醤油税則廃止法律の提案理由は、社会政策的な租税制度整理の一環として実施されるものである。醤油は国民生活上の必需品であり、特に中産階級以下の多数国民の生活負担を軽減するために廃止される。この廃止は、通行税、売薬税の廃止や綿織物消費税の免除と共に、社会政策的観点から行われている。税制整理全体としては、直接国税の体系を整え、所得税を中心とし、地租と営業収益税をその両翼として負担の公平化を図りつつ、中産階級以下の国民生活を圧迫しない租税制度を目指すものである。減税による歳入不足は、相続税や酒類に対する増税、煙草定価引上げ、資本利子税・清涼飲料税の新設によって補填される。
参照した発言:
第51回帝国議会 衆議院 本会議 第6号