沖縄県諸禄処分法
法令番号: 法律第五十九號
公布年月日: 明治43年4月29日
法令の形式: 法律
朕帝國議會ノ協贊ヲ經タル沖繩縣諸祿處分法ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
明治四十三年四月二十八日
內閣總理大臣兼大藏大臣 侯爵 桂太郞
法律第五十九號
沖繩縣諸祿處分法
第一條 沖繩縣金祿、社祿、寺祿及僧侶飯米ハ本法ニ依リ國債證券ヲ以テ一時ニ之ヲ給與ス
前項ノ國債證券ハ明治四十三年一月一日現在ノ金祿若ハ僧侶飯米ノ受祿者又ハ社寺ニ之ヲ給與ス
第二條 前條ニ依リ給與スヘキ國債證券ノ金額ハ第三條乃至第六條ニ依リ算出シタル各標準額ニ付現代祿高千圓以上ハ千分ノ七十五、千圓未滿百圓以上ハ千分ノ八十五、百圓未滿ハ千分ノ九十五ノ割合ニ相當スル額ノ二十倍トス
前項ノ規定ニ依リ算出シタル給與額中左ニ揭クル金額アルトキハ之ヲ削減ス
一 現代祿高ノ二十倍ヲ超過スル金額
二 第三條第一項、第四條第一項、第五條又ハ第六條ノ場合ニ於テ同一條項ヲ適用スヘキ上級ノ最小給與額ヲ超過スル金額
三 第三條第二項第三項又ハ第四條第二項ノ場合ニ於テ同一條項ヲ適用スヘキ上級ノ最小給與額ヲ超過スル金額中前項ノ定率又ハ第三條第一項ノ年數異ル爲生シタル金額
第三條 永世金祿ヲ有スル者ニ對スル給與ノ標準額ハ現代ノ祿高ニ左ノ年數ヲ乘シ之ヲ算出ス
祿高千圓以上 九年
同 千圓未滿九百圓以上 九年二分五厘
同 九百圓未滿八百圓以上 九年五分
同 八百圓未滿七百圓以上 九年七分五厘
同 七百圓未滿六百圓以上 十年
同 六百圓未滿五百圓以上 十年二分五厘
同 五百圓未滿四百五十圓以上 十年五分
同 四百五十圓未滿四百圓以上 十年七分五厘
同 四百圓未滿三百五十圓以上 十一年
同 三百五十圓未滿三百圓以上 十一年二分五厘
同 三百圓未滿二百五十圓以上 十一年五分
同 二百五十圓未滿二百圓以上 十一年七分五厘
同 二百圓未滿百五十圓以上 十二年
同 百五十圓未滿百圓以上 十二年五分
同 百圓未滿七十五圓以上 十三年
同 七十五圓未滿五十圓以上 十三年五分
同 五十圓未滿四十圓以上 十四年
同 四十圓未滿三十圓以上 十四年五分
同 三十圓未滿二十五圓以上 十五年
同 二十五圓未滿 十五年五分
前項永世金祿ニシテ遞減セラルヘキモノニ付テハ前項ニ依リ算出シタル標準額ヨリ現代祿高ト遞減終了ノ代ノ祿高トノ差額ニ其ノ標準額ノ算出ニ用井タル年數ヲ乘シテ算出シタル額ノ二分ノ一ヲ減ス
前項ニ該當スル金祿ニシテ三代以後ニ於テ遞減セラルヘキ祿高ヲ包含スルモノアルトキハ二代以後一代每ニ其ノ代ノ祿高ト遞減終了ノ代ノ祿高トノ差額ノ四分ノ一ヲ前項ノ額ニ加フ
第四條 非永世金祿ヲ有スル者ニ對スル給與ノ標準額ハ前條第一項ノ例ニ依リ算出シタル額ノ二分ノ一トス
前項非永世金祿ニシテ二代以上ニ亙ルモノアルトキハ二代以後一代每ニ其ノ代ノ祿高ノ四分ノ一ヲ前項ノ額ニ加フ
第五條 社祿又ハ寺祿ヲ受クル社寺ニ對スル給與ノ標準額ハ第三條第一項ノ例ニ依リ之ヲ算出ス
第六條 僧侶飯米ヲ受クル者ニ對スル給與ノ標準額ハ第四條第一項ノ例ニ依リ之ヲ算出ス
第七條 本法ニ依リ給與スヘキ國債證券ハ五分利付トシ額面金額ニ依ル但シ國債證券ノ最小額面金額ニ滿タサル端數ニ付テハ現金ヲ給與ス
第八條 政府ハ本法ニ依ル給與ニ必要ナル國債證券ヲ發行スルコトヲ得
第九條 本法ニ依ル給與ハ明治四十三年一月一日ニ於テ之ヲ爲シタルモノト看做ス
附 則
沖繩縣諸祿ニ關スル從來ノ法令及舊慣ハ其ノ效力ヲ失フ
朕帝国議会ノ協賛ヲ経タル沖縄県諸禄処分法ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
明治四十三年四月二十八日
内閣総理大臣兼大蔵大臣 侯爵 桂太郎
法律第五十九号
沖縄県諸禄処分法
第一条 沖縄県金禄、社禄、寺禄及僧侶飯米ハ本法ニ依リ国債証券ヲ以テ一時ニ之ヲ給与ス
前項ノ国債証券ハ明治四十三年一月一日現在ノ金禄若ハ僧侶飯米ノ受禄者又ハ社寺ニ之ヲ給与ス
第二条 前条ニ依リ給与スヘキ国債証券ノ金額ハ第三条乃至第六条ニ依リ算出シタル各標準額ニ付現代禄高千円以上ハ千分ノ七十五、千円未満百円以上ハ千分ノ八十五、百円未満ハ千分ノ九十五ノ割合ニ相当スル額ノ二十倍トス
前項ノ規定ニ依リ算出シタル給与額中左ニ掲クル金額アルトキハ之ヲ削減ス
一 現代禄高ノ二十倍ヲ超過スル金額
二 第三条第一項、第四条第一項、第五条又ハ第六条ノ場合ニ於テ同一条項ヲ適用スヘキ上級ノ最小給与額ヲ超過スル金額
三 第三条第二項第三項又ハ第四条第二項ノ場合ニ於テ同一条項ヲ適用スヘキ上級ノ最小給与額ヲ超過スル金額中前項ノ定率又ハ第三条第一項ノ年数異ル為生シタル金額
第三条 永世金禄ヲ有スル者ニ対スル給与ノ標準額ハ現代ノ禄高ニ左ノ年数ヲ乗シ之ヲ算出ス
禄高千円以上 九年
同 千円未満九百円以上 九年二分五厘
同 九百円未満八百円以上 九年五分
同 八百円未満七百円以上 九年七分五厘
同 七百円未満六百円以上 十年
同 六百円未満五百円以上 十年二分五厘
同 五百円未満四百五十円以上 十年五分
同 四百五十円未満四百円以上 十年七分五厘
同 四百円未満三百五十円以上 十一年
同 三百五十円未満三百円以上 十一年二分五厘
同 三百円未満二百五十円以上 十一年五分
同 二百五十円未満二百円以上 十一年七分五厘
同 二百円未満百五十円以上 十二年
同 百五十円未満百円以上 十二年五分
同 百円未満七十五円以上 十三年
同 七十五円未満五十円以上 十三年五分
同 五十円未満四十円以上 十四年
同 四十円未満三十円以上 十四年五分
同 三十円未満二十五円以上 十五年
同 二十五円未満 十五年五分
前項永世金禄ニシテ逓減セラルヘキモノニ付テハ前項ニ依リ算出シタル標準額ヨリ現代禄高ト逓減終了ノ代ノ禄高トノ差額ニ其ノ標準額ノ算出ニ用井タル年数ヲ乗シテ算出シタル額ノ二分ノ一ヲ減ス
前項ニ該当スル金禄ニシテ三代以後ニ於テ逓減セラルヘキ禄高ヲ包含スルモノアルトキハ二代以後一代毎ニ其ノ代ノ禄高ト逓減終了ノ代ノ禄高トノ差額ノ四分ノ一ヲ前項ノ額ニ加フ
第四条 非永世金禄ヲ有スル者ニ対スル給与ノ標準額ハ前条第一項ノ例ニ依リ算出シタル額ノ二分ノ一トス
前項非永世金禄ニシテ二代以上ニ亘ルモノアルトキハ二代以後一代毎ニ其ノ代ノ禄高ノ四分ノ一ヲ前項ノ額ニ加フ
第五条 社禄又ハ寺禄ヲ受クル社寺ニ対スル給与ノ標準額ハ第三条第一項ノ例ニ依リ之ヲ算出ス
第六条 僧侶飯米ヲ受クル者ニ対スル給与ノ標準額ハ第四条第一項ノ例ニ依リ之ヲ算出ス
第七条 本法ニ依リ給与スヘキ国債証券ハ五分利付トシ額面金額ニ依ル但シ国債証券ノ最小額面金額ニ満タサル端数ニ付テハ現金ヲ給与ス
第八条 政府ハ本法ニ依ル給与ニ必要ナル国債証券ヲ発行スルコトヲ得
第九条 本法ニ依ル給与ハ明治四十三年一月一日ニ於テ之ヲ為シタルモノト看做ス
附 則
沖縄県諸禄ニ関スル従来ノ法令及旧慣ハ其ノ効力ヲ失フ