協議ヲ爲サズ又ハ協議調ハザル場合ニ於ケル財產處分方法ハ農林大臣之ヲ定ム
第二十八條 獸醫師會本令ニ依リ主務官廳ノ爲シタル處分ニ不服アルトキハ農林大臣ニ訴願スルコトヲ得訴願スル場合ニ於テハ總會ノ議決ヲ經ルコトヲ要ス
第二十三條第三項ノ規定ニ依リ解任セラレタル役員又ハ假役員其ノ解任ニ不服アルトキハ農林大臣ニ訴願スルコトヲ得
第二十九條 日本獸醫師會解散セントスルトキハ總會ノ議決ニ依リ、道府縣獸醫師會三分ノ二以上ノ同意ヲ得テ事由ヲ具シ農林大臣ノ認可ヲ受クベシ
第三十條 日本獸醫師會ハ解散ノ後ト雖モ淸算ノ目的ノ範圍內ニ於テハ仍存續スルモノト看做ス
日本獸醫師會解散シタルトキハ會長及副會長ヲ以テ其ノ淸算人トス但シ會則ニ別段ノ定アルトキ又ハ總會ニ於テ選任シタル者アルトキハ此ノ限ニ在ラズ
前項ノ規定ニ依リ淸算人タル者ナキトキハ農林大臣淸算人ヲ選任ス淸算人闕ケタルトキ亦同ジ
淸算人ハ日本獸醫師會ヲ代表シ淸算ヲ爲スニ必要ナル一切ノ行爲ヲ爲ス權限ヲ有ス
淸算方法及財產處分ニ付テハ農林大臣ノ認可ヲ受クベシ
農林大臣必要ト認ムルトキハ淸算方法及財產處分ノ變更ヲ命ジ又ハ淸算人ヲ解任スルコトヲ得
第三十一條 本令ニ於テ主務官廳トアルハ道府縣獸醫師會ニ在リテハ地方長官、日本獸醫師會ニ在リテハ農林大臣トス