(陸軍武官進級令中改正追加ノ件)
法令番号: 勅令第四百三十八號
公布年月日: 明治32年11月28日
法令の形式: 勅令
朕陸軍武官進級令中改正ノ件ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
明治三十二年十一月二十七日
陸軍大臣 子爵 桂太郞
勅令第四百三十八號
陸軍武官進級令中左ノ通改正ス
第三條及第七條中「二等軍曹」ヲ「伍長」ニ「一等軍曹」ヲ「軍曹」ニ改ム
第十二條中「將校ノ拔擢進級候補ハ」ヲ「將校ノ拔擢進級候補及准士官ノ將校ニ進級スル候補ハ」ニ改ム
第十三條中「下士ノ進級候補ハ」ヲ「下士ノ准士官ニ進級シ及下士ノ進級スル候補ハ」ニ改ム
第十七條 將校相當官衞生部軍吏部軍樂部下士及諸工長ノ進級ハ將校及各兵科下士進級ノ例ニ依ル
第十七條ノ次ニ左ノ六條ヲ加フ
第十八條 曹長ノ特務曹長ニ進級スルハ入隊後八箇年以上服役シタル者ニ限ル
砲工兵曹長及砲兵一等諸工長ノ砲工兵上等工長ニ進級スルハ入隊後砲兵工長候補生徒ヨリ出身ノ者ニ在リテハ入校後八箇年以上服役シ實役停年二年ヲ超エタル者ニ限ル
前項砲工兵曹長ノ進級ニ付テハ其ノ服役年中砲兵工廠、兵器廠、築城部、砲工兵會議ニ於テ二箇年以上服務シタルコトヲ要ス
第十九條 一等樂手ノ樂長補ニ進級スルハ實役停年最下限ヲ二年トス
樂長補ノ樂長ニ進級スルハ實役停年五年ヲ超エ功勞顯著ナル者ニ限ル
第二十條 前二條ニ依リ進級スルハ皆拔擢トス
第二十一條 短期下士タル伍長ハ平時ニ在リテハ軍曹ニ進級セシムルコトナシ
第二十二條 第十八條ノ服役年ハ敎導團、要塞砲兵射擊學校出身者ニ在リテハ入團又ハ入校ノ日ヨリ起算ス
第二十三條 第十八條第一項ノ服役年ハ當分ノ內之ヲ六箇年ニ短縮スルコトヲ得
附 則
本令ハ明治三十二年十二月一日ヨリ之ヲ施行ス
明治三十二年十一月三十日現在ノ二等軍曹同相當官及諸工下長タル下士ハ本令施行ノ際直ニ軍曹同相當官及二等諸工長ニ任スルコトヲ得其ノ區分ハ陸軍大臣之ヲ定ム其ノ任官後曹長同相當官及一等諸工長ニ進級スル實役停年ハ一年六箇月トス
朕陸軍武官進級令中改正ノ件ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
明治三十二年十一月二十七日
陸軍大臣 子爵 桂太郎
勅令第四百三十八号
陸軍武官進級令中左ノ通改正ス
第三条及第七条中「二等軍曹」ヲ「伍長」ニ「一等軍曹」ヲ「軍曹」ニ改ム
第十二条中「将校ノ抜擢進級候補ハ」ヲ「将校ノ抜擢進級候補及准士官ノ将校ニ進級スル候補ハ」ニ改ム
第十三条中「下士ノ進級候補ハ」ヲ「下士ノ准士官ニ進級シ及下士ノ進級スル候補ハ」ニ改ム
第十七条 将校相当官衛生部軍吏部軍楽部下士及諸工長ノ進級ハ将校及各兵科下士進級ノ例ニ依ル
第十七条ノ次ニ左ノ六条ヲ加フ
第十八条 曹長ノ特務曹長ニ進級スルハ入隊後八箇年以上服役シタル者ニ限ル
砲工兵曹長及砲兵一等諸工長ノ砲工兵上等工長ニ進級スルハ入隊後砲兵工長候補生徒ヨリ出身ノ者ニ在リテハ入校後八箇年以上服役シ実役停年二年ヲ超エタル者ニ限ル
前項砲工兵曹長ノ進級ニ付テハ其ノ服役年中砲兵工廠、兵器廠、築城部、砲工兵会議ニ於テ二箇年以上服務シタルコトヲ要ス
第十九条 一等楽手ノ楽長補ニ進級スルハ実役停年最下限ヲ二年トス
楽長補ノ楽長ニ進級スルハ実役停年五年ヲ超エ功労顕著ナル者ニ限ル
第二十条 前二条ニ依リ進級スルハ皆抜擢トス
第二十一条 短期下士タル伍長ハ平時ニ在リテハ軍曹ニ進級セシムルコトナシ
第二十二条 第十八条ノ服役年ハ教導団、要塞砲兵射撃学校出身者ニ在リテハ入団又ハ入校ノ日ヨリ起算ス
第二十三条 第十八条第一項ノ服役年ハ当分ノ内之ヲ六箇年ニ短縮スルコトヲ得
附 則
本令ハ明治三十二年十二月一日ヨリ之ヲ施行ス
明治三十二年十一月三十日現在ノ二等軍曹同相当官及諸工下長タル下士ハ本令施行ノ際直ニ軍曹同相当官及二等諸工長ニ任スルコトヲ得其ノ区分ハ陸軍大臣之ヲ定ム其ノ任官後曹長同相当官及一等諸工長ニ進級スル実役停年ハ一年六箇月トス