涜職法
法令番号: 法律第37号
公布年月日: 明治34年4月13日
法令の形式: 法律

提案理由 (AIによる要約)

現行刑法を全面的に改正する必要性や歴史的・実際的・統計的な理由が示されていないにもかかわらず、法典調査会の総会議や刑法部会の審議も経ずに、起草委員の数名のみで修正・校訂し、議会開会後の短期間で突如として提出された。また、草案を公開して世論の検討を仰ぐこともなく、施行期限や施行法も定めないまま、混乱に紛れて通過を図ろうとする立法手続きは不適切である。諸外国の立法例でも法典改正には長期の検討期間を要しており、このような拙速な改正は許されない。

参照した発言:
第15回帝国議会 衆議院 本会議 第14号

審議経過

第15回帝国議会

衆議院
(明治34年3月18日)
(明治34年3月19日)
(明治34年3月22日)
貴族院
(明治34年3月23日)
朕帝國議會ノ協贊ヲ經タル瀆職法ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
明治三十四年四月十二日
內閣總理大臣 侯爵 伊藤博文
海軍大臣 山本權兵衞
大藏大臣 子爵 渡邊國武
陸軍大臣 男爵 兒玉源太郞
外務大臣 加藤高明
司法大臣 男爵 金子堅太郞
內務大臣 文學博士 男爵 末松謙澄
文部大臣 松田正久
農商務大臣 林有造
遞信大臣 原敬
法律第三十七號
瀆職法
第一條 法令ニ依リ選擧又ハ任用シタル議員、會員、委員又ハ總代其ノ職務ニ關シ賄賂ヲ收受シ又ハ之ヲ聽許若ハ要求シタル者ハ一月以上一年以下ノ重禁錮ニ處シ四圓以上四十圓以下ノ罰金ヲ附加ス
賄賂ヲ贈與、提供又ハ約束シタル者亦同シ
第二條 前條ニ記載シタル賄賂已ニ收受シタル者ハ之ヲ沒收シ費用シタル者ハ其ノ價ヲ追徵ス
朕帝国議会ノ協賛ヲ経タル涜職法ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
明治三十四年四月十二日
内閣総理大臣 侯爵 伊藤博文
海軍大臣 山本権兵衛
大蔵大臣 子爵 渡辺国武
陸軍大臣 男爵 児玉源太郎
外務大臣 加藤高明
司法大臣 男爵 金子堅太郎
内務大臣 文学博士 男爵 末松謙澄
文部大臣 松田正久
農商務大臣 林有造
逓信大臣 原敬
法律第三十七号
涜職法
第一条 法令ニ依リ選挙又ハ任用シタル議員、会員、委員又ハ総代其ノ職務ニ関シ賄賂ヲ収受シ又ハ之ヲ聴許若ハ要求シタル者ハ一月以上一年以下ノ重禁錮ニ処シ四円以上四十円以下ノ罰金ヲ附加ス
賄賂ヲ贈与、提供又ハ約束シタル者亦同シ
第二条 前条ニ記載シタル賄賂已ニ収受シタル者ハ之ヲ没収シ費用シタル者ハ其ノ価ヲ追徴ス