(民法中改正法律)
法令番号: 法律第36号
公布年月日: 明治34年4月13日
法令の形式: 法律

改正対象法令

提案理由 (AIによる要約)

現行民法第743条末項の規定により生じる不都合を是正するためのものである。現行法では、分家する者の卑属(子女など)が戸籍を分ける際に、親権者や後見人の同意が必要とされており、さらに15歳以上でなければならないとの解釈が生じている。これにより、分家者の卑属が一時に分家に従うことができず、分家後に子女ができた場合、本家に残った子女は相続権を失うなどの不都合が生じている。日本の古来の慣習では、分家する者の直系卑属は分家に従うのが通例であった。この法律改正は、そうした旧慣に則り、分家制度を適切に保護することを目的としている。

参照した発言:
第16回帝国議会 衆議院 国有森林原野入会に関する法律案、民法中改正法律案、不動産登記法中改正法律案、登録税法中改正法律案委員会 第2号

審議経過

第15回帝国議会

衆議院
(明治34年2月21日)
(明治34年3月18日)
貴族院
(明治34年3月20日)
(明治34年3月23日)
衆議院
朕帝國議會ノ協贊ヲ經タル民法中改正法律ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
明治三十四年四月十二日
內閣總理大臣 侯爵 伊藤博文
海軍大臣 山本權兵衞
大藏大臣 子爵 渡邊國武
陸軍大臣 男爵 兒玉源太郞
外務大臣 加藤高明
司法大臣 男爵 金子堅太郞
內務大臣 文學博士 男爵 末松謙澄
文部大臣 松田正久
農商務大臣 林有造
遞信大臣 原敬
法律第三十六號
民法中左ノ通改正ス
民法第三百七十四條ニ左ノ一項ヲ加フ
前項ノ規定ハ抵當權者カ債務ノ不履行ニ因リテ生シタル損害ノ賠償ヲ請求スル權利ヲ有スル場合ニ於テ其最後ノ二年分ニ付テモ亦之ヲ適用ス但利息其他ノ定期金ト通シテ二年分ヲ超ユルコトヲ得ス
朕帝国議会ノ協賛ヲ経タル民法中改正法律ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
明治三十四年四月十二日
内閣総理大臣 侯爵 伊藤博文
海軍大臣 山本権兵衛
大蔵大臣 子爵 渡辺国武
陸軍大臣 男爵 児玉源太郎
外務大臣 加藤高明
司法大臣 男爵 金子堅太郎
内務大臣 文学博士 男爵 末松謙澄
文部大臣 松田正久
農商務大臣 林有造
逓信大臣 原敬
法律第三十六号
民法中左ノ通改正ス
民法第三百七十四条ニ左ノ一項ヲ加フ
前項ノ規定ハ抵当権者カ債務ノ不履行ニ因リテ生シタル損害ノ賠償ヲ請求スル権利ヲ有スル場合ニ於テ其最後ノ二年分ニ付テモ亦之ヲ適用ス但利息其他ノ定期金ト通シテ二年分ヲ超ユルコトヲ得ス