関東州水産会令
法令番号: 勅令第百七號
公布年月日: 大正15年5月10日
法令の形式: 勅令
朕關東州水產會令ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
攝政名
大正十五年五月八日
內閣總理大臣 若槻禮次郞
勅令第百七號
關東州水產會令
第一條 關東州水產會ハ關東州水產業ノ改良發達ヲ圖ルヲ以テ目的トス
第二條 關東州水產會ハ法人トス
第三條 關東州水產會ハ營利事業ヲ爲スコトヲ得ス
第四條 關東州水產會ハ關東長官ノ定ムル者ヲ除クノ外關東州ニ於テ漁業又ハ水產物ノ製造、取引若ハ保管ノ業ヲ營ム者ヲ以テ之ヲ組織ス
第五條 關東州水產會ヲ設立セムトスルトキハ會員タル資格ヲ有スル者ノ二分ノ一以上ノ同意ヲ得テ創立委員會ヲ開キ會則ヲ議定シ關東長官ノ認可ヲ受クヘシ
第六條 關東州水產會ハ前條ノ認可ヲ受ケタル時成立ス
關東州水產會成立シタルトキハ其ノ會員タル資格ヲ有スル者ハ總テ之ニ加入シタルモノト看做ス
第七條 關東州水產會ニ總代會ヲ置ク
總代會ハ關東長官ノ定ムル所ニ依リ會員中ヨリ選任シタル議員及關東長官ノ命シタル特別議員ヲ以テ之ヲ組織ス
第八條 左ニ揭クル事項ハ總代會ノ議決ヲ經ヘシ
一 收支豫算
二 經費ノ賦課徵收方法
三 事業報告及收支決算ノ承認
四 豫算ヲ以テ定メタルモノヲ除クノ外新ニ義務ヲ負ヒ又ハ權利ヲ失フヘキ行爲
五 基金ノ造成、管埋及處分
六 不動產ニ關スル權利ノ得喪及變更
七 會則ノ變更
八 役員ノ選任及解任
九 訴訟及和解
前項第一號、第二號、第四號、第七號及第八號ニ揭クル事項ノ決議ハ關東長官ノ認可ヲ受クルニ非サレハ其ノ效力ヲ生セス
第九條 總代會ハ會長之ヲ招集ス但シ第一囘ノ總代會ハ關東長官之ヲ招集ス
議員又ハ特別議員ハ議員及特別議員ノ總數ノ五分ノ一以上ノ同意ヲ得テ會議ノ目的タル事項及招集ノ事由ヲ記載シタル書面ヲ提出シ總代會ノ招集ヲ請求スルコトヲ得
會長正當ノ事由ナクシテ前項ノ規定ニ依ル請求アリタル後十四日以內ニ總代會ヲ招集セサルトキハ請求者ハ關東長官ノ認可ヲ受ケ招集スルコトヲ得
第十條 議員及特別議員ハ總代會ニ於テ各一個ノ議決權ヲ有ス
第十一條 總代會ノ議事ハ本令ニ別段ノ定アル場合ヲ除クノ外出席者ノ議決權ノ過半數ヲ以テ之ヲ決ス
第十二條 會則ノ變更ハ總代會ニ於テ之ヲ組織スル者半數以上出席シ出席者ノ議決權ノ三分ノ二以上ヲ以テ之ヲ議決ス
第十三條 關東州水產會ニ左ノ役員ヲ置ク
會長
副會長 一人又ハ二人
評議員 數人
役員ハ總代會ニ於テ其ノ會員中ヨリ之ヲ選任ス但シ特別ノ事由アル場合ニ於テハ會員ニ非サル者ヨリ之ヲ選任スルコトヲ得
第十四條 會長ハ關東州水產會ヲ代表シ會務ヲ總理ス
副會長ハ會長ヲ補佐シ會長事故アルトキ其ノ職務ヲ代理ス
評議員ハ會長ノ諮問ニ應シ竝會務ノ執行及財產ノ狀況ヲ監査ス
第十五條 總代會ノ議決ヲ經ヘキ事項ニシテ臨時急施ヲ要シ總代會ヲ招集スルノ暇ナシト認ムルトキハ會長ハ會則ノ定ムル所ニ依リ專決處分スルコトヲ得但シ第八條第二項ノ事項ニ付テハ此ノ限ニ在ラス
前項ノ場合ニ於テハ會長ハ次ノ總代會ニ於テ其ノ承認ヲ求ムヘシ
第十六條 關東州水產會ハ會則ノ定ムル所ニ依リ其ノ會員ニ對シ經費ヲ賦課シ及過怠金ヲ徵收スルコトヲ得
經費及過怠金ノ督促、滯納處分、追徵、還付及時效ニ付テハ國稅ノ例ニ依ル
前項ニ規定スル徵收金ノ先取特權ノ順位ハ市又ハ會ノ徵收金ニ次クモノトス
經費ノ賦課又ハ過怠金ノ徵收ニ關シテハ關東長官ノ定ムル所ニ依リ異議ノ申立及裁決ノ申請ヲ爲スコトヲ得
第十七條 關東州水產會ハ經費又ハ過怠金ノ徵收ヲ市又ハ會ニ囑託スルコトヲ得此ノ場合ニ於テ關東州水產會ハ市又ハ會ノ徵收シタル金額ノ百分ノ五ヲ其ノ市又ハ會ニ交付スヘシ
避クヘカラサル災害ニ因リ市又ハ會旣收ノ前項ニ規定スル經費又ハ過怠金ヲ失ヒタルトキハ關東州水產會ハ關東長官ノ定ムル所ニ依リ市又ハ會ニ對シ其ノ納入ノ義務ヲ免除スヘシ
第十八條 關東長官ハ關東州水產會ニ對シ事實ニ關スル報告ヲ爲サシメ業務ノ執行又ハ財產ノ狀況ヲ檢查シ會則、收支豫算又ハ經費ノ賦課徵收方法ノ變更ヲ命シ其ノ他監督上必要ナル命令又ハ處分ヲ爲スコトヲ得
第十九條 關東長官ハ關東州水產會ノ總代會ノ決議又ハ役員ノ行爲ニシテ法令若ハ會則ニ違反シ又ハ公益ヲ害シ若ハ害スルノ虞アリト認ムルトキハ決議ヲ取消シ、特別議員及役員ヲ解任シ、議員ノ改選ヲ命シ、關東州水產會ノ事業ヲ停止シ又ハ關東州水產會ノ解散ヲ命スルコトヲ得
第二十條 關東州水產會解散ヲ爲サムトスルトキハ會員ノ二分ノ一以上ノ同意ヲ得テ其ノ事由ヲ具シ關東長官ノ認可ヲ受クヘシ
第二十一條 關東州水產會ハ解散ノ後ト雖モ淸算ノ目的ノ範圍內ニ於テハ尙存續スルモノト看做ス
第二十二條 關東州水產會解散シタルトキハ會長及副會長ヲ以テ其ノ淸算人トス但シ會則ニ別段ノ定アルトキ又ハ總代會ニ於テ選任シタル者アルトキハ此ノ限ニ在ラス
前項ノ規定ニ依リ淸算人タル者ナキトキハ關東長官淸算人ヲ選任ス淸算人闕ケタルトキ亦同シ
第二十三條 淸算人ハ關東州水產會ヲ代表シ淸算ヲ爲スニ必要ナル一切ノ行爲ヲ爲ス權限ヲ有ス
淸算ノ方法及財產處分ニ付テハ關東長官ノ認可ヲ受クヘシ
第二十四條 關東長官ニ於テ必要ト認ムルトキハ淸算ノ方法及財產處分ノ變更ヲ命シ又ハ淸算人ヲ解任スルコトヲ得
第二十五條 本令ニ定ムルモノノ外關東州水產會ニ關シ必要ナル事項ニ付テハ關東長官ノ定ムル所ニ依ル
附 則
本令施行ノ期日ハ關東長官之ヲ定ム
朕関東州水産会令ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
摂政名
大正十五年五月八日
内閣総理大臣 若槻礼次郎
勅令第百七号
関東州水産会令
第一条 関東州水産会ハ関東州水産業ノ改良発達ヲ図ルヲ以テ目的トス
第二条 関東州水産会ハ法人トス
第三条 関東州水産会ハ営利事業ヲ為スコトヲ得ス
第四条 関東州水産会ハ関東長官ノ定ムル者ヲ除クノ外関東州ニ於テ漁業又ハ水産物ノ製造、取引若ハ保管ノ業ヲ営ム者ヲ以テ之ヲ組織ス
第五条 関東州水産会ヲ設立セムトスルトキハ会員タル資格ヲ有スル者ノ二分ノ一以上ノ同意ヲ得テ創立委員会ヲ開キ会則ヲ議定シ関東長官ノ認可ヲ受クヘシ
第六条 関東州水産会ハ前条ノ認可ヲ受ケタル時成立ス
関東州水産会成立シタルトキハ其ノ会員タル資格ヲ有スル者ハ総テ之ニ加入シタルモノト看做ス
第七条 関東州水産会ニ総代会ヲ置ク
総代会ハ関東長官ノ定ムル所ニ依リ会員中ヨリ選任シタル議員及関東長官ノ命シタル特別議員ヲ以テ之ヲ組織ス
第八条 左ニ掲クル事項ハ総代会ノ議決ヲ経ヘシ
一 収支予算
二 経費ノ賦課徴収方法
三 事業報告及収支決算ノ承認
四 予算ヲ以テ定メタルモノヲ除クノ外新ニ義務ヲ負ヒ又ハ権利ヲ失フヘキ行為
五 基金ノ造成、管埋及処分
六 不動産ニ関スル権利ノ得喪及変更
七 会則ノ変更
八 役員ノ選任及解任
九 訴訟及和解
前項第一号、第二号、第四号、第七号及第八号ニ掲クル事項ノ決議ハ関東長官ノ認可ヲ受クルニ非サレハ其ノ効力ヲ生セス
第九条 総代会ハ会長之ヲ招集ス但シ第一回ノ総代会ハ関東長官之ヲ招集ス
議員又ハ特別議員ハ議員及特別議員ノ総数ノ五分ノ一以上ノ同意ヲ得テ会議ノ目的タル事項及招集ノ事由ヲ記載シタル書面ヲ提出シ総代会ノ招集ヲ請求スルコトヲ得
会長正当ノ事由ナクシテ前項ノ規定ニ依ル請求アリタル後十四日以内ニ総代会ヲ招集セサルトキハ請求者ハ関東長官ノ認可ヲ受ケ招集スルコトヲ得
第十条 議員及特別議員ハ総代会ニ於テ各一個ノ議決権ヲ有ス
第十一条 総代会ノ議事ハ本令ニ別段ノ定アル場合ヲ除クノ外出席者ノ議決権ノ過半数ヲ以テ之ヲ決ス
第十二条 会則ノ変更ハ総代会ニ於テ之ヲ組織スル者半数以上出席シ出席者ノ議決権ノ三分ノ二以上ヲ以テ之ヲ議決ス
第十三条 関東州水産会ニ左ノ役員ヲ置ク
会長
副会長 一人又ハ二人
評議員 数人
役員ハ総代会ニ於テ其ノ会員中ヨリ之ヲ選任ス但シ特別ノ事由アル場合ニ於テハ会員ニ非サル者ヨリ之ヲ選任スルコトヲ得
第十四条 会長ハ関東州水産会ヲ代表シ会務ヲ総理ス
副会長ハ会長ヲ補佐シ会長事故アルトキ其ノ職務ヲ代理ス
評議員ハ会長ノ諮問ニ応シ並会務ノ執行及財産ノ状況ヲ監査ス
第十五条 総代会ノ議決ヲ経ヘキ事項ニシテ臨時急施ヲ要シ総代会ヲ招集スルノ暇ナシト認ムルトキハ会長ハ会則ノ定ムル所ニ依リ専決処分スルコトヲ得但シ第八条第二項ノ事項ニ付テハ此ノ限ニ在ラス
前項ノ場合ニ於テハ会長ハ次ノ総代会ニ於テ其ノ承認ヲ求ムヘシ
第十六条 関東州水産会ハ会則ノ定ムル所ニ依リ其ノ会員ニ対シ経費ヲ賦課シ及過怠金ヲ徴収スルコトヲ得
経費及過怠金ノ督促、滞納処分、追徴、還付及時効ニ付テハ国税ノ例ニ依ル
前項ニ規定スル徴収金ノ先取特権ノ順位ハ市又ハ会ノ徴収金ニ次クモノトス
経費ノ賦課又ハ過怠金ノ徴収ニ関シテハ関東長官ノ定ムル所ニ依リ異議ノ申立及裁決ノ申請ヲ為スコトヲ得
第十七条 関東州水産会ハ経費又ハ過怠金ノ徴収ヲ市又ハ会ニ嘱託スルコトヲ得此ノ場合ニ於テ関東州水産会ハ市又ハ会ノ徴収シタル金額ノ百分ノ五ヲ其ノ市又ハ会ニ交付スヘシ
避クヘカラサル災害ニ因リ市又ハ会既収ノ前項ニ規定スル経費又ハ過怠金ヲ失ヒタルトキハ関東州水産会ハ関東長官ノ定ムル所ニ依リ市又ハ会ニ対シ其ノ納入ノ義務ヲ免除スヘシ
第十八条 関東長官ハ関東州水産会ニ対シ事実ニ関スル報告ヲ為サシメ業務ノ執行又ハ財産ノ状況ヲ検査シ会則、収支予算又ハ経費ノ賦課徴収方法ノ変更ヲ命シ其ノ他監督上必要ナル命令又ハ処分ヲ為スコトヲ得
第十九条 関東長官ハ関東州水産会ノ総代会ノ決議又ハ役員ノ行為ニシテ法令若ハ会則ニ違反シ又ハ公益ヲ害シ若ハ害スルノ虞アリト認ムルトキハ決議ヲ取消シ、特別議員及役員ヲ解任シ、議員ノ改選ヲ命シ、関東州水産会ノ事業ヲ停止シ又ハ関東州水産会ノ解散ヲ命スルコトヲ得
第二十条 関東州水産会解散ヲ為サムトスルトキハ会員ノ二分ノ一以上ノ同意ヲ得テ其ノ事由ヲ具シ関東長官ノ認可ヲ受クヘシ
第二十一条 関東州水産会ハ解散ノ後ト雖モ清算ノ目的ノ範囲内ニ於テハ尚存続スルモノト看做ス
第二十二条 関東州水産会解散シタルトキハ会長及副会長ヲ以テ其ノ清算人トス但シ会則ニ別段ノ定アルトキ又ハ総代会ニ於テ選任シタル者アルトキハ此ノ限ニ在ラス
前項ノ規定ニ依リ清算人タル者ナキトキハ関東長官清算人ヲ選任ス清算人闕ケタルトキ亦同シ
第二十三条 清算人ハ関東州水産会ヲ代表シ清算ヲ為スニ必要ナル一切ノ行為ヲ為ス権限ヲ有ス
清算ノ方法及財産処分ニ付テハ関東長官ノ認可ヲ受クヘシ
第二十四条 関東長官ニ於テ必要ト認ムルトキハ清算ノ方法及財産処分ノ変更ヲ命シ又ハ清算人ヲ解任スルコトヲ得
第二十五条 本令ニ定ムルモノノ外関東州水産会ニ関シ必要ナル事項ニ付テハ関東長官ノ定ムル所ニ依ル
附 則
本令施行ノ期日ハ関東長官之ヲ定ム