現行民法第743条末項の規定により生じる不都合を是正するためのものである。現行法では、分家する者の卑属(子女など)が戸籍を分ける際に、親権者や後見人の同意が必要とされており、さらに15歳以上でなければならないとの解釈が生じている。これにより、分家者の卑属が一時に分家に従うことができず、分家後に子女ができた場合、本家に残った子女は相続権を失うなどの不都合が生じている。日本の古来の慣習では、分家する者の直系卑属は分家に従うのが通例であった。この法律改正は、そうした旧慣に則り、分家制度を適切に保護することを目的としている。
参照した発言:
第16回帝国議会 衆議院 国有森林原野入会に関する法律案、民法中改正法律案、不動産登記法中改正法律案、登録税法中改正法律案委員会 第2号