(商法中改正法律)
法令番号: 法律第七十三號
公布年月日: 明治44年5月3日
法令の形式: 法律
朕帝國議會ノ協贊ヲ經タル商法中改正法律ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
明治四十四年五月二日
內閣總理大臣兼大藏大臣 公爵 桂太郞
陸軍大臣 伯爵 寺內正毅
外務大臣 侯爵 小村壽太郞
海軍大臣 男爵 齋藤實
內務大臣 法學博士 男爵 平田東助
農商務大臣 男爵 大浦兼武
遞信大臣 男爵 後藤新平
文部大臣 小松原英太郞
司法大臣 子爵 岡部長職
法律第七十三號
商法中左ノ通改正ス
目錄中「第四章 海損」ノ次ニ「第五章 海難救助」ヲ加ヘ「第五章 保險」ヲ「第六章 保險」ニ、「第六章 船舶債權者」ヲ「第七章 船舶債權者」ニ改ム
第七條 法定代理人カ親族會ノ同意ヲ得テ無能力者ノ爲メニ商業ヲ營ムトキハ登記ヲ爲スコトヲ要ス
法定代理人ノ代理權ニ加ヘタル制限ハ之ヲ以テ善意ノ第三者ニ對抗スルコトヲ得ス
第二十六條第二項ヲ左ノ如ク改ム
財產目錄ニハ動產、不動產、債權其他ノ財產ニ價額ヲ附シテ之ヲ記載スルコトヲ要ス其價額ハ財產目錄調製ノ時ニ於ケル價額ニ超ユルコトヲ得ス
第二十七條ノ二 裁判所ハ申立ニ因リ又ハ職權ヲ以テ訴訟ノ當事者ニ其商業帳簿ノ提出ヲ命スルコトヲ得
第三十條ノ二 商人ハ數人ノ支配人カ共同シテ代理權ヲ行フヘキ旨ヲ定ムルコトヲ得
前項ノ場合ニ於テ支配人ノ一人ニ對シテ爲シタル意思表示ハ主人ニ對シテ其效力ヲ生ス
第三十一條ノ末尾ニ「前條第一項ニ定メタル事項及ヒ其變更竝ニ消滅亦同シ」ヲ加フ
第四十一條中「物」ノ下ニ「又ハ有價證券」ヲ加フ
第四十二條ニ左ノ一項ヲ加フ
營利ヲ目的トスル社團ニシテ本編ノ規定ニ依リ設立シタルモノハ商行爲ヲ爲スヲ業トセサルモ之ヲ會社ト看做ス
第四十四條ノ二 會社ハ他ノ會社ノ無限責任社員ト爲ルコトヲ得ス
第四十四條ノ三 會社ハ合併ヲ爲スコトヲ得
合併ニ因リテ會社ヲ設立スル場合ニ於テハ定款ノ作成其他設立ニ關スル行爲ハ各會社ニ於テ選任シタル者共同シテ之ヲ爲スコトヲ要ス
第七十七條、第二百九條及ヒ第二百四十四條ノ規定ハ前項ノ選任ニ之ヲ準用ス
第四十八條ノ二 本編ノ規定ニ依リ登記スヘキ事項ニシテ官廳ノ許可ヲ要スルモノハ其許可書ノ到達シタル時ヨリ登記ノ期間ヲ起算ス
第五十一條第一項ニ左ノ一號ヲ加フ
七 數人ノ社員カ共同シ又ハ社員カ支配人ト共同シテ會社ヲ代表スヘキコトヲ定メタルトキハ其代表ニ關スル規定
第六十一條ノ二 會社ハ定款又ハ總社員ノ同意ヲ以テ數人ノ社員カ共同シ又ハ社員カ支配人ト共同シテ會社ヲ代表スヘキ旨ヲ定ムルコトヲ得
第三十條ノ二第二項ノ規定ハ前項ノ場合ニ之ヲ準用ス
第八十三條ノ二 合名會社ハ總社員ノ同意ヲ以テ其組織ヲ變更シテ之ヲ合資會社ト爲スコトヲ得
第七十八條及ヒ第七十九條第一項、第二項ノ規定ハ前項ノ場合ニ之ヲ準用ス
第八十三條ノ三 前條ノ場合ニ於テ會社ハ組織變更ニ付キ債權者ノ承認ヲ得又ハ第七十九條第二項ニ定メタル義務ヲ履行シタル後二週間內ニ其本店及ヒ支店ノ所在地ニ於テ合名會社ニ付テハ解散ノ登記ヲ爲シ合資會社ニ付テハ第百七條ニ定メタル登記ヲ爲スコトヲ要ス
第八十三條ノ四 合名會社ハ總社員ノ同意ヲ以テ有限責任社員ヲ加入セシメ之ヲ合資會社ト爲スコトヲ得此場合ニ於テハ合資會社ト爲リタル時ヨリ二週間內ニ前條ニ定メタル登記ヲ爲スコトヲ要ス
第八十六條中「後十三條」ヲ「後十五條」ニ改ム
第九十條 淸算人ノ選任アリタルトキハ其淸算人ハ二週間內ニ本店及ヒ支店ノ所在地ニ於テ左ノ事項ヲ登記スルコトヲ要ス
一 淸算人ノ氏名、住所
二 會社ヲ代表スヘキ淸算人ヲ定メタルトキハ其氏名
三 數人ノ淸算人カ共同シテ會社ヲ代表スヘキコトヲ定メタルトキハ其代表ニ關スル規定
第九十一條第二項中「淸算人」ヲ「會社ヲ代表スヘキ淸算人」ニ改ム
第九十一條ノ二 會社ハ辨濟期ニ至ラサル債權ト雖モ之ヲ辨濟スルコトヲ要ス
條件附債權又ハ存續期間ノ不確定ナル債權ハ裁判所ニ於テ選任シタル鑑定人ノ評價ニ從ヒテ之ヲ辨濟スルコトヲ要ス
第九十三條但書ヲ削ル
第九十三條ノ二 第六十一條及ヒ第六十一條ノ二ノ規定ハ淸算人ニ之ヲ準用ス
裁判所カ數人ノ淸算人ヲ選任スル場合ニ於テ會社ヲ代表スヘキ者ヲ定メス又ハ數人カ共同シテ會社ヲ代表スヘキコトヲ定メサルトキハ其淸算人ハ各自會社ヲ代表ス
第九十七條 第九十條ニ揭ケタル事項中ニ變更ヲ生シタルトキハ淸算人ハ二週間內ニ本店及ヒ支店ノ所在地ニ於テ之ヲ登記スルコトヲ要ス
第九十九條ノ二 會社カ事業ニ著手シタル後社員カ其設立ノ無效ナルコトヲ發見シタルトキハ訴ヲ以テノミ其無效ヲ主張スルコトヲ得
第九十九條ノ三 前條ノ訴ハ本店ノ所在地ノ地方裁判所ノ管轄ニ專屬ス
數箇ノ訴カ同時ニ繫屬スルトキハ辯論及ヒ裁判ハ併合シテ之ヲ爲スコトヲ要ス
第九十九條ノ四 設立ヲ無效トスル判決ハ當事者ニ非サル社員ニ對シテモ其效力ヲ有ス
原吿カ敗訴シタル場合ニ於テ惡意又ハ重大ナル過失アリタルトキハ會社ニ對シ連帶シテ損害賠償ノ責ニ任ス
第九十九條ノ五 設立ヲ無效トスル判決カ確定シタルトキハ本店及ヒ支店ノ所在地ニ於テ其登記ヲ爲スコトヲ要ス
第九十九條ノ六 設立ヲ無效トスル判決カ確定シタルトキハ解散ノ場合ニ準シテ淸算ヲ爲スコトヲ要ス此場合ニ於テハ裁判所ハ利害關係人ノ請求ニ因リ淸算人ヲ選任ス
設立ヲ無效トスル判決ハ會社ト第三者トノ間ニ成立シタル行爲ノ效力ニ影響ヲ及ホサス
第百條 會社カ事業ニ著手シタル後其設立カ取消サレタルトキハ二週間內ニ本店及ヒ支店ノ所在地ニ於テ其登記ヲ爲スコトヲ要ス此場合ニ於テハ前條ノ規定ヲ準用ス
第百十八條ノ二 合資會社ハ總社員ノ同意ヲ以テ其組織ヲ變更シテ之ヲ合名會社ト爲スコトヲ得此場合ニ於テハ前條第二項ノ規定ヲ準用ス
第百二十六條第一項中「株式ノ數」ノ下ニ「及ヒ住所」ヲ加ヘ第二項ニ左ノ一號ヲ加フ
五 一定ノ時期マテニ會社カ成立セサルトキハ株式ノ申込ヲ取消スコトヲ得ヘキコト
第百二十六條ノ二 第百七十二條ノ二ノ規定ハ株式申込人又ハ株式引受人ニ對スル通知及ヒ催吿ニ之ヲ準用ス
第百三十一條第三項ヲ左ノ如ク改ム
第百五十六條第一項、第二項、第百六十一條第三項、第四項及ヒ第百六十二條乃至第百六十三條ノ四ノ規定ハ創立總會ニ之ヲ準用ス
第百四十條 削除
第百四十一條第一項ニ左ノ二號ヲ加フ
八 會社ヲ代表スヘキ取締役ヲ定メタルトキハ其氏名
九 數人ノ取締役カ共同シ又ハ取締役カ支配人ト共同シテ會社ヲ代表スヘキコトヲ定メタルトキハ其代表ニ關スル規定
第百四十二條ノ二 發起人カ會社ノ設立ニ關シ其任務ヲ怠リタルトキハ其發起人ハ會社ニ對シ連帶シテ損害賠償ノ責ニ任ス
發起人ニ惡意又ハ重大ナル過失アリタルトキハ其發起人ハ第三者ニ對シテモ連帶シテ損害賠償ノ責ニ任ス
第百四十二條ノ三 會社カ成立セサル場合ニ於テハ發起人ハ會社ノ設立ニ關シテ爲シタル行爲ニ付キ連帶シテ其責ニ任ス
前項ノ場合ニ於テ會社ノ設立ニ關シテ支出シタル費用ハ發起人ノ負擔トス
第百四十二條ノ四 取締役又ハ監査役カ第百三十四條第一項ニ定メタル任務ヲ怠リタルニ因リ會社又ハ第三者ニ對シテ損害賠償ノ責ニ任スヘキ場合ニ於テ發起人モ亦其責ニ任スヘキトキハ其取締役、監査役及ヒ發起人ハ之ヲ連帶債務者トス
第百五十條中「讓渡」ヲ「移轉」ニ、「讓受人」ヲ「取得者」ニ改ム
第百五十二條ニ左ノ一項ヲ加フ
前項ノ規定ニ依リ會社カ株主ニ對シ其權利ヲ失フヘキ旨ヲ通知スルトキハ會社ハ其通知スヘキ事項ヲ公吿スルコトヲ要ス
第百五十三條ノ二 前條第一項ノ規定ニ依リ株主カ其權利ヲ失ヒタルトキハ會社ハ遲滯ナク其株主ノ氏名、住所及ヒ株券ノ番號ヲ公吿スルコトヲ要ス
第百五十四條中「前條」ヲ「第百五十三條」ニ改ム
第百五十五條ノ二 無記名式ノ株券ヲ有スル者カ株主ノ權利ヲ行ハントスルトキハ其權利ノ行使ニ必要ナル員數ノ株券ヲ會社ニ供託スルコトヲ要ス
第百五十六條中「總會ノ目的及ヒ總會ニ於テ決議スヘキ事項」ヲ「會議ノ目的タル事項」ニ改ム
第百五十八條 削除
第百六十條中「總會ノ目的」ヲ「會議ノ目的タル事項」ニ改ム
第百六十條ノ二 總會ハ取締役ノ提出シタル書類及ヒ監査役ノ報吿書ヲ調査セシムル爲メ特ニ檢査役ヲ選任スルコトヲ得
第百六十一條第二項ヲ左ノ如ク改ム
無記名式ノ株券ヲ有スル者ハ會日ヨリ一週間前ニ其株券ヲ會社ニ供託スルコトヲ要ス
第百六十三條 總會招集ノ手續又ハ其決議ノ方法カ法令又ハ定款ニ反スルトキハ株主、取締役又ハ監査役ハ訴ヲ以テノミ其決議ノ無效ヲ主張スルコトヲ得
株主ハ總會ニ於テ決議ニ對シ異議ヲ述ヘタルトキ又ハ正當ノ理由ナクシテ總會ニ出席スルコトヲ拒マレタルトキニ限リ又株主カ總會ニ出席セサル場合ニ於テハ自己ニ對スル總會招集ノ手續カ法令又ハ定款ニ反スルコトヲ理由トスルトキニ限リ前項ノ訴ヲ提起スルコトヲ得
第九十九條ノ三及ヒ第九十九條ノ四ノ規定ハ前二項ノ場合ニ之ヲ準用ス
第百六十三條ノ二 決議無效ノ訴ハ決議ノ日ヨリ一个月內ニ之ヲ提起スルコトヲ要ス
口頭辯論ハ前項ノ期間ヲ經過シタル後ニ非サレハ之ヲ開始スルコトヲ得ス
訴ノ提起及ヒ口頭辯論ノ期日ハ取締役遲滯ナク之ヲ公吿スルコトヲ要ス
第百六十三條ノ三 株主カ決議無效ノ訴ヲ提起シタルトキハ會社ノ請求ニ因リ相當ノ擔保ヲ供スルコトヲ要ス但其株主カ取締役又ハ監査役ナルトキハ此限ニ在ラス
第百六十三條ノ四 決議シタル事項ノ登記アリタル場合ニ於テ其決議ヲ無效トスル判決カ確定シタルトキハ本店及ヒ支店ノ所在地ニ於テ其登記ヲ爲スコトヲ要ス
第百六十四條ニ左ノ一項ヲ加フ
會社ト取締役トノ間ノ關係ハ委任ニ關スル規定ニ從フ
第百六十六條但書ヲ左ノ如ク改ム
但定款ヲ以テ任期中ノ最終ノ配當期ニ關スル定時總會ノ終結ニ至ルマテ其任期ヲ伸長スルコトヲ妨ケス
第百六十七條ノ二 取締役ノ任務カ終了シタル場合ニ於テ法律又ハ定款ニ定メタル員數ノ取締役ナキニ至リタルトキハ退任シタル取締役ハ破產及ヒ禁治產ノ場合ヲ除ク外新ニ選任セラレタル取締役カ就職スルマテ仍ホ取締役ノ權利義務ヲ有ス
第百七十條 定款又ハ株主總會ノ決議ヲ以テ取締役中會社ヲ代表スヘキ者ヲ定メス又ハ數人ノ取締役カ共同シ若クハ取締役カ支配人ト共同シテ會社ヲ代表スヘキコトヲ定メサルトキハ取締役ハ各自會社ヲ代表ス
第三十條ノ二第二項及ヒ第六十二條ノ規定ハ取締役ニ之ヲ準用ス
第百七十二條ノ二 會社ノ株主ニ對スル通知又ハ催吿ハ株主名簿ニ記載シタル株主ノ住所又ハ其者カ會社ニ通知シタル住所ニ宛ツルヲ以テ足ル
前項ノ通知又ハ催吿ハ通常其到達スヘカリシ時ニ到達シタルモノト看做ス
第百七十三條中第六號ノ次ニ左ノ二號ヲ加ヘ第七號ヲ第九號トシ以下順次繰下ク
七 數囘ニ分チテ社債ノ拂込ヲ爲サシムルトキハ其拂込ノ金額及ヒ時期
八 各社債ニ付キ拂込ミタル金額及ヒ拂込ノ年月日
第百七十六條ノ末尾ニ「此場合ニ於テハ民法第百八條ノ規定ヲ適用セス」ヲ加フ
第百七十七條 取締役カ其任務ヲ怠リタルトキハ其取締役ハ會社ニ對シ連帶シテ損害賠償ノ責ニ任ス
取締役カ法令又ハ定款ニ反スル行爲ヲ爲シタルトキハ株主總會ノ決議ニ依リタル場合ト雖モ其取締役ハ第三者ニ對シ連帶シテ損害賠償ノ責ニ任ス
第百七十八條中「其株券ヲ供託シ且」ヲ削ル
第百八十條 監査役ノ任期ハ二年ヲ超ユルコトヲ得ス
第百八十六條 監査役カ會社又ハ第三者ニ對シテ損害賠償ノ責ニ任スヘキ場合ニ於テ取締役モ亦其責ニ任スヘキトキハ其監査役及ヒ取締役ハ之ヲ連帶債務者トス
第百八十七條中「其株券ヲ供託シ且」ヲ削ル
第百八十八條 削除
第百八十九條 第百六十四條、第百六十六條但書、第百六十七條、第百六十七條ノ二、第百七十七條及ヒ第百七十九條ノ規定ハ監査役ニ之ヲ準用ス
第百九十八條第二項ノ末尾ニ「此總會ニ於テハ前項ノ調査ヲ爲サシムル爲メ特ニ檢査役ヲ選任スルコトヲ得」ヲ加フ
第二百條ノ二 會社ハ前ニ募集シタル社債總額ノ拂込ヲ爲サシメタル後ニ非サレハ更ニ社債ヲ募集スルコトヲ得ス
第二百三條 社債ノ募集ニ應セントスル者ハ社債申込證二通ニ其引受クヘキ社債ノ數及ヒ住所ヲ記載シ之ニ署名スルコトヲ要ス
社債申込證ハ取締役之ヲ作リ之ニ左ノ事項ヲ記載スルコトヲ要ス
一 會社ノ商號
二 第百七十三條第三號乃至第七號ニ揭ケタル事項
三 社債發行ノ價額又ハ其最低價額
四 會社ノ資本及ヒ拂込ミタル株金ノ總額
五 最終ノ貸借對照表ニ依リ會社ニ現存スル財產ノ額
六 前ニ社債ヲ募集シタルトキハ其償還ヲ了ヘサル總額
社債發行ノ最低價額ヲ定メタル場合ニ於テハ社債應募者ハ社債申込證ニ應募價額ヲ記載スルコトヲ要ス
第二百三條ノ二 前條ノ規定ハ契約ニ依リ社債ノ總額ヲ引受クル場合ニハ之ヲ適用セス社債募集ノ委託ヲ受ケタル者カ自ラ社債ノ一部ヲ引受クル場合ニ於テ其一部ニ付キ亦同シ
第二百四條 社債ノ募集カ完了シタルトキハ取締役ハ遲滯ナク各社債ニ付キ其全額又ハ第一囘ノ拂込ヲ爲サシムルコトヲ要ス
第二百四條ノ二 社債募集ノ委託ヲ受ケタル者ハ自己ノ名ヲ以テ會社ノ爲メニ第二百三條第二項及ヒ前條ニ定メタル行爲ヲ爲スコトヲ得
第二百四條ノ三 取締役ハ第二百四條ノ拂込アリタル日ヨリ二週間內ニ本店及ヒ支店ノ所在地ニ於テ左ノ事項ヲ登記スルコトヲ要ス
一 第百七十三條第三號乃至第六號ニ揭ケタル事項
二 各社債ニ付キ拂込ミタル金額
第五十三條ノ規定ハ前項ノ場合ニ之ヲ準用ス
外國ニ於テ社債ヲ募集シタル場合ニ於テ登記スヘキ事項カ外國ニ於テ生シタルトキハ登記ノ期間ハ其通知ノ到達シタル時ヨリ之ヲ起算ス
第二百五條 債券ハ社債全額ノ拂込アリタル後ニ非サレハ之ヲ發行スルコトヲ得ス
債券ニハ會社ノ商號及ヒ第百七十三條第二號乃至第六號ニ揭ケタル事項ヲ記載シ取締役之ニ署名スルコトヲ要ス
第二百六條中「讓渡」ヲ「移轉」ニ、「讓受人」ヲ「取得者」ニ改ム
第二百七條ノ二 第百七十二條ノ二ノ規定ハ社債應募者又ハ社債權者ニ對スル通知及ヒ催吿ニ之ヲ準用ス
第二百八條ニ左ノ一項ヲ加フ
定款ノ變更ニ關スル議案ノ要領ハ第百五十六條ニ定メタル通知及ヒ公吿ニ之ヲ記載スルコトヲ要ス
第二百九條第一項ニ左ノ但書ヲ加ヘ第二項中「一个月ヲ下ラサル期間內」ヲ「一个月內」ニ改ム
但第百六十一條第二項ノ規定ニ依リテ株券ヲ供託セサル者ハ總株主ノ員數ニ之ヲ算入セス
第二百十二條ノ二 會社カ其資本ヲ增加スル場合ニ於テ金錢以外ノ財產ヲ以テ出資ノ目的ト爲ス者アルトキハ其者、其財產ノ種類、價格及ヒ之ニ對シテ與フル株式ノ數ハ資本增加ノ決議ト同時ニ之ヲ決議スルコトヲ要ス
第二百十二條ノ三 株式申込證ハ取締役之ヲ作リ之ニ左ノ事項ヲ記載スルコトヲ要ス
一 會社ノ商號
二 增加スヘキ資本ノ總額
三 資本增加ノ決議ノ年月日
四 第一囘拂込ノ金額
五 額面以上ノ價額ヲ以テ株式ヲ發行スル場合ニ於テハ其旨
六 前條ノ規定ニ依リテ決議シタル事項
七 優先株ヲ發行スル場合ニ於テハ其種類及ヒ其各種ノ株式ノ數
八 一定ノ時期マテニ資本增加ノ登記ヲ爲ササルトキハ株式ノ申込ヲ取消スコトヲ得ヘキコト
數種ノ優先株ヲ發行スル場合ニ於テハ株式申込人ハ株式申込證ニ其引受クヘキ株式ノ種類及ヒ各種ノ株式ノ數ヲ記載スルコトヲ要ス
第二百十四條第一項第三號ヲ削ル
第二百十五條 削除
第二百十七條中「其株主ノ權利」ヲ「其種類及ヒ其各種ノ株式ノ數」ニ、「前項」ヲ「第一項」ニ改メ第一項ノ次ニ左ノ一項ヲ加フ
第五十三條ノ規定ハ前項ノ場合ニ之ヲ準用ス
第二百十九條 第百二十六條第一項、第三項、第百二十六條ノ二乃至第百三十條、第百四十二條及ヒ第百四十七條第二項ノ規定ハ新株發行ノ場合ニ之ヲ準用ス
第二百二十條ノ二 資本減少ノ爲メ株式ヲ併合スヘキ場合ニ於テハ會社ハ株主ニ對シ一定ノ期間內ニ株券ヲ會社ニ提供スヘキ旨及ヒ其期間內ニ之ヲ提供セサルトキハ株主ノ權利ヲ失フヘキ旨ヲ通知スルコトヲ得但其期間ハ三个月ヲ下ルコトヲ得ス
第二百二十條ノ三 會社カ前條ニ定メタル手續ヲ踐ミタルモ株主カ株券ヲ提供セサルトキハ其權利ヲ失フ株主カ株券ヲ提供シタル場合ニ於テ併合ニ適セサル株アルトキハ其株ニ付キ亦同シ
前項ノ場合ニ於テ會社ハ新ニ發行シタル株式ヲ競賣シ且株數ニ應シテ其代金ヲ從前ノ株主ニ交付スルコトヲ要ス
第二百二十條ノ四 第百五十二條第三項及ヒ第百五十三條ノ二ノ規定ハ前二條ノ場合ニ之ヲ準用ス
第二百二十條ノ五 株式併合ノ場合ニ於テ從前ノ株式ヲ目的トスル質權ハ併合ニ因リテ株主カ受クヘキ株式及ヒ金錢ノ上ニ存在ス
第二百二十三條 削除
第二百二十五條ニ左ノ二項ヲ加フ
第二百二十條ノ二乃至第二百二十條ノ五ノ規定ハ會社ノ合併ニ因ル株式併合ノ場合ニ之ヲ準用ス
第二百二十條ノ五ノ規定ハ株式ヲ併合セサル場合ニ於テ合併ニ因リ消滅スル會社ノ株式ヲ目的トスル質權ニ之ヲ準用ス
第二百二十七條第二項ヲ削ル
第二百二十七條ノ二 淸算人ハ財產目錄、貸借對照表及ヒ事務報吿書ヲ作リ定時總會ノ會日ヨリ一週間前ニ之ヲ監査役ニ提出スルコトヲ要ス
第二百三十條第二項ヲ削ル
第二百三十一條 削除
第二百三十二條 會社カ事業ニ著手シタル後株主、取締役又ハ監査役カ其設立ノ無效ナルコトヲ發見シタルトキハ訴ヲ以テノミ其無效ヲ主張スルコトヲ得
第九十九條ノ三乃至第九十九條ノ六及ヒ第百六十三條ノ二第三項ノ規定ハ前項ノ場合ニ之ヲ準用ス
第二百三十四條 第八十四條、第八十九條乃至第九十三條、第九十三條ノ二第二項、第九十五條、第九十七條、第九十九條、第百五十七條乃至第百六十條ノ二、第百六十三條乃至第百六十三條ノ四、第百六十四條第二項、第百六十七條ノ二、第百七十條、第百七十一條、第百七十六條乃至第百七十九條、第百八十一條、第百八十三條乃至第百八十七條、第百九十一條乃至第百九十三條及ヒ民法第七十九條、第八十條ノ規定ハ株式會社ノ淸算ノ場合ニ之ヲ準用ス
第二百三十八條中「第四號」ノ下ニ「、第五號」ヲ加フ
第二百四十二條ニ左ノ一號ヲ加フ
七 數人ノ無限責任社員カ共同シ又ハ無限責任社員カ支配人ト共同シテ會社ヲ代表スヘキコトヲ定メタルトキハ其代表ニ關スル規定
第二百五十一條中「第二百二十七條第一項及ヒ第二百三十條第一項」ヲ「第二百二十七條、第二百二十七條ノ二及ヒ第二百三十條」ニ改ム
第二百五十三條第二項ヲ左ノ如ク改ム
第七十八條、第七十九條第一項、第二項及ヒ第八十三條ノ三ノ規定ハ前項ノ場合ニ之ヲ準用ス
第二百五十四條 削除
第二百五十九條中「第百五十五條第一項、」ノ下ニ「第二百五條第一項、」ヲ加ヘ「株式ノ發行及ヒ其株式若クハ社債ノ讓渡」ヲ「株券又ハ債券ノ發行及ヒ其株式又ハ社債ノ移轉」ニ改ム
第二百六十一條 發起人、取締役、株式合資會社ノ業務ヲ執行スル社員、監査役、檢査役又ハ株式會社若クハ株式合資會社ノ支配人ハ左ノ場合ニ於テハ一年以下ノ懲役若クハ禁錮又ハ千圓以下ノ罰金ニ處ス
一 會社ノ設立若クハ資本ノ增加又ハ其登記ヲ爲シ若クハ之ヲ爲サシムル目的ヲ以テ株式總數ノ引受又ハ資本ニ對スル拂込額ニ付キ裁判所又ハ總會ヲ欺罔シタルトキ
二 何人ノ名義ヲ以テスルヲ問ハス會社ノ計算ニ於テ不正ニ其株式ヲ取得シ又ハ質權ノ目的トシテ之ヲ受ケタルトキ
三 法令又ハ定款ノ規定ニ違反シテ利益又ハ利息ノ配當ヲ爲シタルトキ
四 會社ノ營業ノ範圍外ニ於テ投機取引ノ爲メニ會社財產ヲ處分シタルトキ
前項ノ規定ハ刑法ニ正條アル場合ニハ之ヲ適用セス
第二百六十二條 發起人、會社ノ業務ヲ執行スル社員、取締役、外國會社ノ代表者、監査役又ハ淸算人ハ左ノ場合ニ於テハ十圓以上千圓以下ノ過料ニ處ス
但其行爲ニ付キ刑ヲ科スヘキトキハ此限ニ在ラス
一 官廳又ハ總會ニ對シ不實ノ申述ヲ爲シ又ハ事實ヲ隱蔽シタルトキ
二 第七十八條乃至第八十條ノ規定ニ違反シテ合併、會社財產ノ處分、資本ノ減少又ハ組織ノ變更ヲ爲シタルトキ
三 檢査役ノ調査ヲ妨ケタルトキ
四 第百五十一條第二項ノ規定ニ違反シテ株式ヲ消却シタルトキ
五 第百五十五條第一項ノ規定ニ違反シテ株券ヲ無記名式ト爲シタルトキ
六 第百七十四條第二項又ハ民法第八十一條ノ規定ニ違反シ破產宣吿ノ請求ヲ爲スコトヲ怠リタルトキ
七 第百九十四條ノ規定ニ違反シ準備金ヲ積立テサルトキ
八 第二百條ノ規定ニ違反シテ社債ヲ募集シ又ハ第二百五條第一項ノ規定ニ違反シテ債券ヲ發行シタルトキ
九 第二百六十條ノ規定ニ依ル裁判所ノ命令ニ違反シタルトキ
十 會社カ裁判所ノ命令ニ因リテ解散シタル場合ニ於テ淸算人ニ事務ノ引渡ヲ爲ササルトキ
十一 淸算ノ結了ヲ遲延セシムル目的ヲ以テ民法第七十九條ノ期間ヲ不當ニ定メタルトキ
十二 民法第七十九條ノ期間內ニ或債權者ニ辨濟ヲ爲シ又ハ第九十五條ノ規定ニ違反シテ會社財產ヲ分配シタルトキ
第二百六十二條ノ二 發起人、會社ノ業務ヲ執行スル社員、取締役、外國會社ノ代表者、監査役又ハ淸算人ハ左ノ場合ニ於テハ五圓以上五百圓以下ノ過料ニ處ス但其行爲ニ付キ刑ヲ科スヘキトキハ此限ニ在ラス
一 本編ニ定メタル登記ヲ爲スコトヲ怠リタルトキ
二 本編ニ定メタル公吿若クハ通知ヲ爲スコトヲ怠リ又ハ不正ノ公吿若クハ通知ヲ爲シタルトキ
三 本編ノ規定ニ依リ閱覽ヲ許スヘキ書類ヲ正當ノ理由ナクシテ閱覽セシメサリシトキ
四 本編ノ規定ニ依ル檢査又ハ調査ヲ妨ケタルトキ
五 第四十六條ノ規定ニ違反シテ開業ノ準備ニ著手シタルトキ
六 第百二十六條第二項、第二百三條第二項、第二百十二條ノ三第一項及ヒ第二百三十八條第二項ノ規定ニ違反シ株式申込證又ハ社債申込證ヲ作ラス、之ニ記載スヘキ事項ヲ記載セス又ハ不正ノ記載ヲ爲シタルトキ
七 第百四十七條第一項又ハ第二百十七條第三項ノ規定ニ違反シテ株券ヲ發行シタルトキ
八 株券又ハ債券ニ記載スヘキ事項ヲ記載セス又ハ不正ノ記載ヲ爲シタルトキ
九 定款、株主名簿、社債原簿、總會ノ決議錄、財產目錄、貸借對照表、營業報吿書、事務報吿書、損益計算書及ヒ準備金竝ニ利益又ハ利息ノ配當ニ關スル議案ヲ本店若クハ支店ニ備ヘ置カス、之ニ記載スヘキ事項ヲ記載セス又ハ之ニ不正ノ記載ヲ爲シタルトキ
十 第百七十四條第一項又ハ第百九十八條第二項ノ規定ニ違反シ株主總會ヲ招集セサルトキ
第二百六十二條ノ三 第四十四條ノ三第二項ノ規定ニ依リテ選任セラレタル者ハ本章ノ適用ニ付テハ之ヲ發起人ト看做ス
第二百八十條 削除
第二百八十一條中「金錢其他ノ物ノ給付ヲ目的トスル指圖證券又ハ無記名證券」ヲ「金錢其他ノ物又ハ有價證券ノ給付ヲ目的トスル有價證券」ニ改ム
第二百八十二條 第四百四十一條、第四百四十九條ノ二、第四百五十七條、第四百六十一條及ヒ第四百六十四條ノ規定ハ金錢其他ノ物又ハ有價證券ノ給付ヲ目的トスル有價證券ニ之ヲ準用ス
第二百八十四條中「債務者ノ所有物」ヲ「債務者所有ノ物又ハ有價證券」ニ改ム
第二百八十五條ノ二 第四十二條第二項ニ定メタル會社ノ行爲ニハ商行爲ニ關スル規定ヲ準用ス
第三百二十七條ニ左ノ一項ヲ加フ
運送取扱人カ委託者ノ請求ニ因リテ貨物引換證ヲ作リタルトキハ自ラ運送ヲ爲スモノト看做ス
第三百三十四條ノ二 貨物引換證ヲ作リタルトキハ運送品ニ關スル處分ハ貨物引換證ヲ以テスルニ非サレハ之ヲ爲スコトヲ得ス
第三百三十四條ノ三 貨物引換證ハ其記名式ナルトキト雖モ裏書ニ依リテ之ヲ讓渡スコトヲ得但貨物引換證ニ裏書ヲ禁スル旨ヲ記載シタルトキハ此限ニ在ラス
第三百三十五條 貨物引換證ニ依リ運送品ヲ受取ルコトヲ得ヘキ者ニ貨物引換證ヲ引渡シタルトキハ其引渡ハ運送品ノ上ニ行使スル權利ノ取得ニ付キ運送品ノ引渡ト同一ノ效力ヲ有ス
第三百四十一條中「滅失又ハ毀損」ヲ「滅失、毀損又ハ延著」ニ改ム
第三百六十三條 削除
第三百六十五條 第三百三十四條ノ二及ヒ第三百三十五條ノ規定ハ預證券及ヒ質入證券ニ之ヲ準用ス
第三百六十七條ノ二 預證券ノ所持人ハ寄託物ヲ以テ預證券ニ記載シタル債權額及ヒ利息ヲ辨濟スル義務ヲ負フ
第三百六十七條ノ三 質入證券所持人ノ債權ノ辨濟ハ倉庫營業者ノ營業所ニ於テ之ヲ爲スコトヲ要ス
第三百七十二條 質入證券ノ所持人ハ先ツ寄託物ニ付キ辨濟ヲ受ケ尙ホ不足アルトキハ其裏書人ニ對シテ不足額ヲ請求スルコトヲ得
第四百八十七條ノ二乃至第四百八十八條ノ四、第四百九十一條、第四百九十二條及ヒ第四百九十五條ノ規定ハ前項ニ定メタル不足額ノ請求ニ之ヲ準用ス
第三百七十四條 質入證券所持人ノ預證券所持人ニ對スル請求權ハ辨濟期ヨリ一年質入證券裏書人ニ對スル請求權ハ寄託物ニ付キ辨濟ヲ受ケタル日ヨリ六个月質入證券裏書人ノ其前者ニ對スル請求權ハ償還ヲ爲シタル日ヨリ六个月ヲ經過シタルトキハ時效ニ因リテ消滅ス
第三百七十七條中「報酬」ヲ「保管料」ニ改ム
第三百八十條第二項ヲ削ル
第三百八十條ノ二 寄託物カ同種類ニシテ同一ノ品質ヲ有シ且分割スルコトヲ得ヘキ物ナルトキハ預證券ノ所持人ハ債權額ノ一部及ヒ其辨濟期マテノ利息ヲ供託シ其割合ニ應シテ寄託物ノ一部ノ返還ヲ請求スルコトヲ得此場合ニ於テ倉庫營業者ハ供託ヲ受ケタル金額及ヒ返還シタル寄託物ノ數量ヲ預證券ニ記載シ且其旨ヲ帳簿ニ記載スルコトヲ要ス
前項ニ定メタル寄託物ノ一部出庫ニ關スル費用ハ預證券ノ所持人之ヲ負擔ス
第三百八十條ノ三 前二條ノ場合ニ於テ質入證券ノ所持人ノ權利ハ供託金ノ上ニ存在ス
第三百七十一條ノ規定ハ前條第一項ノ供託金ヲ以テ質入證券ニ記載シタル債權ノ一部ヲ辨濟シタル場合ニ之ヲ準用ス
第三百八十一條 第二百八十六條第一項及ヒ第二項ノ規定ハ寄託者又ハ預證券ノ所持人カ寄託物ヲ受取ルコトヲ拒ミ又ハ之ヲ受取ルコト能ハサル場合ニ之ヲ準用ス此場合ニ於テ質入證券ノ所持人ノ權利ハ競賣代金ノ上ニ存在ス
第三百七十條及ヒ第三百七十一條ノ規定ハ前項ノ場合ニ之ヲ準用ス
第三百八十三條ノ二 倉庫營業者ハ寄託者ノ請求アルトキハ預證券及ヒ質入證券ニ代ヘテ倉荷證券ヲ交付スルコトヲ要ス
倉荷證券ニハ預證券ニ關スル規定ヲ準用ス
第三百八十三條ノ三 倉荷證券ヲ以テ質權ノ目的ト爲シタル場合ニ於テ質權者ノ承諾アルトキハ寄託者ハ債權ノ辨濟期前ト雖モ寄託物ノ一部ノ返還ヲ請求スルコトヲ得此場合ニ於テ倉庫營業者ハ返還シタル寄託物ノ種類、品質及ヒ數量ヲ倉荷證券ニ記載シ且其旨ヲ帳簿ニ記載スルコトヲ要ス
第三百九十八條 削除
第三百九十九條ノ二 保險契約ノ當時保險契約者カ惡意又ハ重大ナル過失ニ因リ重要ナル事實ヲ吿ケス又ハ重要ナル事項ニ付キ不實ノ事ヲ吿ケタルトキハ保險者ハ契約ノ解除ヲ爲スコトヲ得但保險者カ其事實ヲ知リ又ハ過失ニ因リテ之ヲ知ラサリシトキハ此限ニ在ラス
前項ノ解除權ハ保險者カ解除ノ原因ヲ知リタル時ヨリ一个月間之ヲ行ハサルトキハ消滅ス契約ノ時ヨリ五年ヲ經過シタルトキ亦同シ
第三百九十九條ノ三 前條ノ規定ニ依リ保險者カ契約ノ解除ヲ爲シタルトキハ其解除ハ將來ニ向テノミ其效力ヲ生ス
保險者ハ危險發生ノ後解除ヲ爲シタル場合ニ於テモ損害ヲ塡補スル責ニ任セス若シ旣ニ保險金額ノ支拂ヲ爲シタルトキハ其返還ヲ請求スルコトヲ得但保險契約者ニ於テ危險ノ發生カ其吿ケ又ハ吿ケサリシ事實ニ基カサルコトヲ證明シタルトキハ此限ニ在ラス
第四百十七條中「保險金額支拂ノ義務」ノ下ニ「及ヒ保險料返還ノ義務」ヲ加フ
第四百二十八條 他人ノ死亡ニ因リテ保險金額ノ支拂ヲ爲スヘキコトヲ定ムル保險契約ニハ其者ノ同意アルコトヲ要ス但被保險者カ保險金額ヲ受取ルヘキ者ナルトキハ此限ニ在ラス
前項ノ保險契約ニ因リテ生シタル權利ノ讓渡ニハ被保險者ノ同意アルコトヲ要ス
保險契約者カ被保險者ナル場合ニ於テ保險金額ヲ受取ルヘキ者カ其權利ヲ讓渡ストキ又ハ第一項但書ノ場合ニ於テ權利ヲ讓受ケタル者カ更ニ之ヲ讓渡ストキ亦同シ
第四百二十八條ノ二 保險金額ヲ受取ルヘキ者カ第三者ナルトキハ其第三者ハ當然保險契約ノ利益ヲ享受ス但保險契約者カ別段ノ意思ヲ表示シタルトキハ其意思ニ從フ
前項但書ノ規定ニ依リ保險契約者カ保險金額ヲ受取ルヘキ者ヲ指定又ハ變更スル權利ヲ有スル場合ニ於テ其權利ヲ行ハスシテ死亡シタルトキハ保險金額ヲ受取ルヘキ者ノ權利ハ之ニ因リテ確定ス
第四百二十八條ノ三 保險金額ヲ受取ルヘキ者カ被保險者ニ非サル第三者ナル場合ニ於テ其者カ死亡シタルトキハ保險契約者ハ更ニ保險金額ヲ受取ルヘキ者ヲ指定スルコトヲ得
保險契約者カ前項ニ定メタル權利ヲ行ハスシテ死亡シタルトキハ保險金額ヲ受取ルヘキ者ノ相續人ヲ以テ保險金額ヲ受取ルヘキ者トス
第四百二十八條ノ四 保險契約者カ契約後保險金額ヲ受取ルヘキ者ヲ指定又ハ變更シタルトキハ保險者ニ其指定又ハ變更ヲ通知スルニ非サレハ之ヲ以テ保險者ニ對抗スルコトヲ得ス
第四百二十八條第一項ノ規定ハ前項ノ指定及ヒ變更ニ之ヲ準用ス
第四百二十九條 保險契約ノ當時保險契約者又ハ被保險者カ惡意又ハ重大ナル過失ニ因リ重要ナル事實ヲ吿ケス又ハ重要ナル事項ニ付キ不實ノ事ヲ吿ケタルトキハ保險者ハ契約ノ解除ヲ爲スコトヲ得但保險者カ其事實ヲ知リ又ハ過失ニ因リテ之ヲ知ラサリシトキハ此限ニ在ラス
第三百九十九條ノ二第二項及ヒ第三百九十九條ノ三ノ規定ハ前項ノ場合ニ之ヲ準用ス
第四百三十條中「及ヒ其者ト被保險者トノ親族關係」ヲ削ル
第四百三十一條第一項ニ左ノ一號ヲ加フ
三 保險契約者カ故意ニテ被保險者ヲ死ニ致シタルトキ
同條第二項ヲ左ノ如ク改ム
前項第一號及ヒ第二號ノ場合ニ於テハ保險者ハ被保險者ノ爲メニ積立テタル金額ヲ保險契約者ニ拂戾スコトヲ要ス
第四百三十二條ノ二 被保險者ノ爲メニ積立テタル金額ヲ拂戾ス義務ハ二年ヲ經過シタルトキハ時效ニ因リテ消滅ス
第四百三十三條中「第三百九十九條乃至第四百一條」ヲ「第三百九十九條、第四百條、第四百一條」ニ改メ「積立テタル金額ヲ」ノ下ニ「保險契約者ニ」ヲ加フ
第四百四十三條中「六个月」ヲ「一年」ニ改ム
第四百四十九條ノ二 振出人ハ爲替手形ニ受取人ノ氏名又ハ商號ト共ニ其爲替手形ノ所持人カ支拂ヲ受クルコトヲ得ヘキ旨ヲ記載スルコトヲ得
前項ノ爲替手形ハ無記名式ノモノト同一ノ效力ヲ有ス
第四百四十九條ノ三 第四百四十九條ノ規定ハ前條第一項ニ定メタル爲替手形ニ之ヲ準用ス
第四百五十二條中「其爲替手形ニ記載シタル支拂人ノ住所地」ヲ「支拂人ノ氏名又ハ商號ニ附記シタル地」ニ改ム
第四百五十二條ノ二 支拂人ノ氏名又ハ商號ニ附記シタル地ハ之ヲ其營業所又ハ住所ノ所在地ト看做ス
第四百五十三條 振出人ハ支拂人ニ非サル者ヲ以テ支拂擔當者トシテ爲替手形ニ記載スルコトヲ得
第四百六十三條中「質入ヲ爲シ又ハ其取立ノ委任ヲ爲スコト」ヲ「取立ヲ委任スルコト」ニ改ム
第四百六十四條ニ左ノ一項ヲ加フ
抹消シタル裏書ハ裏書ノ連續ニ付テハ其記載ナキモノト看做ス
第四百七十二條中「支拂地カ支拂人ノ住所地ト異ナル場合ニ於テ」ヲ削ル
第四百七十五條 爲替手形ノ所持人カ前條ノ請求ヲ爲サント欲スルトキハ引受拒絕證書ヲ作ラシムルコトヲ要ス
第四百七十六條 擔保ノ請求ヲ受ケタル裏書人ハ其前者ニ對シ其擔保スヘキ金額及ヒ費用ニ付キ相當ノ擔保ヲ請求スルコトヲ得
第四百七十八條第二項ヲ削ル
第四百八十條第一項但書ヲ左ノ如ク改ム
但拒絕證書ヲ作ラシムルコトヲ要ス
第四百八十四條中「謄本」ヲ「寫本」ニ改ム
第四百八十七條第一項ヲ左ノ如ク改ム
所持人カ前條ノ請求ヲ爲サント欲スルトキハ滿期日又ハ其後二日內ニ支拂ヲ求ムル爲メ爲替手形ヲ支拂人ニ呈示シ、若シ手形金額ノ支拂ナキトキハ同一期間內ニ支拂拒絕證書ヲ作ラシムルコトヲ要ス但此期間ニハ休日ヲ算入セス
第四百八十七條ノ二 前條第一項ノ場合ニ於テハ所持人ハ其直接ノ前者ニ對シ拒絕證書作成ノ日又ハ其後二日內ニ償還請求ノ通知ヲ發スルコトヲ要ス
第四百八十八條 裏書人カ其後者ヨリ償還請求ノ通知ヲ受ケタルトキハ其直接ノ前者ニ對シ通知ヲ受ケタル日又ハ其後二日內ニ償還請求ノ通知ヲ發スルコトヲ要ス
第四百八十八條ノ二 所持人又ハ裏書人カ其直接ノ前者ニ非サル前者ニ對シテ償還請求ノ通知ヲ發シタルトキハ其者ノ後者ニ對シ之ニ因リテ生シタル損害ヲ賠償スル責ニ任シ且利息及ヒ費用ノ償還ヲ請求スル權利ヲ失フ
所持人又ハ裏書人カ其前者ノ何レニ對シテモ通知ヲ發セサリシトキハ其前者全員ニ對スル權利義務ニ付キ前項ノ規定ヲ準用ス
第四百八十八條ノ三 裏書人カ裏書ヲ爲スニ當タリ裏書地ヲ記載セサリシトキハ償還請求ノ通知ハ其直接ノ前者ニ對シテ之ヲ爲スコトヲ要ス
前條ノ規定ハ裏書地ヲ記載セサリシ裏書人ニ對スル權利義務ニハ之ヲ適用セス振出人カ振出地ヲ記載セサリシトキ亦同シ
第四百八十八條ノ四 所持人又ハ裏書人カ其前者ニ對シ第四百八十七條ノ二又ハ第四百八十八條ノ期間內ニ書面ヲ發送シタル事實アルトキハ其事實ニ付キ通信官署又ハ公衆通信取扱所ノ證アル場合ニ限リ其書面ハ之ヲ償還請求ノ通知書ト推定ス
第四百八十九條ノ二 支拂拒絕證書ノ作成ヲ免除シタル者ニ對シテハ所持人ハ支拂拒絕證書作成ノ期間內ニ支拂ヲ求ムル爲メ爲替手形ヲ呈示シタルモノト推定ス
第四百九十條中「支拂地カ支拂人ノ住所地ト異ナル場合ニ於テ」ヲ削リ「支拂拒絕證書ヲ作ラシメ且償還請求ノ通知ヲ發スルコトヲ要ス」ヲ「支拂拒絕證書ヲ作ラシムルコトヲ要ス」ニ改ム
第四百九十一條中「住所地」ヲ「營業所又ハ住所ノ所在地」ニ改ム
第四百九十四條中「住所地」ヲ「營業所又ハ住所ノ所在地」ニ改ム
第四百九十六條 削除
第五百五條中「滿期日又ハ其後二日內」ヲ「支拂拒絕證書作成ノ期間內」ニ改ム
第五百七條中「第四百七十五條」ヲ「第四百七十六條」ニ改ム
第五百八條中「滿期日又ハ其後二日內」ヲ「支拂拒絕證書作成ノ期間內」ニ改ム
第五百十五條 拒絕證書ニハ左ノ事項ヲ記載シ公證人又ハ執達吏之ニ署名、捺印スルコトヲ要ス
一 拒絕者及ヒ被拒絕者ノ氏名又ハ商號
二 拒絕者ニ對スル請求ノ趣旨及ヒ拒絕者カ其請求ニ應セサリシコト、拒絕者ニ面會スルコト能ハサリシコト又ハ其營業所、住所若クハ居所カ知レサリシコト
三 前號ノ請求ヲ爲シ又ハ之ヲ爲スコト能ハサリシ地及ヒ年月日
四 法定ノ場所外ニ於テ拒絕證書ヲ作ルトキハ拒絕者カ之ヲ承諾シタルコト
五 參加引受又ハ參加支拂アルトキハ參加ノ種類及ヒ參加人竝ニ被參加人ノ氏名又ハ商號
六 拒絕證書作成ノ場所及ヒ年月日
第五百十五條ノ二 支拂拒絕證書ノ作成ハ爲替手形又ハ附箋ニ依リテ之ヲ爲ス
第五百十五條ノ三 爲替手形ノ數通ノ複本又ハ原本及ヒ謄本ヲ呈示シタル場合ニ於テ支拂拒絕證書ヲ作ルトキハ其作成ハ一通ノ複本若クハ原本又ハ附箋ニ依リ之ヲ爲スヲ以テ足ル
前項ノ規定ニ依リテ支拂拒絕證書ヲ作リタルトキハ他ノ複本又ハ謄本ニ其旨ヲ記載スルコトヲ要ス
第五百十五條ノ四 支拂拒絕ノ場合ヲ除ク外拒絕證書ノ作成ハ爲替手形若クハ其謄本ノ寫本又ハ附箋ニ依リテ之ヲ爲ス
第五百十五條ノ五 爲替手形、複本、原本又ハ爲替手形若クハ其謄本ノ寫本ニ依リテ拒絕證書ヲ作ル場合ニ於テハ第五百十五條ニ揭ケタル事項ハ其裏面ニ記載シタル事項ニ接續シテ之ヲ記載スルコトヲ要ス
附箋ニ依ル場合ニ於テハ公證人又ハ執達吏ハ其接目ニ契印ヲ爲スコトヲ要ス
第五百十七條第一項ヲ左ノ如ク改ム
公證人又ハ執達吏カ拒絕證書ヲ作リタルトキハ其謄本ニ左ノ事項ヲ記載シ之ヲ其役場ニ備フルコトヲ要ス
一 手形金額
二 振出人、支拂人及ヒ受取人ノ氏名又ハ商號
三 振出ノ年月日
四 滿期日及ヒ支拂地
五 支拂擔當者、豫備支拂人又ハ參加引受人アルトキハ其氏名又ハ商號
第五百二十六條ノ二 振出地ハ之ヲ振出人ノ營業所又ハ住所ノ所在地ト看做ス
第五百二十九條中「第四百五十七條、第四百五十九條乃至」ヲ削ル
第五百三十一條 削除
第五百三十三條中「一週間」ヲ「十日」ニ改ム
第五百三十三條ノ二 小切手ノ振出人ハ呈示期間經過前ニハ支拂ノ委託ヲ取消スコトヲ得ス
支拂人ハ呈示期間經過ノ後ト雖モ小切手ノ支拂ヲ爲スコトヲ得
第五百三十三條ノ三 小切手ノ所持人カ支拂人ノ加入シタル手形交換所ニ小切手ヲ提出シタルトキハ支拂地ニ於テ支拂ヲ求ムル爲メ之ヲ呈示シタルト同一ノ效力ヲ有ス
第五百三十四條中「前條第一項ニ定メタル期間」ヲ「呈示期間」ニ改メ同條ニ左ノ一項ヲ加フ
手形交換所ニ於テ呈示期間內ニ小切手ノ提出及ヒ支拂拒絕アリタル旨ヲ證明シタルトキ亦同シ
第五百三十四條ノ二 前二條ノ手形交換所ハ司法大臣之ヲ指定ス
第五百三十六條 振出人カ支拂人ヲシテ支拂ヲ爲サシムルコトヲ得ル金額ヲ超エテ小切手ヲ振出シタルトキハ五圓以上千圓以下ノ過料ニ處ス
第五百三十七條 第四百四十六條、第四百四十七條、第四百四十九條ノ二、第四百五十二條、第四百五十二條ノ二、第四百五十五條、第四百五十七條、第四百五十九條乃至第四百六十四條、第四百八十三條、第四百八十四條、第四百八十六條乃至第四百八十九條ノ二、第四百九十一條、第四百九十二條、第四百九十五條、第五百十四條乃至第五百十五條ノ二、第五百十五條ノ五及ヒ第五百十七條ノ規定ハ小切手ニ之ヲ準用ス
第五百四十一條中「讓渡」ヲ「移轉」ニ改ム
第五百四十四條ノ二 登記シタル船舶ノ委付ハ登記ヲ爲スニ因リテ其效力ヲ生ス
第五百四十五條中「前條」ヲ「第五百四十四條」ニ改ム
第五百六十八條中「船舶ノ修繕、救援又ハ救助ノ費用」ヲ「船舶ノ修繕費、救助料」ニ改ム
第五百九十九條中「、救援」ヲ削ル
第六百六條中「立替金」ノ下ニ「、碇泊料」ヲ加ヘ「、救援」ヲ削ル
第六百二十二條中「又ハ所持人ニ運送品ヲ引渡スヘキコト」ヲ削ル
第六百二十九條 第三百三十四條乃至第三百三十五條及ヒ第三百四十四條ノ規定ハ船荷證券ニ之ヲ準用ス
第六百四十九條中「救助ノ費用」ヲ「救助料」ニ改ム
第五編中第四章ノ次ニ左ノ一章ヲ加ヘ「第五章」ヲ「第六章」ニ、「第六章」ヲ「第七章」ニ改ム
第五章 海難救助
第六百五十二條ノ二 船舶又ハ積荷ノ全部又ハ一部カ海難ニ遭遇セル場合ニ於テ義務ナクシテ之ヲ救助シタル者ハ其結果ニ對シテ相當ノ救助料ヲ請求スルコトヲ得
第六百五十二條ノ三 救助料ニ付キ特約ナキ場合ニ於テ其額ニ付キ爭アルトキハ危險ノ程度、救助ノ結果、救助ノ爲メニ要シタル勞力及ヒ費用其他一切ノ事情ヲ斟酌シテ裁判所之ヲ定ム
第六百五十二條ノ四 海難ニ際シ契約ヲ以テ救助料ヲ定メタル場合ニ於テ其額カ著シク不相當ナルトキハ當事者ハ其增加又ハ減少ヲ請求スルコトヲ得此場合ニ於テハ前條ノ規定ヲ準用ス
第六百五十二條ノ五 救助料ノ額ハ特約ナキトキハ救助セラレタル物ノ價額ニ超ユルコトヲ得ス
先順位ノ先取特權アルトキハ救助料ノ額ハ先取特權者ノ債權額ヲ控除シタル殘額ニ超ユルコトヲ得ス
第六百五十二條ノ六 數人カ共同シテ救助ヲ爲シタル場合ニ於テ救助料分配ノ割合ニ付テハ第六百五十二條ノ三ノ規定ヲ準用ス
人命ノ救助ニ從事シタル者モ亦前項ノ規定ニ從ヒテ救助料ノ分配ヲ受クルコトヲ得
第六百五十二條ノ七 救助ニ從事シタル船舶カ汽船ナルトキハ救助料ノ三分ノ二、帆船ナルトキハ其二分ノ一ヲ船舶所有者ニ支拂ヒ其殘額ハ折半シテ之ヲ船長及ヒ海員ニ支拂フコトヲ要ス
前項ノ規定ニ依リテ海員ニ支拂フヘキ金額ノ分配ハ船長之ヲ行フ此場合ニ於テハ前條ノ規定ヲ準用ス
前二項ノ規定ニ反スル契約ハ無效トス
第六百五十二條ノ八 船長カ前條第二項ノ規定ニ依リ救助料ノ分配ヲ爲スニハ航海ヲ終ハルマテニ分配案ヲ作リ之ヲ海員ニ吿示スルコトヲ要ス
第六百五十二條ノ九 海員カ前條ノ分配案ニ對シテ異議ノ申立ヲ爲サントスルトキハ其吿示アリタル後異議ノ申立ヲ爲スコトヲ得ル最初ノ港ノ管海官廳ニ之ヲ爲スコトヲ要ス
管海官廳ハ異議ヲ理由アリトスルトキハ分配案ヲ更正スルコトヲ得
船長ハ異議ノ落著前ニハ救助料ノ支拂ヲ爲スコトヲ得ス
第六百五十二條ノ十 船長カ分配案ノ作成ヲ怠リタルトキハ管海官廳ハ海員ノ請求ニ因リ船長ニ對シテ分配案ノ作成ヲ命スルコトヲ得
船長カ前項ノ命令ニ從ハサルトキハ管海官廳ハ分配案ヲ作ルコトヲ得
第六百五十二條ノ十一 左ノ場合ニ於テハ救助者ハ救助料ヲ請求スルコトヲ得ス
一 故意又ハ過失ニ因リテ海難ヲ惹起シタルトキ
二 正當ノ事由ニ因リテ救助ヲ拒マレタルニ拘ハラス强ヒテ之ニ從事シタルトキ
三 救助シタル物品ヲ隱匿シ又ハ濫ニ之ヲ處分シタルトキ
第六百五十二條ノ十二 救助者ハ其債權ニ付キ救助シタル積荷ノ上ニ先取特權ヲ有ス
前項ノ先取特權ニハ船舶債權者ノ先取特權ニ關スル規定ヲ準用ス
第六百五十二條ノ十三 船長ハ救助料ノ債務者ニ代ハリテ其支拂ニ關スル一切ノ裁判上又ハ裁判外ノ行爲ヲ爲ス權限ヲ有ス
救助料ニ關スル訴ニ於テハ船長ハ自ラ原吿又ハ被吿ト爲ルコトヲ得但其訴ニ付キ言渡シタル判決ハ救助料ノ債務者ニ對シテモ其效力ヲ有ス
第六百五十二條ノ十四 積荷ノ所有者ハ救助セラレタル物ヲ以テ救助料ヲ支拂フ義務ヲ負フ
第六百五十二條ノ十五 積荷ノ上ニ存スル先取特權ハ債務者カ其積荷ヲ第三取得者ニ引渡シタル後ハ其積荷ニ付キ之ヲ行フコトヲ得ス
第六百五十二條ノ十六 救助料ノ請求權ハ救助ヲ爲シタル時ヨリ一年ヲ經過シタルトキハ時效ニ因リテ消滅ス
第六百八十條中「救援竝ニ救助ノ費用」ヲ「救助料」ニ改ム
附 則
第一條 本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
第二條 本法ノ規定ハ本法施行ノ日ヨリ其施行前ニ生シタル事項ニモ亦之ヲ適用ス但從前ノ規定ニ依リテ生シタル效力ヲ妨ケス
第三條 本法施行前ニ會社カ合併ノ決議ヲ爲シタル場合ニ於テハ第四十四條ノ三第二項及ヒ第三項ノ規定ニ依ルコトヲ要セス
第四條 第九十一條ノ二ノ規定ハ本法施行前ニ淸算結了ノ登記ヲ爲シタル場合ニハ之ヲ適用セス
第五條 第九十九條ノ三第二項及ヒ第九十九條ノ四乃至第九十九條ノ六ノ規定ハ本法施行前ニ提起シタル設立無效ノ訴ニモ亦之ヲ適用ス但其訴ニ付キ爲シタル判決カ本法施行前ニ確定シタルトキハ此限ニ在ラス
第六條 前二條ノ規定ハ合資會社ニ之ヲ準用ス
第七條 本法施行前ニ株式會社ノ發起人カ定款ヲ作リタル場合ニ於テハ其設立ニハ從前ノ規定ヲ適用ス
前項ノ規定ハ第百二十六條ノ二及ヒ第百四十二條ノ二乃至第百四十二條ノ四ノ規定ノ適用ヲ妨ケス
第八條 第百五十二條第三項及ヒ第百五十三條ノ二ノ規定ハ本法施行前ニ第百五十二條第一項ノ催吿ヲ爲シタル場合ニモ亦之ヲ適用ス
第九條 第百六十三條及ヒ第百六十三條ノ二ノ規定ハ本法施行前ニ生シタル事由ニ基キ其施行後ニ決議無效ノ訴ヲ提起スル場合ニモ亦之ヲ適用ス
第十條 第九十九條ノ三第二項、第九十九條ノ四及ヒ第百六十三條ノ四ノ規定ハ本法施行前ニ提起シタル決議無效ノ訴ニモ亦之ヲ適用ス但其訴ニ付キ爲シタル判決カ本法施行前ニ確定シタルトキハ此限ニ在ラス
第十一條 前二條ノ規定ハ創立總會ノ決議無效ノ訴ニ之ヲ準用ス
第百六十三條ノ三ノ規定ハ本法施行前ニ提起シタル創立總會ノ決議無效ノ訴ニモ亦之ヲ適用ス
第十二條 第百六十七條ノ二ノ規定ハ本法施行前ニ選任シタル取締役又ハ監査役ノ任務カ本法施行後ニ終了シタル場合ニモ亦之ヲ適用ス
第十三條 第百七十七條及ヒ第百八十六條ノ規定ハ本法施行前ニ選任シタル取締役又ハ監査役ノ行爲カ本法施行後ニ在リタル場合ニモ亦之ヲ適用ス
第十四條 本法施行前ニ株式會社カ社債募集ノ決議ヲ爲シタル場合ニ於テハ從前ノ規定ニ從ヒテ其募集ヲ爲スコトヲ得但未タ社債募集ノ公吿ヲ爲ササルトキハ第二百三條、第二百三條ノ二、第二百四條ノ二及ヒ第二百七條ノ二ノ規定ヲ適用ス
第十五條 本法施行前ニ株式會社カ資本增加ノ決議ヲ爲シタル場合ニ於テハ從前ノ規定ニ從ヒテ其增加ヲ爲スコトヲ得
第十六條 第二百二十條ノ二乃至第二百二十條ノ五ノ規定ハ本法施行前ニ資本減少ノ決議ヲ爲シタル場合ニモ亦之ヲ適用ス但株主總會ノ決議ニ反スルトキハ此限ニ在ラス
第十七條 第二百二十條ノ二乃至第二百二十條ノ五ノ規定ハ券面額五十圓未滿ノ株式ヲ併合スル場合ニ之ヲ準用ス
第十八條 本法施行前ニ株式會社カ合併ノ決議ヲ爲シタル場合ニ於テモ株主ハ其記名株ヲ讓渡スコトヲ得
第十九條 附則第十六條ノ規定ハ會社ノ合併ニ因ル株式併合ノ場合ニ之ヲ準用ス
第二百二十五條第三項ノ規定ハ本法施行前ニ合併ノ決議ヲ爲シタル場合ニモ亦之ヲ適用ス
第二十條 本法施行前ニ株式會社ノ設立ノ無效ナルコトヲ發見シタル場合ニ於テ裁判所カ未タ淸算人ヲ選任セサリシトキハ設立無效ノ主張ニ付テハ本法ノ規定ヲ適用ス
第二十一條 附則第九條、第十條、第十二條及ヒ第十三條ノ規定ハ株式會社ノ淸算ノ場合ニ之ヲ準用ス
第二十二條 附則第四條及ヒ第五條ノ規定ハ株式會社ニ之ヲ準用ス
第二十三條 前十六條ノ規定ハ株式合資會社ニ之ヲ準用ス
第二十四條 本法施行前ニ會社ニ關スル從前ノ罰則ヲ適用スヘキ行爲アリタルトキハ本法施行ノ後ト雖モ其罰則ヲ適用ス
第二十五條 第四百八十七條乃至第四百八十八條ノ二及ヒ第四百八十八條ノ四ノ規定ハ本法施行前ニ第一ノ質入裏書アリタル質入證券ノ所持人カ本法施行後ニ支拂ヲ求ムル爲メ其證券ヲ呈示スル場合ニモ亦之ヲ適用ス
第二十六條 質入證券所持人ノ裏書人ニ對スル請求權ハ寄託物ニ付キ辨濟ヲ受ケタル日カ本法施行前ニ在リタル場合ニ於テハ其施行ノ日ヨリ六个月本法施行後ニ在ル場合ニ於テハ辨濟ヲ受ケタル日ヨリ六个月ヲ經過シタルトキハ時效ニ因リテ消滅ス
質入證券裏書人ノ其前者ニ對スル請求權ハ本法施行前ニ償還ヲ爲シタル場合ニ於テハ其施行ノ日ヨリ六个月本法施行後ニ償還ヲ爲シタル場合ニ於テハ其償還ノ日ヨリ六个月ヲ經過シタルトキハ時效ニ因リテ消滅ス
本法施行前ニ進行ヲ始メタル時效ノ殘期カ其施行ノ日ヨリ起算シテ六个月ヨリ短キトキハ時效ハ其殘期ヲ經過スルニ因リテ完成ス
第二十七條 第三百六十七條ノ三、第三百八十條ノ二及ヒ第三百八十條ノ三ノ規定ハ本法施行前ニ作リタル預證券又ハ質入證券ニモ亦之ヲ適用ス但其證券ニ別段ノ意思表示アルトキハ此限ニ在ラス
第二十八條 第四百十七條ノ規定ハ本法施行前ニ生シタル保險料返還ノ義務ニ付キ其施行後ニ時效カ進行ヲ始ムル場合ニモ亦之ヲ適用ス
本法施行前ニ進行ヲ始メタル時效ノ殘期カ其施行ノ日ヨリ起算シテ二年ヨリ長キトキハ時效ハ其施行ノ日ヨリ二年ヲ經過スルニ因リ二年ヨリ短キトキハ其殘期ヲ經過スルニ因リテ完成ス
前二項ノ規定ハ第四百三十二條ノ二ノ義務ニ之ヲ準用ス
第二十九條 第四百二十八條乃至第四百二十八條ノ四ノ規定ハ本法施行前ニ爲シタル保險契約ニハ之ヲ適用セス
第三十條 本法施行前ニ振出シタル爲替手形ニ付キ其施行後ニ引受拒絕證書ヲ作ラシメタル場合ニ於テハ擔保請求ノ通知ヲ發スルコトヲ要セス本法施行後ニ擔保ヲ供セサル爲メ拒絕證書ヲ作ラシメタル場合亦同シ
第三十一條 第四百八十七條乃至第四百八十八條ノ二、第四百八十八條ノ四及ヒ第四百八十九條ノ二ノ規定ハ本法施行前ニ振出シタル爲替手形ニ付キ所持人カ本法施行後ニ支拂ヲ求ムル爲メ之ヲ呈示スル場合ニモ亦之ヲ適用ス
第三十二條 第五百十五條乃至第五百十五條ノ五及ヒ第五百十七條第一項ノ規定ハ本法施行前ニ振出シタル爲替手形ニ付キ其施行後ニ拒絕證書ヲ作ル場合ニモ亦之ヲ適用ス
第三十三條 前三條ノ規定ハ約束手形ニ之ヲ準用ス
第三十四條 第五百三十三條ノ三及ヒ第五百三十四條第二項ノ規定ハ本法施行前ニ振出シタル小切手ニ付キ所持人カ本法施行後ニ支拂ヲ求ムル爲メ之ヲ呈示スル場合ニモ亦之ヲ適用ス
附則第三十一條及第三十二條ノ規定ハ小切手ニ之ヲ準用ス
第三十五條 第五百四十四條ノ二ノ規定ハ本法施行前ニ生シタル原因ニ基キ其施行後ニ委付ヲ爲ス場合ニモ亦之ヲ適用ス
朕帝国議会ノ協賛ヲ経タル商法中改正法律ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
明治四十四年五月二日
内閣総理大臣兼大蔵大臣 公爵 桂太郎
陸軍大臣 伯爵 寺内正毅
外務大臣 侯爵 小村寿太郎
海軍大臣 男爵 斎藤実
内務大臣 法学博士 男爵 平田東助
農商務大臣 男爵 大浦兼武
逓信大臣 男爵 後藤新平
文部大臣 小松原英太郎
司法大臣 子爵 岡部長職
法律第七十三号
商法中左ノ通改正ス
目録中「第四章 海損」ノ次ニ「第五章 海難救助」ヲ加ヘ「第五章 保険」ヲ「第六章 保険」ニ、「第六章 船舶債権者」ヲ「第七章 船舶債権者」ニ改ム
第七条 法定代理人カ親族会ノ同意ヲ得テ無能力者ノ為メニ商業ヲ営ムトキハ登記ヲ為スコトヲ要ス
法定代理人ノ代理権ニ加ヘタル制限ハ之ヲ以テ善意ノ第三者ニ対抗スルコトヲ得ス
第二十六条第二項ヲ左ノ如ク改ム
財産目録ニハ動産、不動産、債権其他ノ財産ニ価額ヲ附シテ之ヲ記載スルコトヲ要ス其価額ハ財産目録調製ノ時ニ於ケル価額ニ超ユルコトヲ得ス
第二十七条ノ二 裁判所ハ申立ニ因リ又ハ職権ヲ以テ訴訟ノ当事者ニ其商業帳簿ノ提出ヲ命スルコトヲ得
第三十条ノ二 商人ハ数人ノ支配人カ共同シテ代理権ヲ行フヘキ旨ヲ定ムルコトヲ得
前項ノ場合ニ於テ支配人ノ一人ニ対シテ為シタル意思表示ハ主人ニ対シテ其効力ヲ生ス
第三十一条ノ末尾ニ「前条第一項ニ定メタル事項及ヒ其変更並ニ消滅亦同シ」ヲ加フ
第四十一条中「物」ノ下ニ「又ハ有価証券」ヲ加フ
第四十二条ニ左ノ一項ヲ加フ
営利ヲ目的トスル社団ニシテ本編ノ規定ニ依リ設立シタルモノハ商行為ヲ為スヲ業トセサルモ之ヲ会社ト看做ス
第四十四条ノ二 会社ハ他ノ会社ノ無限責任社員ト為ルコトヲ得ス
第四十四条ノ三 会社ハ合併ヲ為スコトヲ得
合併ニ因リテ会社ヲ設立スル場合ニ於テハ定款ノ作成其他設立ニ関スル行為ハ各会社ニ於テ選任シタル者共同シテ之ヲ為スコトヲ要ス
第七十七条、第二百九条及ヒ第二百四十四条ノ規定ハ前項ノ選任ニ之ヲ準用ス
第四十八条ノ二 本編ノ規定ニ依リ登記スヘキ事項ニシテ官庁ノ許可ヲ要スルモノハ其許可書ノ到達シタル時ヨリ登記ノ期間ヲ起算ス
第五十一条第一項ニ左ノ一号ヲ加フ
七 数人ノ社員カ共同シ又ハ社員カ支配人ト共同シテ会社ヲ代表スヘキコトヲ定メタルトキハ其代表ニ関スル規定
第六十一条ノ二 会社ハ定款又ハ総社員ノ同意ヲ以テ数人ノ社員カ共同シ又ハ社員カ支配人ト共同シテ会社ヲ代表スヘキ旨ヲ定ムルコトヲ得
第三十条ノ二第二項ノ規定ハ前項ノ場合ニ之ヲ準用ス
第八十三条ノ二 合名会社ハ総社員ノ同意ヲ以テ其組織ヲ変更シテ之ヲ合資会社ト為スコトヲ得
第七十八条及ヒ第七十九条第一項、第二項ノ規定ハ前項ノ場合ニ之ヲ準用ス
第八十三条ノ三 前条ノ場合ニ於テ会社ハ組織変更ニ付キ債権者ノ承認ヲ得又ハ第七十九条第二項ニ定メタル義務ヲ履行シタル後二週間内ニ其本店及ヒ支店ノ所在地ニ於テ合名会社ニ付テハ解散ノ登記ヲ為シ合資会社ニ付テハ第百七条ニ定メタル登記ヲ為スコトヲ要ス
第八十三条ノ四 合名会社ハ総社員ノ同意ヲ以テ有限責任社員ヲ加入セシメ之ヲ合資会社ト為スコトヲ得此場合ニ於テハ合資会社ト為リタル時ヨリ二週間内ニ前条ニ定メタル登記ヲ為スコトヲ要ス
第八十六条中「後十三条」ヲ「後十五条」ニ改ム
第九十条 清算人ノ選任アリタルトキハ其清算人ハ二週間内ニ本店及ヒ支店ノ所在地ニ於テ左ノ事項ヲ登記スルコトヲ要ス
一 清算人ノ氏名、住所
二 会社ヲ代表スヘキ清算人ヲ定メタルトキハ其氏名
三 数人ノ清算人カ共同シテ会社ヲ代表スヘキコトヲ定メタルトキハ其代表ニ関スル規定
第九十一条第二項中「清算人」ヲ「会社ヲ代表スヘキ清算人」ニ改ム
第九十一条ノ二 会社ハ弁済期ニ至ラサル債権ト雖モ之ヲ弁済スルコトヲ要ス
条件附債権又ハ存続期間ノ不確定ナル債権ハ裁判所ニ於テ選任シタル鑑定人ノ評価ニ従ヒテ之ヲ弁済スルコトヲ要ス
第九十三条但書ヲ削ル
第九十三条ノ二 第六十一条及ヒ第六十一条ノ二ノ規定ハ清算人ニ之ヲ準用ス
裁判所カ数人ノ清算人ヲ選任スル場合ニ於テ会社ヲ代表スヘキ者ヲ定メス又ハ数人カ共同シテ会社ヲ代表スヘキコトヲ定メサルトキハ其清算人ハ各自会社ヲ代表ス
第九十七条 第九十条ニ掲ケタル事項中ニ変更ヲ生シタルトキハ清算人ハ二週間内ニ本店及ヒ支店ノ所在地ニ於テ之ヲ登記スルコトヲ要ス
第九十九条ノ二 会社カ事業ニ著手シタル後社員カ其設立ノ無効ナルコトヲ発見シタルトキハ訴ヲ以テノミ其無効ヲ主張スルコトヲ得
第九十九条ノ三 前条ノ訴ハ本店ノ所在地ノ地方裁判所ノ管轄ニ専属ス
数箇ノ訴カ同時ニ繋属スルトキハ弁論及ヒ裁判ハ併合シテ之ヲ為スコトヲ要ス
第九十九条ノ四 設立ヲ無効トスル判決ハ当事者ニ非サル社員ニ対シテモ其効力ヲ有ス
原告カ敗訴シタル場合ニ於テ悪意又ハ重大ナル過失アリタルトキハ会社ニ対シ連帯シテ損害賠償ノ責ニ任ス
第九十九条ノ五 設立ヲ無効トスル判決カ確定シタルトキハ本店及ヒ支店ノ所在地ニ於テ其登記ヲ為スコトヲ要ス
第九十九条ノ六 設立ヲ無効トスル判決カ確定シタルトキハ解散ノ場合ニ準シテ清算ヲ為スコトヲ要ス此場合ニ於テハ裁判所ハ利害関係人ノ請求ニ因リ清算人ヲ選任ス
設立ヲ無効トスル判決ハ会社ト第三者トノ間ニ成立シタル行為ノ効力ニ影響ヲ及ホサス
第百条 会社カ事業ニ著手シタル後其設立カ取消サレタルトキハ二週間内ニ本店及ヒ支店ノ所在地ニ於テ其登記ヲ為スコトヲ要ス此場合ニ於テハ前条ノ規定ヲ準用ス
第百十八条ノ二 合資会社ハ総社員ノ同意ヲ以テ其組織ヲ変更シテ之ヲ合名会社ト為スコトヲ得此場合ニ於テハ前条第二項ノ規定ヲ準用ス
第百二十六条第一項中「株式ノ数」ノ下ニ「及ヒ住所」ヲ加ヘ第二項ニ左ノ一号ヲ加フ
五 一定ノ時期マテニ会社カ成立セサルトキハ株式ノ申込ヲ取消スコトヲ得ヘキコト
第百二十六条ノ二 第百七十二条ノ二ノ規定ハ株式申込人又ハ株式引受人ニ対スル通知及ヒ催告ニ之ヲ準用ス
第百三十一条第三項ヲ左ノ如ク改ム
第百五十六条第一項、第二項、第百六十一条第三項、第四項及ヒ第百六十二条乃至第百六十三条ノ四ノ規定ハ創立総会ニ之ヲ準用ス
第百四十条 削除
第百四十一条第一項ニ左ノ二号ヲ加フ
八 会社ヲ代表スヘキ取締役ヲ定メタルトキハ其氏名
九 数人ノ取締役カ共同シ又ハ取締役カ支配人ト共同シテ会社ヲ代表スヘキコトヲ定メタルトキハ其代表ニ関スル規定
第百四十二条ノ二 発起人カ会社ノ設立ニ関シ其任務ヲ怠リタルトキハ其発起人ハ会社ニ対シ連帯シテ損害賠償ノ責ニ任ス
発起人ニ悪意又ハ重大ナル過失アリタルトキハ其発起人ハ第三者ニ対シテモ連帯シテ損害賠償ノ責ニ任ス
第百四十二条ノ三 会社カ成立セサル場合ニ於テハ発起人ハ会社ノ設立ニ関シテ為シタル行為ニ付キ連帯シテ其責ニ任ス
前項ノ場合ニ於テ会社ノ設立ニ関シテ支出シタル費用ハ発起人ノ負担トス
第百四十二条ノ四 取締役又ハ監査役カ第百三十四条第一項ニ定メタル任務ヲ怠リタルニ因リ会社又ハ第三者ニ対シテ損害賠償ノ責ニ任スヘキ場合ニ於テ発起人モ亦其責ニ任スヘキトキハ其取締役、監査役及ヒ発起人ハ之ヲ連帯債務者トス
第百五十条中「譲渡」ヲ「移転」ニ、「譲受人」ヲ「取得者」ニ改ム
第百五十二条ニ左ノ一項ヲ加フ
前項ノ規定ニ依リ会社カ株主ニ対シ其権利ヲ失フヘキ旨ヲ通知スルトキハ会社ハ其通知スヘキ事項ヲ公告スルコトヲ要ス
第百五十三条ノ二 前条第一項ノ規定ニ依リ株主カ其権利ヲ失ヒタルトキハ会社ハ遅滞ナク其株主ノ氏名、住所及ヒ株券ノ番号ヲ公告スルコトヲ要ス
第百五十四条中「前条」ヲ「第百五十三条」ニ改ム
第百五十五条ノ二 無記名式ノ株券ヲ有スル者カ株主ノ権利ヲ行ハントスルトキハ其権利ノ行使ニ必要ナル員数ノ株券ヲ会社ニ供託スルコトヲ要ス
第百五十六条中「総会ノ目的及ヒ総会ニ於テ決議スヘキ事項」ヲ「会議ノ目的タル事項」ニ改ム
第百五十八条 削除
第百六十条中「総会ノ目的」ヲ「会議ノ目的タル事項」ニ改ム
第百六十条ノ二 総会ハ取締役ノ提出シタル書類及ヒ監査役ノ報告書ヲ調査セシムル為メ特ニ検査役ヲ選任スルコトヲ得
第百六十一条第二項ヲ左ノ如ク改ム
無記名式ノ株券ヲ有スル者ハ会日ヨリ一週間前ニ其株券ヲ会社ニ供託スルコトヲ要ス
第百六十三条 総会招集ノ手続又ハ其決議ノ方法カ法令又ハ定款ニ反スルトキハ株主、取締役又ハ監査役ハ訴ヲ以テノミ其決議ノ無効ヲ主張スルコトヲ得
株主ハ総会ニ於テ決議ニ対シ異議ヲ述ヘタルトキ又ハ正当ノ理由ナクシテ総会ニ出席スルコトヲ拒マレタルトキニ限リ又株主カ総会ニ出席セサル場合ニ於テハ自己ニ対スル総会招集ノ手続カ法令又ハ定款ニ反スルコトヲ理由トスルトキニ限リ前項ノ訴ヲ提起スルコトヲ得
第九十九条ノ三及ヒ第九十九条ノ四ノ規定ハ前二項ノ場合ニ之ヲ準用ス
第百六十三条ノ二 決議無効ノ訴ハ決議ノ日ヨリ一个月内ニ之ヲ提起スルコトヲ要ス
口頭弁論ハ前項ノ期間ヲ経過シタル後ニ非サレハ之ヲ開始スルコトヲ得ス
訴ノ提起及ヒ口頭弁論ノ期日ハ取締役遅滞ナク之ヲ公告スルコトヲ要ス
第百六十三条ノ三 株主カ決議無効ノ訴ヲ提起シタルトキハ会社ノ請求ニ因リ相当ノ担保ヲ供スルコトヲ要ス但其株主カ取締役又ハ監査役ナルトキハ此限ニ在ラス
第百六十三条ノ四 決議シタル事項ノ登記アリタル場合ニ於テ其決議ヲ無効トスル判決カ確定シタルトキハ本店及ヒ支店ノ所在地ニ於テ其登記ヲ為スコトヲ要ス
第百六十四条ニ左ノ一項ヲ加フ
会社ト取締役トノ間ノ関係ハ委任ニ関スル規定ニ従フ
第百六十六条但書ヲ左ノ如ク改ム
但定款ヲ以テ任期中ノ最終ノ配当期ニ関スル定時総会ノ終結ニ至ルマテ其任期ヲ伸長スルコトヲ妨ケス
第百六十七条ノ二 取締役ノ任務カ終了シタル場合ニ於テ法律又ハ定款ニ定メタル員数ノ取締役ナキニ至リタルトキハ退任シタル取締役ハ破産及ヒ禁治産ノ場合ヲ除ク外新ニ選任セラレタル取締役カ就職スルマテ仍ホ取締役ノ権利義務ヲ有ス
第百七十条 定款又ハ株主総会ノ決議ヲ以テ取締役中会社ヲ代表スヘキ者ヲ定メス又ハ数人ノ取締役カ共同シ若クハ取締役カ支配人ト共同シテ会社ヲ代表スヘキコトヲ定メサルトキハ取締役ハ各自会社ヲ代表ス
第三十条ノ二第二項及ヒ第六十二条ノ規定ハ取締役ニ之ヲ準用ス
第百七十二条ノ二 会社ノ株主ニ対スル通知又ハ催告ハ株主名簿ニ記載シタル株主ノ住所又ハ其者カ会社ニ通知シタル住所ニ宛ツルヲ以テ足ル
前項ノ通知又ハ催告ハ通常其到達スヘカリシ時ニ到達シタルモノト看做ス
第百七十三条中第六号ノ次ニ左ノ二号ヲ加ヘ第七号ヲ第九号トシ以下順次繰下ク
七 数回ニ分チテ社債ノ払込ヲ為サシムルトキハ其払込ノ金額及ヒ時期
八 各社債ニ付キ払込ミタル金額及ヒ払込ノ年月日
第百七十六条ノ末尾ニ「此場合ニ於テハ民法第百八条ノ規定ヲ適用セス」ヲ加フ
第百七十七条 取締役カ其任務ヲ怠リタルトキハ其取締役ハ会社ニ対シ連帯シテ損害賠償ノ責ニ任ス
取締役カ法令又ハ定款ニ反スル行為ヲ為シタルトキハ株主総会ノ決議ニ依リタル場合ト雖モ其取締役ハ第三者ニ対シ連帯シテ損害賠償ノ責ニ任ス
第百七十八条中「其株券ヲ供託シ且」ヲ削ル
第百八十条 監査役ノ任期ハ二年ヲ超ユルコトヲ得ス
第百八十六条 監査役カ会社又ハ第三者ニ対シテ損害賠償ノ責ニ任スヘキ場合ニ於テ取締役モ亦其責ニ任スヘキトキハ其監査役及ヒ取締役ハ之ヲ連帯債務者トス
第百八十七条中「其株券ヲ供託シ且」ヲ削ル
第百八十八条 削除
第百八十九条 第百六十四条、第百六十六条但書、第百六十七条、第百六十七条ノ二、第百七十七条及ヒ第百七十九条ノ規定ハ監査役ニ之ヲ準用ス
第百九十八条第二項ノ末尾ニ「此総会ニ於テハ前項ノ調査ヲ為サシムル為メ特ニ検査役ヲ選任スルコトヲ得」ヲ加フ
第二百条ノ二 会社ハ前ニ募集シタル社債総額ノ払込ヲ為サシメタル後ニ非サレハ更ニ社債ヲ募集スルコトヲ得ス
第二百三条 社債ノ募集ニ応セントスル者ハ社債申込証二通ニ其引受クヘキ社債ノ数及ヒ住所ヲ記載シ之ニ署名スルコトヲ要ス
社債申込証ハ取締役之ヲ作リ之ニ左ノ事項ヲ記載スルコトヲ要ス
一 会社ノ商号
二 第百七十三条第三号乃至第七号ニ掲ケタル事項
三 社債発行ノ価額又ハ其最低価額
四 会社ノ資本及ヒ払込ミタル株金ノ総額
五 最終ノ貸借対照表ニ依リ会社ニ現存スル財産ノ額
六 前ニ社債ヲ募集シタルトキハ其償還ヲ了ヘサル総額
社債発行ノ最低価額ヲ定メタル場合ニ於テハ社債応募者ハ社債申込証ニ応募価額ヲ記載スルコトヲ要ス
第二百三条ノ二 前条ノ規定ハ契約ニ依リ社債ノ総額ヲ引受クル場合ニハ之ヲ適用セス社債募集ノ委託ヲ受ケタル者カ自ラ社債ノ一部ヲ引受クル場合ニ於テ其一部ニ付キ亦同シ
第二百四条 社債ノ募集カ完了シタルトキハ取締役ハ遅滞ナク各社債ニ付キ其全額又ハ第一回ノ払込ヲ為サシムルコトヲ要ス
第二百四条ノ二 社債募集ノ委託ヲ受ケタル者ハ自己ノ名ヲ以テ会社ノ為メニ第二百三条第二項及ヒ前条ニ定メタル行為ヲ為スコトヲ得
第二百四条ノ三 取締役ハ第二百四条ノ払込アリタル日ヨリ二週間内ニ本店及ヒ支店ノ所在地ニ於テ左ノ事項ヲ登記スルコトヲ要ス
一 第百七十三条第三号乃至第六号ニ掲ケタル事項
二 各社債ニ付キ払込ミタル金額
第五十三条ノ規定ハ前項ノ場合ニ之ヲ準用ス
外国ニ於テ社債ヲ募集シタル場合ニ於テ登記スヘキ事項カ外国ニ於テ生シタルトキハ登記ノ期間ハ其通知ノ到達シタル時ヨリ之ヲ起算ス
第二百五条 債券ハ社債全額ノ払込アリタル後ニ非サレハ之ヲ発行スルコトヲ得ス
債券ニハ会社ノ商号及ヒ第百七十三条第二号乃至第六号ニ掲ケタル事項ヲ記載シ取締役之ニ署名スルコトヲ要ス
第二百六条中「譲渡」ヲ「移転」ニ、「譲受人」ヲ「取得者」ニ改ム
第二百七条ノ二 第百七十二条ノ二ノ規定ハ社債応募者又ハ社債権者ニ対スル通知及ヒ催告ニ之ヲ準用ス
第二百八条ニ左ノ一項ヲ加フ
定款ノ変更ニ関スル議案ノ要領ハ第百五十六条ニ定メタル通知及ヒ公告ニ之ヲ記載スルコトヲ要ス
第二百九条第一項ニ左ノ但書ヲ加ヘ第二項中「一个月ヲ下ラサル期間内」ヲ「一个月内」ニ改ム
但第百六十一条第二項ノ規定ニ依リテ株券ヲ供託セサル者ハ総株主ノ員数ニ之ヲ算入セス
第二百十二条ノ二 会社カ其資本ヲ増加スル場合ニ於テ金銭以外ノ財産ヲ以テ出資ノ目的ト為ス者アルトキハ其者、其財産ノ種類、価格及ヒ之ニ対シテ与フル株式ノ数ハ資本増加ノ決議ト同時ニ之ヲ決議スルコトヲ要ス
第二百十二条ノ三 株式申込証ハ取締役之ヲ作リ之ニ左ノ事項ヲ記載スルコトヲ要ス
一 会社ノ商号
二 増加スヘキ資本ノ総額
三 資本増加ノ決議ノ年月日
四 第一回払込ノ金額
五 額面以上ノ価額ヲ以テ株式ヲ発行スル場合ニ於テハ其旨
六 前条ノ規定ニ依リテ決議シタル事項
七 優先株ヲ発行スル場合ニ於テハ其種類及ヒ其各種ノ株式ノ数
八 一定ノ時期マテニ資本増加ノ登記ヲ為ササルトキハ株式ノ申込ヲ取消スコトヲ得ヘキコト
数種ノ優先株ヲ発行スル場合ニ於テハ株式申込人ハ株式申込証ニ其引受クヘキ株式ノ種類及ヒ各種ノ株式ノ数ヲ記載スルコトヲ要ス
第二百十四条第一項第三号ヲ削ル
第二百十五条 削除
第二百十七条中「其株主ノ権利」ヲ「其種類及ヒ其各種ノ株式ノ数」ニ、「前項」ヲ「第一項」ニ改メ第一項ノ次ニ左ノ一項ヲ加フ
第五十三条ノ規定ハ前項ノ場合ニ之ヲ準用ス
第二百十九条 第百二十六条第一項、第三項、第百二十六条ノ二乃至第百三十条、第百四十二条及ヒ第百四十七条第二項ノ規定ハ新株発行ノ場合ニ之ヲ準用ス
第二百二十条ノ二 資本減少ノ為メ株式ヲ併合スヘキ場合ニ於テハ会社ハ株主ニ対シ一定ノ期間内ニ株券ヲ会社ニ提供スヘキ旨及ヒ其期間内ニ之ヲ提供セサルトキハ株主ノ権利ヲ失フヘキ旨ヲ通知スルコトヲ得但其期間ハ三个月ヲ下ルコトヲ得ス
第二百二十条ノ三 会社カ前条ニ定メタル手続ヲ践ミタルモ株主カ株券ヲ提供セサルトキハ其権利ヲ失フ株主カ株券ヲ提供シタル場合ニ於テ併合ニ適セサル株アルトキハ其株ニ付キ亦同シ
前項ノ場合ニ於テ会社ハ新ニ発行シタル株式ヲ競売シ且株数ニ応シテ其代金ヲ従前ノ株主ニ交付スルコトヲ要ス
第二百二十条ノ四 第百五十二条第三項及ヒ第百五十三条ノ二ノ規定ハ前二条ノ場合ニ之ヲ準用ス
第二百二十条ノ五 株式併合ノ場合ニ於テ従前ノ株式ヲ目的トスル質権ハ併合ニ因リテ株主カ受クヘキ株式及ヒ金銭ノ上ニ存在ス
第二百二十三条 削除
第二百二十五条ニ左ノ二項ヲ加フ
第二百二十条ノ二乃至第二百二十条ノ五ノ規定ハ会社ノ合併ニ因ル株式併合ノ場合ニ之ヲ準用ス
第二百二十条ノ五ノ規定ハ株式ヲ併合セサル場合ニ於テ合併ニ因リ消滅スル会社ノ株式ヲ目的トスル質権ニ之ヲ準用ス
第二百二十七条第二項ヲ削ル
第二百二十七条ノ二 清算人ハ財産目録、貸借対照表及ヒ事務報告書ヲ作リ定時総会ノ会日ヨリ一週間前ニ之ヲ監査役ニ提出スルコトヲ要ス
第二百三十条第二項ヲ削ル
第二百三十一条 削除
第二百三十二条 会社カ事業ニ著手シタル後株主、取締役又ハ監査役カ其設立ノ無効ナルコトヲ発見シタルトキハ訴ヲ以テノミ其無効ヲ主張スルコトヲ得
第九十九条ノ三乃至第九十九条ノ六及ヒ第百六十三条ノ二第三項ノ規定ハ前項ノ場合ニ之ヲ準用ス
第二百三十四条 第八十四条、第八十九条乃至第九十三条、第九十三条ノ二第二項、第九十五条、第九十七条、第九十九条、第百五十七条乃至第百六十条ノ二、第百六十三条乃至第百六十三条ノ四、第百六十四条第二項、第百六十七条ノ二、第百七十条、第百七十一条、第百七十六条乃至第百七十九条、第百八十一条、第百八十三条乃至第百八十七条、第百九十一条乃至第百九十三条及ヒ民法第七十九条、第八十条ノ規定ハ株式会社ノ清算ノ場合ニ之ヲ準用ス
第二百三十八条中「第四号」ノ下ニ「、第五号」ヲ加フ
第二百四十二条ニ左ノ一号ヲ加フ
七 数人ノ無限責任社員カ共同シ又ハ無限責任社員カ支配人ト共同シテ会社ヲ代表スヘキコトヲ定メタルトキハ其代表ニ関スル規定
第二百五十一条中「第二百二十七条第一項及ヒ第二百三十条第一項」ヲ「第二百二十七条、第二百二十七条ノ二及ヒ第二百三十条」ニ改ム
第二百五十三条第二項ヲ左ノ如ク改ム
第七十八条、第七十九条第一項、第二項及ヒ第八十三条ノ三ノ規定ハ前項ノ場合ニ之ヲ準用ス
第二百五十四条 削除
第二百五十九条中「第百五十五条第一項、」ノ下ニ「第二百五条第一項、」ヲ加ヘ「株式ノ発行及ヒ其株式若クハ社債ノ譲渡」ヲ「株券又ハ債券ノ発行及ヒ其株式又ハ社債ノ移転」ニ改ム
第二百六十一条 発起人、取締役、株式合資会社ノ業務ヲ執行スル社員、監査役、検査役又ハ株式会社若クハ株式合資会社ノ支配人ハ左ノ場合ニ於テハ一年以下ノ懲役若クハ禁錮又ハ千円以下ノ罰金ニ処ス
一 会社ノ設立若クハ資本ノ増加又ハ其登記ヲ為シ若クハ之ヲ為サシムル目的ヲ以テ株式総数ノ引受又ハ資本ニ対スル払込額ニ付キ裁判所又ハ総会ヲ欺罔シタルトキ
二 何人ノ名義ヲ以テスルヲ問ハス会社ノ計算ニ於テ不正ニ其株式ヲ取得シ又ハ質権ノ目的トシテ之ヲ受ケタルトキ
三 法令又ハ定款ノ規定ニ違反シテ利益又ハ利息ノ配当ヲ為シタルトキ
四 会社ノ営業ノ範囲外ニ於テ投機取引ノ為メニ会社財産ヲ処分シタルトキ
前項ノ規定ハ刑法ニ正条アル場合ニハ之ヲ適用セス
第二百六十二条 発起人、会社ノ業務ヲ執行スル社員、取締役、外国会社ノ代表者、監査役又ハ清算人ハ左ノ場合ニ於テハ十円以上千円以下ノ過料ニ処ス
但其行為ニ付キ刑ヲ科スヘキトキハ此限ニ在ラス
一 官庁又ハ総会ニ対シ不実ノ申述ヲ為シ又ハ事実ヲ隠蔽シタルトキ
二 第七十八条乃至第八十条ノ規定ニ違反シテ合併、会社財産ノ処分、資本ノ減少又ハ組織ノ変更ヲ為シタルトキ
三 検査役ノ調査ヲ妨ケタルトキ
四 第百五十一条第二項ノ規定ニ違反シテ株式ヲ消却シタルトキ
五 第百五十五条第一項ノ規定ニ違反シテ株券ヲ無記名式ト為シタルトキ
六 第百七十四条第二項又ハ民法第八十一条ノ規定ニ違反シ破産宣告ノ請求ヲ為スコトヲ怠リタルトキ
七 第百九十四条ノ規定ニ違反シ準備金ヲ積立テサルトキ
八 第二百条ノ規定ニ違反シテ社債ヲ募集シ又ハ第二百五条第一項ノ規定ニ違反シテ債券ヲ発行シタルトキ
九 第二百六十条ノ規定ニ依ル裁判所ノ命令ニ違反シタルトキ
十 会社カ裁判所ノ命令ニ因リテ解散シタル場合ニ於テ清算人ニ事務ノ引渡ヲ為ササルトキ
十一 清算ノ結了ヲ遅延セシムル目的ヲ以テ民法第七十九条ノ期間ヲ不当ニ定メタルトキ
十二 民法第七十九条ノ期間内ニ或債権者ニ弁済ヲ為シ又ハ第九十五条ノ規定ニ違反シテ会社財産ヲ分配シタルトキ
第二百六十二条ノ二 発起人、会社ノ業務ヲ執行スル社員、取締役、外国会社ノ代表者、監査役又ハ清算人ハ左ノ場合ニ於テハ五円以上五百円以下ノ過料ニ処ス但其行為ニ付キ刑ヲ科スヘキトキハ此限ニ在ラス
一 本編ニ定メタル登記ヲ為スコトヲ怠リタルトキ
二 本編ニ定メタル公告若クハ通知ヲ為スコトヲ怠リ又ハ不正ノ公告若クハ通知ヲ為シタルトキ
三 本編ノ規定ニ依リ閲覧ヲ許スヘキ書類ヲ正当ノ理由ナクシテ閲覧セシメサリシトキ
四 本編ノ規定ニ依ル検査又ハ調査ヲ妨ケタルトキ
五 第四十六条ノ規定ニ違反シテ開業ノ準備ニ著手シタルトキ
六 第百二十六条第二項、第二百三条第二項、第二百十二条ノ三第一項及ヒ第二百三十八条第二項ノ規定ニ違反シ株式申込証又ハ社債申込証ヲ作ラス、之ニ記載スヘキ事項ヲ記載セス又ハ不正ノ記載ヲ為シタルトキ
七 第百四十七条第一項又ハ第二百十七条第三項ノ規定ニ違反シテ株券ヲ発行シタルトキ
八 株券又ハ債券ニ記載スヘキ事項ヲ記載セス又ハ不正ノ記載ヲ為シタルトキ
九 定款、株主名簿、社債原簿、総会ノ決議録、財産目録、貸借対照表、営業報告書、事務報告書、損益計算書及ヒ準備金並ニ利益又ハ利息ノ配当ニ関スル議案ヲ本店若クハ支店ニ備ヘ置カス、之ニ記載スヘキ事項ヲ記載セス又ハ之ニ不正ノ記載ヲ為シタルトキ
十 第百七十四条第一項又ハ第百九十八条第二項ノ規定ニ違反シ株主総会ヲ招集セサルトキ
第二百六十二条ノ三 第四十四条ノ三第二項ノ規定ニ依リテ選任セラレタル者ハ本章ノ適用ニ付テハ之ヲ発起人ト看做ス
第二百八十条 削除
第二百八十一条中「金銭其他ノ物ノ給付ヲ目的トスル指図証券又ハ無記名証券」ヲ「金銭其他ノ物又ハ有価証券ノ給付ヲ目的トスル有価証券」ニ改ム
第二百八十二条 第四百四十一条、第四百四十九条ノ二、第四百五十七条、第四百六十一条及ヒ第四百六十四条ノ規定ハ金銭其他ノ物又ハ有価証券ノ給付ヲ目的トスル有価証券ニ之ヲ準用ス
第二百八十四条中「債務者ノ所有物」ヲ「債務者所有ノ物又ハ有価証券」ニ改ム
第二百八十五条ノ二 第四十二条第二項ニ定メタル会社ノ行為ニハ商行為ニ関スル規定ヲ準用ス
第三百二十七条ニ左ノ一項ヲ加フ
運送取扱人カ委託者ノ請求ニ因リテ貨物引換証ヲ作リタルトキハ自ラ運送ヲ為スモノト看做ス
第三百三十四条ノ二 貨物引換証ヲ作リタルトキハ運送品ニ関スル処分ハ貨物引換証ヲ以テスルニ非サレハ之ヲ為スコトヲ得ス
第三百三十四条ノ三 貨物引換証ハ其記名式ナルトキト雖モ裏書ニ依リテ之ヲ譲渡スコトヲ得但貨物引換証ニ裏書ヲ禁スル旨ヲ記載シタルトキハ此限ニ在ラス
第三百三十五条 貨物引換証ニ依リ運送品ヲ受取ルコトヲ得ヘキ者ニ貨物引換証ヲ引渡シタルトキハ其引渡ハ運送品ノ上ニ行使スル権利ノ取得ニ付キ運送品ノ引渡ト同一ノ効力ヲ有ス
第三百四十一条中「滅失又ハ毀損」ヲ「滅失、毀損又ハ延著」ニ改ム
第三百六十三条 削除
第三百六十五条 第三百三十四条ノ二及ヒ第三百三十五条ノ規定ハ預証券及ヒ質入証券ニ之ヲ準用ス
第三百六十七条ノ二 預証券ノ所持人ハ寄託物ヲ以テ預証券ニ記載シタル債権額及ヒ利息ヲ弁済スル義務ヲ負フ
第三百六十七条ノ三 質入証券所持人ノ債権ノ弁済ハ倉庫営業者ノ営業所ニ於テ之ヲ為スコトヲ要ス
第三百七十二条 質入証券ノ所持人ハ先ツ寄託物ニ付キ弁済ヲ受ケ尚ホ不足アルトキハ其裏書人ニ対シテ不足額ヲ請求スルコトヲ得
第四百八十七条ノ二乃至第四百八十八条ノ四、第四百九十一条、第四百九十二条及ヒ第四百九十五条ノ規定ハ前項ニ定メタル不足額ノ請求ニ之ヲ準用ス
第三百七十四条 質入証券所持人ノ預証券所持人ニ対スル請求権ハ弁済期ヨリ一年質入証券裏書人ニ対スル請求権ハ寄託物ニ付キ弁済ヲ受ケタル日ヨリ六个月質入証券裏書人ノ其前者ニ対スル請求権ハ償還ヲ為シタル日ヨリ六个月ヲ経過シタルトキハ時効ニ因リテ消滅ス
第三百七十七条中「報酬」ヲ「保管料」ニ改ム
第三百八十条第二項ヲ削ル
第三百八十条ノ二 寄託物カ同種類ニシテ同一ノ品質ヲ有シ且分割スルコトヲ得ヘキ物ナルトキハ預証券ノ所持人ハ債権額ノ一部及ヒ其弁済期マテノ利息ヲ供託シ其割合ニ応シテ寄託物ノ一部ノ返還ヲ請求スルコトヲ得此場合ニ於テ倉庫営業者ハ供託ヲ受ケタル金額及ヒ返還シタル寄託物ノ数量ヲ預証券ニ記載シ且其旨ヲ帳簿ニ記載スルコトヲ要ス
前項ニ定メタル寄託物ノ一部出庫ニ関スル費用ハ預証券ノ所持人之ヲ負担ス
第三百八十条ノ三 前二条ノ場合ニ於テ質入証券ノ所持人ノ権利ハ供託金ノ上ニ存在ス
第三百七十一条ノ規定ハ前条第一項ノ供託金ヲ以テ質入証券ニ記載シタル債権ノ一部ヲ弁済シタル場合ニ之ヲ準用ス
第三百八十一条 第二百八十六条第一項及ヒ第二項ノ規定ハ寄託者又ハ預証券ノ所持人カ寄託物ヲ受取ルコトヲ拒ミ又ハ之ヲ受取ルコト能ハサル場合ニ之ヲ準用ス此場合ニ於テ質入証券ノ所持人ノ権利ハ競売代金ノ上ニ存在ス
第三百七十条及ヒ第三百七十一条ノ規定ハ前項ノ場合ニ之ヲ準用ス
第三百八十三条ノ二 倉庫営業者ハ寄託者ノ請求アルトキハ預証券及ヒ質入証券ニ代ヘテ倉荷証券ヲ交付スルコトヲ要ス
倉荷証券ニハ預証券ニ関スル規定ヲ準用ス
第三百八十三条ノ三 倉荷証券ヲ以テ質権ノ目的ト為シタル場合ニ於テ質権者ノ承諾アルトキハ寄託者ハ債権ノ弁済期前ト雖モ寄託物ノ一部ノ返還ヲ請求スルコトヲ得此場合ニ於テ倉庫営業者ハ返還シタル寄託物ノ種類、品質及ヒ数量ヲ倉荷証券ニ記載シ且其旨ヲ帳簿ニ記載スルコトヲ要ス
第三百九十八条 削除
第三百九十九条ノ二 保険契約ノ当時保険契約者カ悪意又ハ重大ナル過失ニ因リ重要ナル事実ヲ告ケス又ハ重要ナル事項ニ付キ不実ノ事ヲ告ケタルトキハ保険者ハ契約ノ解除ヲ為スコトヲ得但保険者カ其事実ヲ知リ又ハ過失ニ因リテ之ヲ知ラサリシトキハ此限ニ在ラス
前項ノ解除権ハ保険者カ解除ノ原因ヲ知リタル時ヨリ一个月間之ヲ行ハサルトキハ消滅ス契約ノ時ヨリ五年ヲ経過シタルトキ亦同シ
第三百九十九条ノ三 前条ノ規定ニ依リ保険者カ契約ノ解除ヲ為シタルトキハ其解除ハ将来ニ向テノミ其効力ヲ生ス
保険者ハ危険発生ノ後解除ヲ為シタル場合ニ於テモ損害ヲ填補スル責ニ任セス若シ既ニ保険金額ノ支払ヲ為シタルトキハ其返還ヲ請求スルコトヲ得但保険契約者ニ於テ危険ノ発生カ其告ケ又ハ告ケサリシ事実ニ基カサルコトヲ証明シタルトキハ此限ニ在ラス
第四百十七条中「保険金額支払ノ義務」ノ下ニ「及ヒ保険料返還ノ義務」ヲ加フ
第四百二十八条 他人ノ死亡ニ因リテ保険金額ノ支払ヲ為スヘキコトヲ定ムル保険契約ニハ其者ノ同意アルコトヲ要ス但被保険者カ保険金額ヲ受取ルヘキ者ナルトキハ此限ニ在ラス
前項ノ保険契約ニ因リテ生シタル権利ノ譲渡ニハ被保険者ノ同意アルコトヲ要ス
保険契約者カ被保険者ナル場合ニ於テ保険金額ヲ受取ルヘキ者カ其権利ヲ譲渡ストキ又ハ第一項但書ノ場合ニ於テ権利ヲ譲受ケタル者カ更ニ之ヲ譲渡ストキ亦同シ
第四百二十八条ノ二 保険金額ヲ受取ルヘキ者カ第三者ナルトキハ其第三者ハ当然保険契約ノ利益ヲ享受ス但保険契約者カ別段ノ意思ヲ表示シタルトキハ其意思ニ従フ
前項但書ノ規定ニ依リ保険契約者カ保険金額ヲ受取ルヘキ者ヲ指定又ハ変更スル権利ヲ有スル場合ニ於テ其権利ヲ行ハスシテ死亡シタルトキハ保険金額ヲ受取ルヘキ者ノ権利ハ之ニ因リテ確定ス
第四百二十八条ノ三 保険金額ヲ受取ルヘキ者カ被保険者ニ非サル第三者ナル場合ニ於テ其者カ死亡シタルトキハ保険契約者ハ更ニ保険金額ヲ受取ルヘキ者ヲ指定スルコトヲ得
保険契約者カ前項ニ定メタル権利ヲ行ハスシテ死亡シタルトキハ保険金額ヲ受取ルヘキ者ノ相続人ヲ以テ保険金額ヲ受取ルヘキ者トス
第四百二十八条ノ四 保険契約者カ契約後保険金額ヲ受取ルヘキ者ヲ指定又ハ変更シタルトキハ保険者ニ其指定又ハ変更ヲ通知スルニ非サレハ之ヲ以テ保険者ニ対抗スルコトヲ得ス
第四百二十八条第一項ノ規定ハ前項ノ指定及ヒ変更ニ之ヲ準用ス
第四百二十九条 保険契約ノ当時保険契約者又ハ被保険者カ悪意又ハ重大ナル過失ニ因リ重要ナル事実ヲ告ケス又ハ重要ナル事項ニ付キ不実ノ事ヲ告ケタルトキハ保険者ハ契約ノ解除ヲ為スコトヲ得但保険者カ其事実ヲ知リ又ハ過失ニ因リテ之ヲ知ラサリシトキハ此限ニ在ラス
第三百九十九条ノ二第二項及ヒ第三百九十九条ノ三ノ規定ハ前項ノ場合ニ之ヲ準用ス
第四百三十条中「及ヒ其者ト被保険者トノ親族関係」ヲ削ル
第四百三十一条第一項ニ左ノ一号ヲ加フ
三 保険契約者カ故意ニテ被保険者ヲ死ニ致シタルトキ
同条第二項ヲ左ノ如ク改ム
前項第一号及ヒ第二号ノ場合ニ於テハ保険者ハ被保険者ノ為メニ積立テタル金額ヲ保険契約者ニ払戻スコトヲ要ス
第四百三十二条ノ二 被保険者ノ為メニ積立テタル金額ヲ払戻ス義務ハ二年ヲ経過シタルトキハ時効ニ因リテ消滅ス
第四百三十三条中「第三百九十九条乃至第四百一条」ヲ「第三百九十九条、第四百条、第四百一条」ニ改メ「積立テタル金額ヲ」ノ下ニ「保険契約者ニ」ヲ加フ
第四百四十三条中「六个月」ヲ「一年」ニ改ム
第四百四十九条ノ二 振出人ハ為替手形ニ受取人ノ氏名又ハ商号ト共ニ其為替手形ノ所持人カ支払ヲ受クルコトヲ得ヘキ旨ヲ記載スルコトヲ得
前項ノ為替手形ハ無記名式ノモノト同一ノ効力ヲ有ス
第四百四十九条ノ三 第四百四十九条ノ規定ハ前条第一項ニ定メタル為替手形ニ之ヲ準用ス
第四百五十二条中「其為替手形ニ記載シタル支払人ノ住所地」ヲ「支払人ノ氏名又ハ商号ニ附記シタル地」ニ改ム
第四百五十二条ノ二 支払人ノ氏名又ハ商号ニ附記シタル地ハ之ヲ其営業所又ハ住所ノ所在地ト看做ス
第四百五十三条 振出人ハ支払人ニ非サル者ヲ以テ支払担当者トシテ為替手形ニ記載スルコトヲ得
第四百六十三条中「質入ヲ為シ又ハ其取立ノ委任ヲ為スコト」ヲ「取立ヲ委任スルコト」ニ改ム
第四百六十四条ニ左ノ一項ヲ加フ
抹消シタル裏書ハ裏書ノ連続ニ付テハ其記載ナキモノト看做ス
第四百七十二条中「支払地カ支払人ノ住所地ト異ナル場合ニ於テ」ヲ削ル
第四百七十五条 為替手形ノ所持人カ前条ノ請求ヲ為サント欲スルトキハ引受拒絶証書ヲ作ラシムルコトヲ要ス
第四百七十六条 担保ノ請求ヲ受ケタル裏書人ハ其前者ニ対シ其担保スヘキ金額及ヒ費用ニ付キ相当ノ担保ヲ請求スルコトヲ得
第四百七十八条第二項ヲ削ル
第四百八十条第一項但書ヲ左ノ如ク改ム
但拒絶証書ヲ作ラシムルコトヲ要ス
第四百八十四条中「謄本」ヲ「写本」ニ改ム
第四百八十七条第一項ヲ左ノ如ク改ム
所持人カ前条ノ請求ヲ為サント欲スルトキハ満期日又ハ其後二日内ニ支払ヲ求ムル為メ為替手形ヲ支払人ニ呈示シ、若シ手形金額ノ支払ナキトキハ同一期間内ニ支払拒絶証書ヲ作ラシムルコトヲ要ス但此期間ニハ休日ヲ算入セス
第四百八十七条ノ二 前条第一項ノ場合ニ於テハ所持人ハ其直接ノ前者ニ対シ拒絶証書作成ノ日又ハ其後二日内ニ償還請求ノ通知ヲ発スルコトヲ要ス
第四百八十八条 裏書人カ其後者ヨリ償還請求ノ通知ヲ受ケタルトキハ其直接ノ前者ニ対シ通知ヲ受ケタル日又ハ其後二日内ニ償還請求ノ通知ヲ発スルコトヲ要ス
第四百八十八条ノ二 所持人又ハ裏書人カ其直接ノ前者ニ非サル前者ニ対シテ償還請求ノ通知ヲ発シタルトキハ其者ノ後者ニ対シ之ニ因リテ生シタル損害ヲ賠償スル責ニ任シ且利息及ヒ費用ノ償還ヲ請求スル権利ヲ失フ
所持人又ハ裏書人カ其前者ノ何レニ対シテモ通知ヲ発セサリシトキハ其前者全員ニ対スル権利義務ニ付キ前項ノ規定ヲ準用ス
第四百八十八条ノ三 裏書人カ裏書ヲ為スニ当タリ裏書地ヲ記載セサリシトキハ償還請求ノ通知ハ其直接ノ前者ニ対シテ之ヲ為スコトヲ要ス
前条ノ規定ハ裏書地ヲ記載セサリシ裏書人ニ対スル権利義務ニハ之ヲ適用セス振出人カ振出地ヲ記載セサリシトキ亦同シ
第四百八十八条ノ四 所持人又ハ裏書人カ其前者ニ対シ第四百八十七条ノ二又ハ第四百八十八条ノ期間内ニ書面ヲ発送シタル事実アルトキハ其事実ニ付キ通信官署又ハ公衆通信取扱所ノ証アル場合ニ限リ其書面ハ之ヲ償還請求ノ通知書ト推定ス
第四百八十九条ノ二 支払拒絶証書ノ作成ヲ免除シタル者ニ対シテハ所持人ハ支払拒絶証書作成ノ期間内ニ支払ヲ求ムル為メ為替手形ヲ呈示シタルモノト推定ス
第四百九十条中「支払地カ支払人ノ住所地ト異ナル場合ニ於テ」ヲ削リ「支払拒絶証書ヲ作ラシメ且償還請求ノ通知ヲ発スルコトヲ要ス」ヲ「支払拒絶証書ヲ作ラシムルコトヲ要ス」ニ改ム
第四百九十一条中「住所地」ヲ「営業所又ハ住所ノ所在地」ニ改ム
第四百九十四条中「住所地」ヲ「営業所又ハ住所ノ所在地」ニ改ム
第四百九十六条 削除
第五百五条中「満期日又ハ其後二日内」ヲ「支払拒絶証書作成ノ期間内」ニ改ム
第五百七条中「第四百七十五条」ヲ「第四百七十六条」ニ改ム
第五百八条中「満期日又ハ其後二日内」ヲ「支払拒絶証書作成ノ期間内」ニ改ム
第五百十五条 拒絶証書ニハ左ノ事項ヲ記載シ公証人又ハ執達吏之ニ署名、捺印スルコトヲ要ス
一 拒絶者及ヒ被拒絶者ノ氏名又ハ商号
二 拒絶者ニ対スル請求ノ趣旨及ヒ拒絶者カ其請求ニ応セサリシコト、拒絶者ニ面会スルコト能ハサリシコト又ハ其営業所、住所若クハ居所カ知レサリシコト
三 前号ノ請求ヲ為シ又ハ之ヲ為スコト能ハサリシ地及ヒ年月日
四 法定ノ場所外ニ於テ拒絶証書ヲ作ルトキハ拒絶者カ之ヲ承諾シタルコト
五 参加引受又ハ参加支払アルトキハ参加ノ種類及ヒ参加人並ニ被参加人ノ氏名又ハ商号
六 拒絶証書作成ノ場所及ヒ年月日
第五百十五条ノ二 支払拒絶証書ノ作成ハ為替手形又ハ附箋ニ依リテ之ヲ為ス
第五百十五条ノ三 為替手形ノ数通ノ複本又ハ原本及ヒ謄本ヲ呈示シタル場合ニ於テ支払拒絶証書ヲ作ルトキハ其作成ハ一通ノ複本若クハ原本又ハ附箋ニ依リ之ヲ為スヲ以テ足ル
前項ノ規定ニ依リテ支払拒絶証書ヲ作リタルトキハ他ノ複本又ハ謄本ニ其旨ヲ記載スルコトヲ要ス
第五百十五条ノ四 支払拒絶ノ場合ヲ除ク外拒絶証書ノ作成ハ為替手形若クハ其謄本ノ写本又ハ附箋ニ依リテ之ヲ為ス
第五百十五条ノ五 為替手形、複本、原本又ハ為替手形若クハ其謄本ノ写本ニ依リテ拒絶証書ヲ作ル場合ニ於テハ第五百十五条ニ掲ケタル事項ハ其裏面ニ記載シタル事項ニ接続シテ之ヲ記載スルコトヲ要ス
附箋ニ依ル場合ニ於テハ公証人又ハ執達吏ハ其接目ニ契印ヲ為スコトヲ要ス
第五百十七条第一項ヲ左ノ如ク改ム
公証人又ハ執達吏カ拒絶証書ヲ作リタルトキハ其謄本ニ左ノ事項ヲ記載シ之ヲ其役場ニ備フルコトヲ要ス
一 手形金額
二 振出人、支払人及ヒ受取人ノ氏名又ハ商号
三 振出ノ年月日
四 満期日及ヒ支払地
五 支払担当者、予備支払人又ハ参加引受人アルトキハ其氏名又ハ商号
第五百二十六条ノ二 振出地ハ之ヲ振出人ノ営業所又ハ住所ノ所在地ト看做ス
第五百二十九条中「第四百五十七条、第四百五十九条乃至」ヲ削ル
第五百三十一条 削除
第五百三十三条中「一週間」ヲ「十日」ニ改ム
第五百三十三条ノ二 小切手ノ振出人ハ呈示期間経過前ニハ支払ノ委託ヲ取消スコトヲ得ス
支払人ハ呈示期間経過ノ後ト雖モ小切手ノ支払ヲ為スコトヲ得
第五百三十三条ノ三 小切手ノ所持人カ支払人ノ加入シタル手形交換所ニ小切手ヲ提出シタルトキハ支払地ニ於テ支払ヲ求ムル為メ之ヲ呈示シタルト同一ノ効力ヲ有ス
第五百三十四条中「前条第一項ニ定メタル期間」ヲ「呈示期間」ニ改メ同条ニ左ノ一項ヲ加フ
手形交換所ニ於テ呈示期間内ニ小切手ノ提出及ヒ支払拒絶アリタル旨ヲ証明シタルトキ亦同シ
第五百三十四条ノ二 前二条ノ手形交換所ハ司法大臣之ヲ指定ス
第五百三十六条 振出人カ支払人ヲシテ支払ヲ為サシムルコトヲ得ル金額ヲ超エテ小切手ヲ振出シタルトキハ五円以上千円以下ノ過料ニ処ス
第五百三十七条 第四百四十六条、第四百四十七条、第四百四十九条ノ二、第四百五十二条、第四百五十二条ノ二、第四百五十五条、第四百五十七条、第四百五十九条乃至第四百六十四条、第四百八十三条、第四百八十四条、第四百八十六条乃至第四百八十九条ノ二、第四百九十一条、第四百九十二条、第四百九十五条、第五百十四条乃至第五百十五条ノ二、第五百十五条ノ五及ヒ第五百十七条ノ規定ハ小切手ニ之ヲ準用ス
第五百四十一条中「譲渡」ヲ「移転」ニ改ム
第五百四十四条ノ二 登記シタル船舶ノ委付ハ登記ヲ為スニ因リテ其効力ヲ生ス
第五百四十五条中「前条」ヲ「第五百四十四条」ニ改ム
第五百六十八条中「船舶ノ修繕、救援又ハ救助ノ費用」ヲ「船舶ノ修繕費、救助料」ニ改ム
第五百九十九条中「、救援」ヲ削ル
第六百六条中「立替金」ノ下ニ「、碇泊料」ヲ加ヘ「、救援」ヲ削ル
第六百二十二条中「又ハ所持人ニ運送品ヲ引渡スヘキコト」ヲ削ル
第六百二十九条 第三百三十四条乃至第三百三十五条及ヒ第三百四十四条ノ規定ハ船荷証券ニ之ヲ準用ス
第六百四十九条中「救助ノ費用」ヲ「救助料」ニ改ム
第五編中第四章ノ次ニ左ノ一章ヲ加ヘ「第五章」ヲ「第六章」ニ、「第六章」ヲ「第七章」ニ改ム
第五章 海難救助
第六百五十二条ノ二 船舶又ハ積荷ノ全部又ハ一部カ海難ニ遭遇セル場合ニ於テ義務ナクシテ之ヲ救助シタル者ハ其結果ニ対シテ相当ノ救助料ヲ請求スルコトヲ得
第六百五十二条ノ三 救助料ニ付キ特約ナキ場合ニ於テ其額ニ付キ争アルトキハ危険ノ程度、救助ノ結果、救助ノ為メニ要シタル労力及ヒ費用其他一切ノ事情ヲ斟酌シテ裁判所之ヲ定ム
第六百五十二条ノ四 海難ニ際シ契約ヲ以テ救助料ヲ定メタル場合ニ於テ其額カ著シク不相当ナルトキハ当事者ハ其増加又ハ減少ヲ請求スルコトヲ得此場合ニ於テハ前条ノ規定ヲ準用ス
第六百五十二条ノ五 救助料ノ額ハ特約ナキトキハ救助セラレタル物ノ価額ニ超ユルコトヲ得ス
先順位ノ先取特権アルトキハ救助料ノ額ハ先取特権者ノ債権額ヲ控除シタル残額ニ超ユルコトヲ得ス
第六百五十二条ノ六 数人カ共同シテ救助ヲ為シタル場合ニ於テ救助料分配ノ割合ニ付テハ第六百五十二条ノ三ノ規定ヲ準用ス
人命ノ救助ニ従事シタル者モ亦前項ノ規定ニ従ヒテ救助料ノ分配ヲ受クルコトヲ得
第六百五十二条ノ七 救助ニ従事シタル船舶カ汽船ナルトキハ救助料ノ三分ノ二、帆船ナルトキハ其二分ノ一ヲ船舶所有者ニ支払ヒ其残額ハ折半シテ之ヲ船長及ヒ海員ニ支払フコトヲ要ス
前項ノ規定ニ依リテ海員ニ支払フヘキ金額ノ分配ハ船長之ヲ行フ此場合ニ於テハ前条ノ規定ヲ準用ス
前二項ノ規定ニ反スル契約ハ無効トス
第六百五十二条ノ八 船長カ前条第二項ノ規定ニ依リ救助料ノ分配ヲ為スニハ航海ヲ終ハルマテニ分配案ヲ作リ之ヲ海員ニ告示スルコトヲ要ス
第六百五十二条ノ九 海員カ前条ノ分配案ニ対シテ異議ノ申立ヲ為サントスルトキハ其告示アリタル後異議ノ申立ヲ為スコトヲ得ル最初ノ港ノ管海官庁ニ之ヲ為スコトヲ要ス
管海官庁ハ異議ヲ理由アリトスルトキハ分配案ヲ更正スルコトヲ得
船長ハ異議ノ落著前ニハ救助料ノ支払ヲ為スコトヲ得ス
第六百五十二条ノ十 船長カ分配案ノ作成ヲ怠リタルトキハ管海官庁ハ海員ノ請求ニ因リ船長ニ対シテ分配案ノ作成ヲ命スルコトヲ得
船長カ前項ノ命令ニ従ハサルトキハ管海官庁ハ分配案ヲ作ルコトヲ得
第六百五十二条ノ十一 左ノ場合ニ於テハ救助者ハ救助料ヲ請求スルコトヲ得ス
一 故意又ハ過失ニ因リテ海難ヲ惹起シタルトキ
二 正当ノ事由ニ因リテ救助ヲ拒マレタルニ拘ハラス強ヒテ之ニ従事シタルトキ
三 救助シタル物品ヲ隠匿シ又ハ濫ニ之ヲ処分シタルトキ
第六百五十二条ノ十二 救助者ハ其債権ニ付キ救助シタル積荷ノ上ニ先取特権ヲ有ス
前項ノ先取特権ニハ船舶債権者ノ先取特権ニ関スル規定ヲ準用ス
第六百五十二条ノ十三 船長ハ救助料ノ債務者ニ代ハリテ其支払ニ関スル一切ノ裁判上又ハ裁判外ノ行為ヲ為ス権限ヲ有ス
救助料ニ関スル訴ニ於テハ船長ハ自ラ原告又ハ被告ト為ルコトヲ得但其訴ニ付キ言渡シタル判決ハ救助料ノ債務者ニ対シテモ其効力ヲ有ス
第六百五十二条ノ十四 積荷ノ所有者ハ救助セラレタル物ヲ以テ救助料ヲ支払フ義務ヲ負フ
第六百五十二条ノ十五 積荷ノ上ニ存スル先取特権ハ債務者カ其積荷ヲ第三取得者ニ引渡シタル後ハ其積荷ニ付キ之ヲ行フコトヲ得ス
第六百五十二条ノ十六 救助料ノ請求権ハ救助ヲ為シタル時ヨリ一年ヲ経過シタルトキハ時効ニ因リテ消滅ス
第六百八十条中「救援並ニ救助ノ費用」ヲ「救助料」ニ改ム
附 則
第一条 本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
第二条 本法ノ規定ハ本法施行ノ日ヨリ其施行前ニ生シタル事項ニモ亦之ヲ適用ス但従前ノ規定ニ依リテ生シタル効力ヲ妨ケス
第三条 本法施行前ニ会社カ合併ノ決議ヲ為シタル場合ニ於テハ第四十四条ノ三第二項及ヒ第三項ノ規定ニ依ルコトヲ要セス
第四条 第九十一条ノ二ノ規定ハ本法施行前ニ清算結了ノ登記ヲ為シタル場合ニハ之ヲ適用セス
第五条 第九十九条ノ三第二項及ヒ第九十九条ノ四乃至第九十九条ノ六ノ規定ハ本法施行前ニ提起シタル設立無効ノ訴ニモ亦之ヲ適用ス但其訴ニ付キ為シタル判決カ本法施行前ニ確定シタルトキハ此限ニ在ラス
第六条 前二条ノ規定ハ合資会社ニ之ヲ準用ス
第七条 本法施行前ニ株式会社ノ発起人カ定款ヲ作リタル場合ニ於テハ其設立ニハ従前ノ規定ヲ適用ス
前項ノ規定ハ第百二十六条ノ二及ヒ第百四十二条ノ二乃至第百四十二条ノ四ノ規定ノ適用ヲ妨ケス
第八条 第百五十二条第三項及ヒ第百五十三条ノ二ノ規定ハ本法施行前ニ第百五十二条第一項ノ催告ヲ為シタル場合ニモ亦之ヲ適用ス
第九条 第百六十三条及ヒ第百六十三条ノ二ノ規定ハ本法施行前ニ生シタル事由ニ基キ其施行後ニ決議無効ノ訴ヲ提起スル場合ニモ亦之ヲ適用ス
第十条 第九十九条ノ三第二項、第九十九条ノ四及ヒ第百六十三条ノ四ノ規定ハ本法施行前ニ提起シタル決議無効ノ訴ニモ亦之ヲ適用ス但其訴ニ付キ為シタル判決カ本法施行前ニ確定シタルトキハ此限ニ在ラス
第十一条 前二条ノ規定ハ創立総会ノ決議無効ノ訴ニ之ヲ準用ス
第百六十三条ノ三ノ規定ハ本法施行前ニ提起シタル創立総会ノ決議無効ノ訴ニモ亦之ヲ適用ス
第十二条 第百六十七条ノ二ノ規定ハ本法施行前ニ選任シタル取締役又ハ監査役ノ任務カ本法施行後ニ終了シタル場合ニモ亦之ヲ適用ス
第十三条 第百七十七条及ヒ第百八十六条ノ規定ハ本法施行前ニ選任シタル取締役又ハ監査役ノ行為カ本法施行後ニ在リタル場合ニモ亦之ヲ適用ス
第十四条 本法施行前ニ株式会社カ社債募集ノ決議ヲ為シタル場合ニ於テハ従前ノ規定ニ従ヒテ其募集ヲ為スコトヲ得但未タ社債募集ノ公告ヲ為ササルトキハ第二百三条、第二百三条ノ二、第二百四条ノ二及ヒ第二百七条ノ二ノ規定ヲ適用ス
第十五条 本法施行前ニ株式会社カ資本増加ノ決議ヲ為シタル場合ニ於テハ従前ノ規定ニ従ヒテ其増加ヲ為スコトヲ得
第十六条 第二百二十条ノ二乃至第二百二十条ノ五ノ規定ハ本法施行前ニ資本減少ノ決議ヲ為シタル場合ニモ亦之ヲ適用ス但株主総会ノ決議ニ反スルトキハ此限ニ在ラス
第十七条 第二百二十条ノ二乃至第二百二十条ノ五ノ規定ハ券面額五十円未満ノ株式ヲ併合スル場合ニ之ヲ準用ス
第十八条 本法施行前ニ株式会社カ合併ノ決議ヲ為シタル場合ニ於テモ株主ハ其記名株ヲ譲渡スコトヲ得
第十九条 附則第十六条ノ規定ハ会社ノ合併ニ因ル株式併合ノ場合ニ之ヲ準用ス
第二百二十五条第三項ノ規定ハ本法施行前ニ合併ノ決議ヲ為シタル場合ニモ亦之ヲ適用ス
第二十条 本法施行前ニ株式会社ノ設立ノ無効ナルコトヲ発見シタル場合ニ於テ裁判所カ未タ清算人ヲ選任セサリシトキハ設立無効ノ主張ニ付テハ本法ノ規定ヲ適用ス
第二十一条 附則第九条、第十条、第十二条及ヒ第十三条ノ規定ハ株式会社ノ清算ノ場合ニ之ヲ準用ス
第二十二条 附則第四条及ヒ第五条ノ規定ハ株式会社ニ之ヲ準用ス
第二十三条 前十六条ノ規定ハ株式合資会社ニ之ヲ準用ス
第二十四条 本法施行前ニ会社ニ関スル従前ノ罰則ヲ適用スヘキ行為アリタルトキハ本法施行ノ後ト雖モ其罰則ヲ適用ス
第二十五条 第四百八十七条乃至第四百八十八条ノ二及ヒ第四百八十八条ノ四ノ規定ハ本法施行前ニ第一ノ質入裏書アリタル質入証券ノ所持人カ本法施行後ニ支払ヲ求ムル為メ其証券ヲ呈示スル場合ニモ亦之ヲ適用ス
第二十六条 質入証券所持人ノ裏書人ニ対スル請求権ハ寄託物ニ付キ弁済ヲ受ケタル日カ本法施行前ニ在リタル場合ニ於テハ其施行ノ日ヨリ六个月本法施行後ニ在ル場合ニ於テハ弁済ヲ受ケタル日ヨリ六个月ヲ経過シタルトキハ時効ニ因リテ消滅ス
質入証券裏書人ノ其前者ニ対スル請求権ハ本法施行前ニ償還ヲ為シタル場合ニ於テハ其施行ノ日ヨリ六个月本法施行後ニ償還ヲ為シタル場合ニ於テハ其償還ノ日ヨリ六个月ヲ経過シタルトキハ時効ニ因リテ消滅ス
本法施行前ニ進行ヲ始メタル時効ノ残期カ其施行ノ日ヨリ起算シテ六个月ヨリ短キトキハ時効ハ其残期ヲ経過スルニ因リテ完成ス
第二十七条 第三百六十七条ノ三、第三百八十条ノ二及ヒ第三百八十条ノ三ノ規定ハ本法施行前ニ作リタル預証券又ハ質入証券ニモ亦之ヲ適用ス但其証券ニ別段ノ意思表示アルトキハ此限ニ在ラス
第二十八条 第四百十七条ノ規定ハ本法施行前ニ生シタル保険料返還ノ義務ニ付キ其施行後ニ時効カ進行ヲ始ムル場合ニモ亦之ヲ適用ス
本法施行前ニ進行ヲ始メタル時効ノ残期カ其施行ノ日ヨリ起算シテ二年ヨリ長キトキハ時効ハ其施行ノ日ヨリ二年ヲ経過スルニ因リ二年ヨリ短キトキハ其残期ヲ経過スルニ因リテ完成ス
前二項ノ規定ハ第四百三十二条ノ二ノ義務ニ之ヲ準用ス
第二十九条 第四百二十八条乃至第四百二十八条ノ四ノ規定ハ本法施行前ニ為シタル保険契約ニハ之ヲ適用セス
第三十条 本法施行前ニ振出シタル為替手形ニ付キ其施行後ニ引受拒絶証書ヲ作ラシメタル場合ニ於テハ担保請求ノ通知ヲ発スルコトヲ要セス本法施行後ニ担保ヲ供セサル為メ拒絶証書ヲ作ラシメタル場合亦同シ
第三十一条 第四百八十七条乃至第四百八十八条ノ二、第四百八十八条ノ四及ヒ第四百八十九条ノ二ノ規定ハ本法施行前ニ振出シタル為替手形ニ付キ所持人カ本法施行後ニ支払ヲ求ムル為メ之ヲ呈示スル場合ニモ亦之ヲ適用ス
第三十二条 第五百十五条乃至第五百十五条ノ五及ヒ第五百十七条第一項ノ規定ハ本法施行前ニ振出シタル為替手形ニ付キ其施行後ニ拒絶証書ヲ作ル場合ニモ亦之ヲ適用ス
第三十三条 前三条ノ規定ハ約束手形ニ之ヲ準用ス
第三十四条 第五百三十三条ノ三及ヒ第五百三十四条第二項ノ規定ハ本法施行前ニ振出シタル小切手ニ付キ所持人カ本法施行後ニ支払ヲ求ムル為メ之ヲ呈示スル場合ニモ亦之ヲ適用ス
附則第三十一条及第三十二条ノ規定ハ小切手ニ之ヲ準用ス
第三十五条 第五百四十四条ノ二ノ規定ハ本法施行前ニ生シタル原因ニ基キ其施行後ニ委付ヲ為ス場合ニモ亦之ヲ適用ス