(陸軍補充条例中改正ノ件)
法令番号: 勅令第百一號
公布年月日: 明治42年4月16日
法令の形式: 勅令
朕陸軍補充條例中改正ノ件ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
明治四十二年四月十五日
內閣總理大臣 侯爵 桂太郞
陸軍大臣 子爵 寺內正毅
勅令第百一號
陸軍補充條例中左ノ通改正ス
目次中「看護手」ヲ「看護卒」ニ改ム
第一條中「看護手」ヲ「看護卒」ニ改ム
第四條 本條例ニ於テ師團長ト稱スルハ臺灣總督關東都督韓國駐箚軍司令官、旅團長ト稱スルハ臺灣守備隊司令官、師團經理部長ト稱スルハ臺灣總督府陸軍經理部長、師團軍醫部長ト稱スルハ臺灣總督府陸軍軍醫部長關東都督府陸軍軍醫部長韓國駐箚軍軍醫部長、師團獸醫部長ト稱スルハ臺灣總督府陸軍獸醫部長、聯隊長ト稱スルハ獨立隊長、聯隊區司令官ト稱スルハ對馬警備隊司令官沖繩警備隊區司令官ヲ包含シ隊長ト稱スルハ聯隊長獨立隊長ヲ謂フ
第六十七條第一項第三號及第四號中「一箇年」ヲ「二箇年」ニ改メ第二號ノ次ニ左ノ一號ヲ加ヘ以下各號順次繰下ク
三 豫備役後備役憲兵上等兵ニシテ下士適任證書ヲ有シ現役滿期後二箇年以內ニ於テ現役下士ヲ志願スル者
第六十八條第一項中「前條」ノ下ニ「第一項第一號」ヲ加フ
第六十九條中「第四號」ヲ「第五號」ニ改ム
第七十四條第一項中「第三號」ノ下ニ「及第四號」ヲ加ヘ第二項中「順序ニ從ヒ」ノ下ニ「第六十七條第一項第三號ニ該當スル者ニ在リテハ伍長勤務上等兵ヲ命シ二箇月以上服務セシメタル後事由ヲ悉シテ憲兵司令官ニ上申シ其ノ認可ヲ受ケ之ヲ現役憲兵伍長ニ任シ第六十七條第一項第四號ニ該當スル者ニ在リテハ之ヲ」ヲ加フ
第七十五條 步、騎、砲、工、輜重兵科下士諸工長ヲ除クノ補充ハ左ニ揭クル者ヲ以テス
一 現役各兵科兵卒輸卒ヲ除クニシテ下士ト爲ルコトヲ志願シ二箇年以上在營シ下士タルニ適スル者
二 伍長勤務ニ服シタル上等兵ニシテ歸休ヲ命セラレタル者ニ在リテハ退營後、現役期限滿ツル迄在營シテ豫備役ニ入リタル者ニ在リテハ現役滿期後二箇年以內ニ於テ現役下士ヲ志願スル者
三 下士適任證書ヲ有スル上等兵ニシテ歸休ヲ命セラレタル者ニ在リテハ退營後、現役期限滿ツル迄在營シテ豫備役ニ入リタル者ニ在リテハ現役滿期後二箇年以內ニ於テ現役下士ヲ志願スル者
四 豫備役後備役軍曹伍長ニシテ現役滿期後二箇年以內ニ於テ現役ヲ志願スル者
第七十七條 第七十五條第一號ニ該當スル者ハ兵卒トシテ入隊ノ日ヨリ二箇年ノ後伍長ニ任ス但シ伍長ニ任スル槪ネ一箇年前ニ於テ伍長勤務上等兵ヲ命スルヲ例トス
第七十九條第二項中「第七十七條第二項ニ依リ伍長ニ任スル場合亦同シ」ヲ削ル
第九十六條 衞生部下士ノ補充ハ左ニ揭クル者ヲ以テス
一 現役看護卒ニシテ衞生部下士ト爲ルコトヲ志願シ二箇年以上在營シ下士タルニ適スル者
二 看護長勤務ニ服シタル上等看護卒ニシテ歸休退營後二箇年以內ニ於テ現役下士ヲ志願スル者
三 下士適任證書ヲ有スル上等看護卒ニシテ歸休退營後二箇年以內ニ於テ現役下士ヲ志願スル者
四 豫備役後備役二三等看護長ニシテ現役滿期後二箇年以內ニ於テ現役ヲ志願スル者
衞生部下士ノ補充ハ師管內近衞師團ニ在リテハ師團內、臺灣韓國關東州ニ在リテハ所轄內ニ於テスルヲ例トス
第九十七條 削除
第九十八條 第九十六條第一項第一號ニ該當スル者ハ兵卒トシテ入隊ノ日ヨリ二箇年ノ後三等看護長ニ任ス
第九十九條中「看護手」ヲ「上等看護卒」ニ改ム
第百條 第九十六條第一項第一號ニ該當スル者ヲ下士ニ任スルニハ病院長又ハ隊附高級醫官其ノ勤務及學術ノ成績ニ依リ順序ヲ附シタル下士候補名簿ヲ製シ病院長ハ之ヲ師團軍醫部長ニ進達シ隊附高級醫官ハ之ヲ隊長ニ進達シ隊長ハ之ヲ師團軍醫部長ニ移ス
師團軍醫部長ハ前項ノ下士候補名簿ヲ審査シ各部隊ノ候補者ヲ通シ順序ヲ附シタル下士候補名簿ヲ製シ師團長ヲ經テ之ヲ陸軍省醫務局長ニ進達シテ其ノ認可ヲ受ケ師管內近衞師團ニ在リテハ師團內、臺灣韓國關東州ニ在リテハ所轄內各部隊衞生部下士ノ闕員ニ應シ候補名簿ノ順序ニ依リ三等看護長ニ任ス
第九十六條第一項第三號ニ該當スル者ヲ三等看護長ニ任スルニハ師團軍醫部長其ノ都度事由ヲ悉シテ師團長ヲ經テ陸軍省醫務局長ニ上申シ其ノ認可ヲ受クヘシ
第百五條 計手ノ補充ハ左ニ揭クル者ヲ以テス
一 入營後一箇年以上現役ニ服シタル步、騎、砲、工、輜重兵科ノ上等兵ニシテ計手ヲ志願シ計手ニ必要ナル學術ヲ習得シタル者
二 計手適任證書ヲ有スル上等兵ニシテ歸休ヲ命セラレタル者ニ在リテハ退營後、現役期限滿ツル迄在營シテ豫備役ニ入リタル者ニ在リテハ現役滿期後二箇年以內ニ於テ現役計手ヲ志願スル者
三 豫備役後備役二三等計手ニシテ現役滿期後二箇年以內ニ於テ現役ヲ志願スル者
計手ノ補充ハ師管內近衞師團ニ在リテハ師團內、臺灣ニ在リテハ所轄內ニ於テスルヲ例トス
第百六條中「部下」ノ下「下士」ヲ削リ「經理部下士」ヲ「計手」ニ改ム
第百八條 師團經理部長ハ前條通學者ニ槪ネ二箇月間計手ニ必要ノ學術及實務ヲ修得セシメタル後試驗ヲ施行シ其ノ成績ヲ審査シ順序ヲ附シタル下士候補名簿ヲ製シ師團長ヲ經テ之ヲ陸軍省經理局長ニ進達シ其ノ認可ヲ受ケ師管內近衞師團ニ在リテハ師團內、臺灣ニ在リテハ所轄內各部隊計手ノ闕員ニ應シ候補名簿ノ順序ニ依リ三等計手ニ任ス
計手候補者ハ計手ニ任用前計手勤務ニ服セシムルコトヲ得
計手候補者計手ニ任用前豫備役又ハ後備役ニ入ルトキハ師團經理部長之ニ計手適任證書ヲ付與ス
第百九條中「三等計手ニ任シ第三號ニ該當スル者ハ下士ニ在リテハ現官等相當ノ經理部下士ニ上等兵ニ在リテハ」ヲ削リ「經理部下士」ヲ「計手」ニ改ム
第百九條ノ二中「乃至第四號」ヲ「及第三號」ニ、「下士」及「經理部下士」ヲ「計手」ニ改ム
第百九條ノ三 縫、靴工長ノ補充ハ左ニ揭クル者ヲ以テス
一 上等縫、靴工卒ニシテ入營後二箇年以上現役ニ服シ當該工長トシテ再服役ヲ志願シ縫、靴工長ニ必要ナル學術ヲ習得シタル者
二 縫、靴工長適任證書ヲ有スル上等縫、靴工卒ニシテ歸休ヲ命セラレタル者ニ在リテハ退營後、現役期限滿ツル迄在營シテ豫備役ニ入リタル者ニ在リテハ現役滿期後二箇年以內ニ於テ現役縫、靴工長ヲ志願スル者
三 豫備役後備役縫、靴工長ニシテ現役滿期後二箇年以內ニ於テ現役ヲ志願スル者
第百九條ノ四 被服本廠長ハ每年十一月上等縫、靴工卒中當該工長適任者ヲ選拔シ各別ニ順序ヲ定メタル下士候補名簿ヲ製シ之ヲ陸軍省經理局長ニ進達シ其ノ認可ヲ受クヘシ
第百九條ノ五 師團經理部長ハ師管內近衞師團ニ在リテハ師團內、臺灣ニ在リテハ所轄內各部隊ニ於ケル縫、靴工長ニ、被服本廠長ハ被服廠ニ於ケル縫、靴工長ニ闕員ヲ生シタルトキハ其ノ補充ヲ陸軍省經理局長ニ請求スヘシ
第百九條ノ六 陸軍省經理局長ハ前條ノ請求アリタルトキハ之ヲ被服本廠長ニ通知シ下士候補名簿ノ順序ニ依リ同廠長ヲシテ當該三等工長ニ任シ各部隊ニ配賦セシムヘシ
第百九條ノ七 縫、靴工長候補者ニシテ工長任用前豫備役又ハ後備役ニ入ルトキハ被服本廠長之ニ當該工長適任證書ヲ付與ス
第百九條ノ八 第百九條ノ三第二號及第三號ニ該當スル者ヲ當該工長ニ採用スルニハ被服本廠長之ヲ審査シ階級每ニ順序ヲ定メタル縫工長採用名簿及靴工長採用名簿ヲ製シ之ヲ陸軍省經理局長ニ進達シ其ノ認可ヲ受ケ所要ニ應シ該名簿ノ順序ニ依リ當該現役縫、靴工長ニ採用ス但シ第二號ニ該當スル者ハ當該現役三等縫、靴工長ニ任ス
第百十五條第五號中「十二年」ヲ「十七年」ニ改ム
第百十七條乃至第百二十條中「看護手」ヲ「上等看護卒」ニ改ム
第百十九條第四號中「十二箇年」ヲ「十七箇年」ニ改ム
第百二十一條 豫備役計手ノ補充ハ左ニ揭クル者ヲ以テス
一 豫備役上等兵中計手適任證書ヲ所持スル者
二 計手中服役七年四箇月ニ滿タスシテ現役ヲ退キ豫備役ニ入リタル者
第百二十二條 後備役計手ノ補充ハ左ニ揭クル者ヲ以テス
一 後備役上等兵中計手適任證書ヲ所持スル者
二 豫備役計手ヨリ後備役ニ入リタル者
三 計手中服役七年四箇月以上十七年四箇月ニ滿タスシテ現役ヲ退キ後備役ニ入リタル者
第百二十二條ノ二中「下士上等兵」ヲ「上等兵」ニ、「經理部下士」ヲ「計手」ニ改メ「一名ヲ」ノ下ニ「歸休又ハ」ヲ加フ
第百二十三條中「下士上等兵」ヲ「上等兵」ニ、「經理部下士」ヲ「計手」ニ改メ「現官等相當ノ經理部下士若ハ」ヲ削ル
第百二十三條ノ二 豫備役縫、靴工長ノ補充ハ左ニ揭クル者ヲ以テス
一 豫備役上等縫、靴工卒中當該工長適任證書ヲ所持スル者
二 縫、靴工長中服役七年四箇月ニ滿タスシテ現役ヲ退キ豫備役ニ入リタル者
第百二十三條ノ三 後備役縫、靴工長ノ補充ハ左ニ揭クル者ヲ以テス
一 後備役上等縫、靴工卒中當該工長適任證書ヲ所持スル者
二 豫備役縫、靴工長ヨリ後備役ニ入リタル者
三 縫、靴工長中服役七年四箇月以上十七年四箇月ニ滿タスシテ現役ヲ退キ後備役ニ入リタル者
第百二十三條ノ四 第百二十三條ノ二第一號及第百二十三條ノ三第一號ニ該當スル者ヲ縫、靴工長ニ任スルニハ戰時又ハ事變ニ際シ當該工長ノ闕員ニ應シ陸軍省經理局長ノ認可ヲ受ケ被服本廠長之ヲ當該三等工長ニ任ス
第七章 現役看護卒ノ補充
第百四十一條 現役看護卒ノ補充ハ左ニ揭クル者ヲ以テス
一 隊附現役上等看護卒ハ步、騎、砲、工、輜重兵科ノ初年兵ニシテ槪ネ四箇月間軍事敎育ヲ受ケタル後槪ネ八箇月間看護學ヲ修メタル者
對馬警備隊ニ在リテハ軍事敎育及看護學修業期限ハ各之ヲ半減ス
二 病院附ノ現役二等看護卒ハ其ノ地所在ノ步兵聯隊步兵聯隊ナキ地ニ在リテハ他ノ軍隊ノ初年兵ニシテ槪ネ四箇月間軍事敎育ヲ受ケタル者
第百四十二條 師團軍醫部長ハ病院所要ノ看護卒中磨工勤務ニ服セシムヘキ人員ヲ調査シテ師團長ニ報吿シ師團長ハ之ヲ各隊ニ配賦ス
聯隊長ハ前項ノ人員及之ヲ除キタル病院附看護卒ノ要員竝其ノ隊所要ノ上等看護卒ノ人員ヲ中隊ニ配賦スヘシ
第百四十三條 前條第二項ノ配賦ヲ受ケタル中隊長ハ部下兵卒中篤實溫厚文筆アリテ看護卒ニ適當ノ者磨工ノ要員ハ成ルヘク硏磨術鍛冶術ノ心得アル者ヲ選ミ隊附上等看護卒及病院附ノ二等看護卒ノ要員ニ分チタル名簿ヲ製シ順序ヲ經テ聯隊長ニ進達スヘシ
第百四十四條 聯隊長ハ前條ノ名簿ニ依リ要員ヲ定メ隊附ノ上等看護卒ノ要員ニ在リテハ之ニ看護學修業兵ヲ命シテ其ノ地ノ衞戍病院ニ通學又ハ入學セシメ病院附ノ看護卒ノ要員ニ在リテハ之ニ二等看護卒ヲ命シテ衞戍病院ニ編入スヘシ但シ嚴原衞戍病院ノ要員ニ在リテハ對馬重砲兵大隊ノ者ヲ編入スルモノトス
第百四十五條及第百五十六條第三號中「看護手」ヲ「上等看護卒」ニ改ム
第百五十七條第一項中「經理部下士」ヲ「計手」ニ、「下士上等兵」ヲ「上等兵」ニ改ム
第百六十九條中「臺灣守備隊」ノ上ニ「滿洲竝韓國ニ駐箚スル部隊獨立守備大隊ヲ除ク」ヲ加ヘ「要塞砲兵」ヲ「重砲兵」ニ改ム
第百六十九條ノ二中「看護手」ヲ「上等看護卒」ニ改ム
附 則
本令ハ公布ノ日ヨリ之ヲ施行ス
本令施行前付與シタル經理部下士適任證書ハ之ヲ計手適任證書ト看做ス
當分ノ內各兵科豫備役後備役下士ニシテ經理部下士適任證書ヲ有スル者ハ同役同官等ノ計手ニ任スルコトヲ得其ノ取扱手續ハ第百二十三條ノ規定ニ依ル
當分ノ內現役縫、靴工長及縫、靴工ノ勤務ニ服スル兵卒中再服役ヲ志願シ適任ト認ムル者ニハ陸軍被服廠ニ於テ更ニ必要ノ學術ヲ修習セシメ之ヲ當該三等工長ニ任スルコトヲ得
當分ノ內縫、靴工長ノ勤務ニ服スル上等兵中當該工長適任ノ者ハ聯隊長其ノ人名及列序ヲ師團經理部長ニ移牒シ經理部長ハ歸休又ハ現役滿期ノ際之ニ當該工長適任證書ヲ付與スヘシ
前項上等兵ハ戰時又ハ事變ニ際シ縫、靴工長ノ闕員ニ應シ師團經理部長又ハ之ト同等以上ノ權アル經理部長ハ師團長又ハ之ト同等以上ノ權アル長官ノ認可ヲ受ケ之ヲ當該三等工長ニ任ス
當分ノ內豫備役後備役下士タル縫、靴工長中志願ノ者ハ之ヲ各部隊縫、靴工長ノ要員ニ充ツルコトヲ得其ノ身分取扱ハ召集中ノ者ニ同シ
朕陸軍補充条例中改正ノ件ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
明治四十二年四月十五日
内閣総理大臣 侯爵 桂太郎
陸軍大臣 子爵 寺内正毅
勅令第百一号
陸軍補充条例中左ノ通改正ス
目次中「看護手」ヲ「看護卒」ニ改ム
第一条中「看護手」ヲ「看護卒」ニ改ム
第四条 本条例ニ於テ師団長ト称スルハ台湾総督関東都督韓国駐箚軍司令官、旅団長ト称スルハ台湾守備隊司令官、師団経理部長ト称スルハ台湾総督府陸軍経理部長、師団軍医部長ト称スルハ台湾総督府陸軍軍医部長関東都督府陸軍軍医部長韓国駐箚軍軍医部長、師団獣医部長ト称スルハ台湾総督府陸軍獣医部長、連隊長ト称スルハ独立隊長、連隊区司令官ト称スルハ対馬警備隊司令官沖縄警備隊区司令官ヲ包含シ隊長ト称スルハ連隊長独立隊長ヲ謂フ
第六十七条第一項第三号及第四号中「一箇年」ヲ「二箇年」ニ改メ第二号ノ次ニ左ノ一号ヲ加ヘ以下各号順次繰下ク
三 予備役後備役憲兵上等兵ニシテ下士適任証書ヲ有シ現役満期後二箇年以内ニ於テ現役下士ヲ志願スル者
第六十八条第一項中「前条」ノ下ニ「第一項第一号」ヲ加フ
第六十九条中「第四号」ヲ「第五号」ニ改ム
第七十四条第一項中「第三号」ノ下ニ「及第四号」ヲ加ヘ第二項中「順序ニ従ヒ」ノ下ニ「第六十七条第一項第三号ニ該当スル者ニ在リテハ伍長勤務上等兵ヲ命シ二箇月以上服務セシメタル後事由ヲ悉シテ憲兵司令官ニ上申シ其ノ認可ヲ受ケ之ヲ現役憲兵伍長ニ任シ第六十七条第一項第四号ニ該当スル者ニ在リテハ之ヲ」ヲ加フ
第七十五条 歩、騎、砲、工、輜重兵科下士諸工長ヲ除クノ補充ハ左ニ掲クル者ヲ以テス
一 現役各兵科兵卒輸卒ヲ除クニシテ下士ト為ルコトヲ志願シ二箇年以上在営シ下士タルニ適スル者
二 伍長勤務ニ服シタル上等兵ニシテ帰休ヲ命セラレタル者ニ在リテハ退営後、現役期限満ツル迄在営シテ予備役ニ入リタル者ニ在リテハ現役満期後二箇年以内ニ於テ現役下士ヲ志願スル者
三 下士適任証書ヲ有スル上等兵ニシテ帰休ヲ命セラレタル者ニ在リテハ退営後、現役期限満ツル迄在営シテ予備役ニ入リタル者ニ在リテハ現役満期後二箇年以内ニ於テ現役下士ヲ志願スル者
四 予備役後備役軍曹伍長ニシテ現役満期後二箇年以内ニ於テ現役ヲ志願スル者
第七十七条 第七十五条第一号ニ該当スル者ハ兵卒トシテ入隊ノ日ヨリ二箇年ノ後伍長ニ任ス但シ伍長ニ任スル概ネ一箇年前ニ於テ伍長勤務上等兵ヲ命スルヲ例トス
第七十九条第二項中「第七十七条第二項ニ依リ伍長ニ任スル場合亦同シ」ヲ削ル
第九十六条 衛生部下士ノ補充ハ左ニ掲クル者ヲ以テス
一 現役看護卒ニシテ衛生部下士ト為ルコトヲ志願シ二箇年以上在営シ下士タルニ適スル者
二 看護長勤務ニ服シタル上等看護卒ニシテ帰休退営後二箇年以内ニ於テ現役下士ヲ志願スル者
三 下士適任証書ヲ有スル上等看護卒ニシテ帰休退営後二箇年以内ニ於テ現役下士ヲ志願スル者
四 予備役後備役二三等看護長ニシテ現役満期後二箇年以内ニ於テ現役ヲ志願スル者
衛生部下士ノ補充ハ師管内近衛師団ニ在リテハ師団内、台湾韓国関東州ニ在リテハ所轄内ニ於テスルヲ例トス
第九十七条 削除
第九十八条 第九十六条第一項第一号ニ該当スル者ハ兵卒トシテ入隊ノ日ヨリ二箇年ノ後三等看護長ニ任ス
第九十九条中「看護手」ヲ「上等看護卒」ニ改ム
第百条 第九十六条第一項第一号ニ該当スル者ヲ下士ニ任スルニハ病院長又ハ隊附高級医官其ノ勤務及学術ノ成績ニ依リ順序ヲ附シタル下士候補名簿ヲ製シ病院長ハ之ヲ師団軍医部長ニ進達シ隊附高級医官ハ之ヲ隊長ニ進達シ隊長ハ之ヲ師団軍医部長ニ移ス
師団軍医部長ハ前項ノ下士候補名簿ヲ審査シ各部隊ノ候補者ヲ通シ順序ヲ附シタル下士候補名簿ヲ製シ師団長ヲ経テ之ヲ陸軍省医務局長ニ進達シテ其ノ認可ヲ受ケ師管内近衛師団ニ在リテハ師団内、台湾韓国関東州ニ在リテハ所轄内各部隊衛生部下士ノ闕員ニ応シ候補名簿ノ順序ニ依リ三等看護長ニ任ス
第九十六条第一項第三号ニ該当スル者ヲ三等看護長ニ任スルニハ師団軍医部長其ノ都度事由ヲ悉シテ師団長ヲ経テ陸軍省医務局長ニ上申シ其ノ認可ヲ受クヘシ
第百五条 計手ノ補充ハ左ニ掲クル者ヲ以テス
一 入営後一箇年以上現役ニ服シタル歩、騎、砲、工、輜重兵科ノ上等兵ニシテ計手ヲ志願シ計手ニ必要ナル学術ヲ習得シタル者
二 計手適任証書ヲ有スル上等兵ニシテ帰休ヲ命セラレタル者ニ在リテハ退営後、現役期限満ツル迄在営シテ予備役ニ入リタル者ニ在リテハ現役満期後二箇年以内ニ於テ現役計手ヲ志願スル者
三 予備役後備役二三等計手ニシテ現役満期後二箇年以内ニ於テ現役ヲ志願スル者
計手ノ補充ハ師管内近衛師団ニ在リテハ師団内、台湾ニ在リテハ所轄内ニ於テスルヲ例トス
第百六条中「部下」ノ下「下士」ヲ削リ「経理部下士」ヲ「計手」ニ改ム
第百八条 師団経理部長ハ前条通学者ニ概ネ二箇月間計手ニ必要ノ学術及実務ヲ修得セシメタル後試験ヲ施行シ其ノ成績ヲ審査シ順序ヲ附シタル下士候補名簿ヲ製シ師団長ヲ経テ之ヲ陸軍省経理局長ニ進達シ其ノ認可ヲ受ケ師管内近衛師団ニ在リテハ師団内、台湾ニ在リテハ所轄内各部隊計手ノ闕員ニ応シ候補名簿ノ順序ニ依リ三等計手ニ任ス
計手候補者ハ計手ニ任用前計手勤務ニ服セシムルコトヲ得
計手候補者計手ニ任用前予備役又ハ後備役ニ入ルトキハ師団経理部長之ニ計手適任証書ヲ付与ス
第百九条中「三等計手ニ任シ第三号ニ該当スル者ハ下士ニ在リテハ現官等相当ノ経理部下士ニ上等兵ニ在リテハ」ヲ削リ「経理部下士」ヲ「計手」ニ改ム
第百九条ノ二中「乃至第四号」ヲ「及第三号」ニ、「下士」及「経理部下士」ヲ「計手」ニ改ム
第百九条ノ三 縫、靴工長ノ補充ハ左ニ掲クル者ヲ以テス
一 上等縫、靴工卒ニシテ入営後二箇年以上現役ニ服シ当該工長トシテ再服役ヲ志願シ縫、靴工長ニ必要ナル学術ヲ習得シタル者
二 縫、靴工長適任証書ヲ有スル上等縫、靴工卒ニシテ帰休ヲ命セラレタル者ニ在リテハ退営後、現役期限満ツル迄在営シテ予備役ニ入リタル者ニ在リテハ現役満期後二箇年以内ニ於テ現役縫、靴工長ヲ志願スル者
三 予備役後備役縫、靴工長ニシテ現役満期後二箇年以内ニ於テ現役ヲ志願スル者
第百九条ノ四 被服本廠長ハ毎年十一月上等縫、靴工卒中当該工長適任者ヲ選抜シ各別ニ順序ヲ定メタル下士候補名簿ヲ製シ之ヲ陸軍省経理局長ニ進達シ其ノ認可ヲ受クヘシ
第百九条ノ五 師団経理部長ハ師管内近衛師団ニ在リテハ師団内、台湾ニ在リテハ所轄内各部隊ニ於ケル縫、靴工長ニ、被服本廠長ハ被服廠ニ於ケル縫、靴工長ニ闕員ヲ生シタルトキハ其ノ補充ヲ陸軍省経理局長ニ請求スヘシ
第百九条ノ六 陸軍省経理局長ハ前条ノ請求アリタルトキハ之ヲ被服本廠長ニ通知シ下士候補名簿ノ順序ニ依リ同廠長ヲシテ当該三等工長ニ任シ各部隊ニ配賦セシムヘシ
第百九条ノ七 縫、靴工長候補者ニシテ工長任用前予備役又ハ後備役ニ入ルトキハ被服本廠長之ニ当該工長適任証書ヲ付与ス
第百九条ノ八 第百九条ノ三第二号及第三号ニ該当スル者ヲ当該工長ニ採用スルニハ被服本廠長之ヲ審査シ階級毎ニ順序ヲ定メタル縫工長採用名簿及靴工長採用名簿ヲ製シ之ヲ陸軍省経理局長ニ進達シ其ノ認可ヲ受ケ所要ニ応シ該名簿ノ順序ニ依リ当該現役縫、靴工長ニ採用ス但シ第二号ニ該当スル者ハ当該現役三等縫、靴工長ニ任ス
第百十五条第五号中「十二年」ヲ「十七年」ニ改ム
第百十七条乃至第百二十条中「看護手」ヲ「上等看護卒」ニ改ム
第百十九条第四号中「十二箇年」ヲ「十七箇年」ニ改ム
第百二十一条 予備役計手ノ補充ハ左ニ掲クル者ヲ以テス
一 予備役上等兵中計手適任証書ヲ所持スル者
二 計手中服役七年四箇月ニ満タスシテ現役ヲ退キ予備役ニ入リタル者
第百二十二条 後備役計手ノ補充ハ左ニ掲クル者ヲ以テス
一 後備役上等兵中計手適任証書ヲ所持スル者
二 予備役計手ヨリ後備役ニ入リタル者
三 計手中服役七年四箇月以上十七年四箇月ニ満タスシテ現役ヲ退キ後備役ニ入リタル者
第百二十二条ノ二中「下士上等兵」ヲ「上等兵」ニ、「経理部下士」ヲ「計手」ニ改メ「一名ヲ」ノ下ニ「帰休又ハ」ヲ加フ
第百二十三条中「下士上等兵」ヲ「上等兵」ニ、「経理部下士」ヲ「計手」ニ改メ「現官等相当ノ経理部下士若ハ」ヲ削ル
第百二十三条ノ二 予備役縫、靴工長ノ補充ハ左ニ掲クル者ヲ以テス
一 予備役上等縫、靴工卒中当該工長適任証書ヲ所持スル者
二 縫、靴工長中服役七年四箇月ニ満タスシテ現役ヲ退キ予備役ニ入リタル者
第百二十三条ノ三 後備役縫、靴工長ノ補充ハ左ニ掲クル者ヲ以テス
一 後備役上等縫、靴工卒中当該工長適任証書ヲ所持スル者
二 予備役縫、靴工長ヨリ後備役ニ入リタル者
三 縫、靴工長中服役七年四箇月以上十七年四箇月ニ満タスシテ現役ヲ退キ後備役ニ入リタル者
第百二十三条ノ四 第百二十三条ノ二第一号及第百二十三条ノ三第一号ニ該当スル者ヲ縫、靴工長ニ任スルニハ戦時又ハ事変ニ際シ当該工長ノ闕員ニ応シ陸軍省経理局長ノ認可ヲ受ケ被服本廠長之ヲ当該三等工長ニ任ス
第七章 現役看護卒ノ補充
第百四十一条 現役看護卒ノ補充ハ左ニ掲クル者ヲ以テス
一 隊附現役上等看護卒ハ歩、騎、砲、工、輜重兵科ノ初年兵ニシテ概ネ四箇月間軍事教育ヲ受ケタル後概ネ八箇月間看護学ヲ修メタル者
対馬警備隊ニ在リテハ軍事教育及看護学修業期限ハ各之ヲ半減ス
二 病院附ノ現役二等看護卒ハ其ノ地所在ノ歩兵連隊歩兵連隊ナキ地ニ在リテハ他ノ軍隊ノ初年兵ニシテ概ネ四箇月間軍事教育ヲ受ケタル者
第百四十二条 師団軍医部長ハ病院所要ノ看護卒中磨工勤務ニ服セシムヘキ人員ヲ調査シテ師団長ニ報告シ師団長ハ之ヲ各隊ニ配賦ス
連隊長ハ前項ノ人員及之ヲ除キタル病院附看護卒ノ要員並其ノ隊所要ノ上等看護卒ノ人員ヲ中隊ニ配賦スヘシ
第百四十三条 前条第二項ノ配賦ヲ受ケタル中隊長ハ部下兵卒中篤実温厚文筆アリテ看護卒ニ適当ノ者磨工ノ要員ハ成ルヘク研磨術鍛冶術ノ心得アル者ヲ選ミ隊附上等看護卒及病院附ノ二等看護卒ノ要員ニ分チタル名簿ヲ製シ順序ヲ経テ連隊長ニ進達スヘシ
第百四十四条 連隊長ハ前条ノ名簿ニ依リ要員ヲ定メ隊附ノ上等看護卒ノ要員ニ在リテハ之ニ看護学修業兵ヲ命シテ其ノ地ノ衛戍病院ニ通学又ハ入学セシメ病院附ノ看護卒ノ要員ニ在リテハ之ニ二等看護卒ヲ命シテ衛戍病院ニ編入スヘシ但シ厳原衛戍病院ノ要員ニ在リテハ対馬重砲兵大隊ノ者ヲ編入スルモノトス
第百四十五条及第百五十六条第三号中「看護手」ヲ「上等看護卒」ニ改ム
第百五十七条第一項中「経理部下士」ヲ「計手」ニ、「下士上等兵」ヲ「上等兵」ニ改ム
第百六十九条中「台湾守備隊」ノ上ニ「満洲並韓国ニ駐箚スル部隊独立守備大隊ヲ除ク」ヲ加ヘ「要塞砲兵」ヲ「重砲兵」ニ改ム
第百六十九条ノ二中「看護手」ヲ「上等看護卒」ニ改ム
附 則
本令ハ公布ノ日ヨリ之ヲ施行ス
本令施行前付与シタル経理部下士適任証書ハ之ヲ計手適任証書ト看做ス
当分ノ内各兵科予備役後備役下士ニシテ経理部下士適任証書ヲ有スル者ハ同役同官等ノ計手ニ任スルコトヲ得其ノ取扱手続ハ第百二十三条ノ規定ニ依ル
当分ノ内現役縫、靴工長及縫、靴工ノ勤務ニ服スル兵卒中再服役ヲ志願シ適任ト認ムル者ニハ陸軍被服廠ニ於テ更ニ必要ノ学術ヲ修習セシメ之ヲ当該三等工長ニ任スルコトヲ得
当分ノ内縫、靴工長ノ勤務ニ服スル上等兵中当該工長適任ノ者ハ連隊長其ノ人名及列序ヲ師団経理部長ニ移牒シ経理部長ハ帰休又ハ現役満期ノ際之ニ当該工長適任証書ヲ付与スヘシ
前項上等兵ハ戦時又ハ事変ニ際シ縫、靴工長ノ闕員ニ応シ師団経理部長又ハ之ト同等以上ノ権アル経理部長ハ師団長又ハ之ト同等以上ノ権アル長官ノ認可ヲ受ケ之ヲ当該三等工長ニ任ス
当分ノ内予備役後備役下士タル縫、靴工長中志願ノ者ハ之ヲ各部隊縫、靴工長ノ要員ニ充ツルコトヲ得其ノ身分取扱ハ召集中ノ者ニ同シ