(海軍軍人俸給令中改正加除ノ件)
法令番号: 勅令第三百九十二號
公布年月日: 明治32年9月30日
法令の形式: 勅令
朕海軍軍人俸給令中改正ノ件ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
明治三十二年九月二十九日
內閣總理大臣 侯爵 山縣有朋
海軍大臣 山本權兵衞
勅令第三百九十二號
海軍軍人俸給令中左ノ通改正ス
第十條 下士卒ニシテ左ノ各號ノ一ニ該ル者ニハ各其ノ有效期間一日六錢以內ノ加俸ヲ給ス但シ第三號及第六號ニ該ル者同技術ノ證書證狀ヲ併有スルトキハ多額ニ就キ之ヲ給ス
一 善行章ヲ有スル者
二 敎員ノ職ヲ奉スル者
三 軍樂敎員適任證書若ハ軍樂高等科卒業證書ヲ有スル者
四 信號適任證書ヲ有スル者
五 優等測手證狀若ハ優等射手證狀ヲ有スル者
六 勅命ヲ以テ定メタル特殊ノ技術證書若ハ證狀ヲ有スル者
前項ノ加俸細別ハ海軍大臣之ヲ定ム
第十七條 下士卒ニシテ入院若ハ陸地療養ヲ爲ス者及陸上勤務外宿中又ハ公務出張中傷痍ヲ受ケ若ハ疾病ニ罹リ一週日以上缺勤スル者ニハ其ノ間俸給十分ノ八ヲ給ス但シ其ノ原因公務ナルトキハ全額ヲ給シ自己ノ不攝生ナルトキハ十分ノ四ヲ給シ故意ナルトキハ十分ノ二ヲ給ス
外國出張中ニ在テハ前項故意ノ場合ヲ除ク外總テ俸給全額ヲ給ス
第十八條 下士卒ニシテ留置、收禁、處刑、處罰中若ハ被吿事件ノ爲護送中ハ其ノ間俸給十分ノ二ヲ給ス但シ被吿事件無罪若ハ免訴ニ歸シタルトキ及事件繫屬中死亡シタルトキハ其ノ不給額ヲ追給シ戴罪服務中ハ俸給全額ヲ給ス
第二十條 准士官以上候補生及下士卒ニシテ請願休暇、依願歸鄕、陸地療養若ハ入院其ノ他留置、收禁、處刑、處罰中若ハ被吿事件ノ爲護送中又ハ擅ニ職役ヲ離レ若ハ他方ニ赴キ歸著ノ期ニ後レタルトキハ其ノ間航海加俸ヲ停止ス
下士卒ニシテ入院若ハ陸地療養ヲ爲ス者及陸上勤務外宿中又ハ公務出張中傷痍ヲ受ケ若ハ疾病ニ罹リ一週日以上缺勤スル者ニシテ其ノ原因自己ノ不攝生若ハ故意ナルトキ及留置、收禁、處刑、處罰中若ハ被吿事件ノ爲護送中又ハ擅ニ職役ヲ離レ若ハ他方ニ赴キ歸著ノ期ニ後レタルトキハ其ノ間第十條ノ加俸ヲ停止ス
公務ニ原因シ傷痍ヲ受ケ若ハ疾病ニ罹リ又ハ外國出張中陸地療養若ハ入院スルトキ及准士官以上候補生ニシテ處罰中勤務ニ服スルトキ又ハ下士卒ニシテ戴罪服務中ハ前二項ノ例ヲ適用セス又被吿事件無罪若ハ免訴ニ歸シタルトキハ其ノ不給額ヲ追給ス
第四表中艦隊祕書ヲ艦隊副官ニ大將、中將、少將及相當官、大佐及相當官、中佐及相當官ノ各欄ヲ別表ノ如ク改メ少佐及相當官ノ欄中「艦隊航海長」大尉及相當官ノ欄中「艦隊司令長官ニ屬スル者」ヲ削リ大尉及相當官ノ欄中「艦長」ノ次ニ「副長」ヲ「水雷長」ノ次ニ「分隊長」ヲ加フ
同表末欄中第三項ヲ削リ左ノ二項ヲ加フ
本表ノ各職ニシテ定員表中ノ下級者ヲ以テ補シタルトキハ上級者ノ加俸額ヲ給ス
本表中ノ噸數ハ計畫噸數ヲ云フ
第六表末欄ニ左ノ如ク加フ
司令若ハ艇長ニシテ定員表中ノ下級者ヲ以テ補シタルトキハ上級者ノ加俸額ヲ給ス
附 則
本令ハ明治三十二年十月一日ヨリ施行ス
(別表)
大將
艦隊司令長官
二圓五十錢
一圓二十五錢
五圓
七圓五十錢
十圓
中將
艦隊司令長官
二圓二十錢
一圓十錢
四圓四十錢
六圓六十錢
八圓八十錢
艦隊司令官
二圓
一圓
四圓
六圓
八圓
少將
艦隊司令長官
艦隊司令官
艦隊參謀長
一圓八十錢
九十錢
三圓六十錢
五圓四十錢
七圓二十錢
大佐及相當官
艦隊參謀長
一圓七十錢
八十五錢
三圓四十錢
五圓十錢
六圓八十錢
艦長
一萬噸以上
七千噸以上
一圓五十錢
七十五錢
三圓
四圓五十錢
六圓
七千噸未滿
一圓二十錢
六十錢
二圓四十錢
三圓六十錢
四圓八十錢
艦隊航海長
艦隊機關長
艦隊軍醫長
艦隊主計長
一圓
五十錢
二圓
三圓
四圓
中佐及相當官
艦長
副長
機關長
一萬噸以上
七千噸以上
八十五錢
四十三錢
一圓七十錢
二圓五十五錢
三圓四十錢
七千噸未滿
六十五錢
三十三錢
一圓三十錢
一圓九十五錢
二圓六十錢
艦隊參謀
艦隊航海長
艦隊機關長
艦隊軍醫長
艦隊主計長
航海長
軍醫長
主計長
六十錢
三十錢
一圓二十錢
一圓八十錢
二圓四十錢
朕海軍軍人俸給令中改正ノ件ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
明治三十二年九月二十九日
内閣総理大臣 侯爵 山県有朋
海軍大臣 山本権兵衛
勅令第三百九十二号
海軍軍人俸給令中左ノ通改正ス
第十条 下士卒ニシテ左ノ各号ノ一ニ該ル者ニハ各其ノ有効期間一日六銭以内ノ加俸ヲ給ス但シ第三号及第六号ニ該ル者同技術ノ証書証状ヲ併有スルトキハ多額ニ就キ之ヲ給ス
一 善行章ヲ有スル者
二 教員ノ職ヲ奉スル者
三 軍楽教員適任証書若ハ軍楽高等科卒業証書ヲ有スル者
四 信号適任証書ヲ有スル者
五 優等測手証状若ハ優等射手証状ヲ有スル者
六 勅命ヲ以テ定メタル特殊ノ技術証書若ハ証状ヲ有スル者
前項ノ加俸細別ハ海軍大臣之ヲ定ム
第十七条 下士卒ニシテ入院若ハ陸地療養ヲ為ス者及陸上勤務外宿中又ハ公務出張中傷痍ヲ受ケ若ハ疾病ニ罹リ一週日以上欠勤スル者ニハ其ノ間俸給十分ノ八ヲ給ス但シ其ノ原因公務ナルトキハ全額ヲ給シ自己ノ不摂生ナルトキハ十分ノ四ヲ給シ故意ナルトキハ十分ノ二ヲ給ス
外国出張中ニ在テハ前項故意ノ場合ヲ除ク外総テ俸給全額ヲ給ス
第十八条 下士卒ニシテ留置、収禁、処刑、処罰中若ハ被告事件ノ為護送中ハ其ノ間俸給十分ノ二ヲ給ス但シ被告事件無罪若ハ免訴ニ帰シタルトキ及事件繋属中死亡シタルトキハ其ノ不給額ヲ追給シ戴罪服務中ハ俸給全額ヲ給ス
第二十条 准士官以上候補生及下士卒ニシテ請願休暇、依願帰郷、陸地療養若ハ入院其ノ他留置、収禁、処刑、処罰中若ハ被告事件ノ為護送中又ハ擅ニ職役ヲ離レ若ハ他方ニ赴キ帰著ノ期ニ後レタルトキハ其ノ間航海加俸ヲ停止ス
下士卒ニシテ入院若ハ陸地療養ヲ為ス者及陸上勤務外宿中又ハ公務出張中傷痍ヲ受ケ若ハ疾病ニ罹リ一週日以上欠勤スル者ニシテ其ノ原因自己ノ不摂生若ハ故意ナルトキ及留置、収禁、処刑、処罰中若ハ被告事件ノ為護送中又ハ擅ニ職役ヲ離レ若ハ他方ニ赴キ帰著ノ期ニ後レタルトキハ其ノ間第十条ノ加俸ヲ停止ス
公務ニ原因シ傷痍ヲ受ケ若ハ疾病ニ罹リ又ハ外国出張中陸地療養若ハ入院スルトキ及准士官以上候補生ニシテ処罰中勤務ニ服スルトキ又ハ下士卒ニシテ戴罪服務中ハ前二項ノ例ヲ適用セス又被告事件無罪若ハ免訴ニ帰シタルトキハ其ノ不給額ヲ追給ス
第四表中艦隊秘書ヲ艦隊副官ニ大将、中将、少将及相当官、大佐及相当官、中佐及相当官ノ各欄ヲ別表ノ如ク改メ少佐及相当官ノ欄中「艦隊航海長」大尉及相当官ノ欄中「艦隊司令長官ニ属スル者」ヲ削リ大尉及相当官ノ欄中「艦長」ノ次ニ「副長」ヲ「水雷長」ノ次ニ「分隊長」ヲ加フ
同表末欄中第三項ヲ削リ左ノ二項ヲ加フ
本表ノ各職ニシテ定員表中ノ下級者ヲ以テ補シタルトキハ上級者ノ加俸額ヲ給ス
本表中ノ噸数ハ計画噸数ヲ云フ
第六表末欄ニ左ノ如ク加フ
司令若ハ艇長ニシテ定員表中ノ下級者ヲ以テ補シタルトキハ上級者ノ加俸額ヲ給ス
附 則
本令ハ明治三十二年十月一日ヨリ施行ス
(別表)
大将
艦隊司令長官
二円五十銭
一円二十五銭
五円
七円五十銭
十円
中将
艦隊司令長官
二円二十銭
一円十銭
四円四十銭
六円六十銭
八円八十銭
艦隊司令官
二円
一円
四円
六円
八円
少将
艦隊司令長官
艦隊司令官
艦隊参謀長
一円八十銭
九十銭
三円六十銭
五円四十銭
七円二十銭
大佐及相当官
艦隊参謀長
一円七十銭
八十五銭
三円四十銭
五円十銭
六円八十銭
艦長
一万噸以上
七千噸以上
一円五十銭
七十五銭
三円
四円五十銭
六円
七千噸未満
一円二十銭
六十銭
二円四十銭
三円六十銭
四円八十銭
艦隊航海長
艦隊機関長
艦隊軍医長
艦隊主計長
一円
五十銭
二円
三円
四円
中佐及相当官
艦長
副長
機関長
一万噸以上
七千噸以上
八十五銭
四十三銭
一円七十銭
二円五十五銭
三円四十銭
七千噸未満
六十五銭
三十三銭
一円三十銭
一円九十五銭
二円六十銭
艦隊参謀
艦隊航海長
艦隊機関長
艦隊軍医長
艦隊主計長
航海長
軍医長
主計長
六十銭
三十銭
一円二十銭
一円八十銭
二円四十銭