本法案は貯蓄奨励を目的とし、特に細民の貯蓄を促進するために提案された。既存の郵便貯金や貯蓄銀行に加え、臨時軍事費として支出された資金を早期に吸収し、紙幣発行の増加を抑制する必要性から考案された。従来の日本勧業銀行の勧業債券は20円以上であり、細民には高額すぎたため、5円の貯蓄勧業債券を新設する。この債券は大蔵省預金部で管理され、郵便貯金同様の安全性を確保する。年利4%の低利率に設定し、一般銀行への影響を最小限に抑える。また、利札付とすることで紙幣との区別を明確にした。これは時局に対応した臨時的措置であり、下層社会に散布された軍事費を効率的に吸収することを意図している。
参照した発言:
第20回帝国議会 衆議院 貯蓄勧業債券法案委員会 第1号