家禄賞典禄処分法
法令番号: 法律第五十號
公布年月日: 明治30年11月1日
法令の形式: 法律
朕帝國議會ノ協贊ヲ經タル家祿賞典祿處分法ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
明治三十年十月二十九日
內閣總理大臣兼大藏大臣 伯爵 松方正義
法律第五十號
家祿賞典祿處分法
第一條 明治三年九月十日太政官布吿藩制施行以後家祿賞典祿ヲ有シタル者及其ノ家名承繼人ニシテ明治九年八月太政官第百八號布吿及同年十二月太政官第百五十二號布吿施行ノ際其ノ祿高ニ對スル全部ノ給與ヲ受ケサル者若ハ相當額ノ給與ニ不足アル者明治四年七月二十四日祿高ニ關スル太政官布吿ニ依リ調査シタル以後ノ祿高及其ノ調査以前ニ係ル藩制施行以後ノ祿高ニ錯誤アルトキハ本法施行ノ日ニ於テ其ノ本人又ハ其ノ家名承繼人ニ限リ其ノ給與未濟額ヲ明治九年八月太政官第百八號布吿第一條及同年十二月太政官第百五十二號布吿ノ率ニ據リ換算シ其ノ元金額ヲ祿高整理ノ爲發行スル公債證書ヲ以テ給與ス
但シ常事犯ノ爲沒祿若ハ減祿セラレタル者ハ此ノ限ニ在ラス
第二條 明治六年十二月太政官第四百二十五號布吿ニ據リ處分ヲ受ケタル者ニシテ其ノ祿高ニ對スル相當額ノ給與ニ不足アル者ハ其ノ本人及本法施行ノ日ニ於テ現ニ其ノ家名承繼人タル者ニ限リ其ノ給與未濟額ヲ明治六年十二月太政官第四百二十六號布吿第一條ノ率ニ據リ換算シ其ノ元金額ヲ祿高整理ノ爲發行スル公債證書ヲ以テ給與ス
第三條 第一條及第二條ノ祿高ヲ金額ニ換算スルハ明治八年九月太政官第百三十八號布吿ニ據リ取調ヘタル旣定ノ石代相場ニ據ル
第四條 第一條及第二條ノ給與ヲ受ケムトスル者ハ其ノ理由及證據ヲ具シ地方廳ヲ經由シテ大藏大臣ニ願出ツヘシ
但シ本法施行ノ日ヨリ一箇年以內ニ願出サルトキハ本法ノ給與ヲ受クルコトヲ得ス
附 則
第五條 此ノ法律ニ抵觸スル法律命令ハ此ノ法律施行ノ日ヨリ其ノ效力ヲ失フモノトス
朕帝国議会ノ協賛ヲ経タル家禄賞典禄処分法ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
明治三十年十月二十九日
内閣総理大臣兼大蔵大臣 伯爵 松方正義
法律第五十号
家禄賞典禄処分法
第一条 明治三年九月十日太政官布告藩制施行以後家禄賞典禄ヲ有シタル者及其ノ家名承継人ニシテ明治九年八月太政官第百八号布告及同年十二月太政官第百五十二号布告施行ノ際其ノ禄高ニ対スル全部ノ給与ヲ受ケサル者若ハ相当額ノ給与ニ不足アル者明治四年七月二十四日禄高ニ関スル太政官布告ニ依リ調査シタル以後ノ禄高及其ノ調査以前ニ係ル藩制施行以後ノ禄高ニ錯誤アルトキハ本法施行ノ日ニ於テ其ノ本人又ハ其ノ家名承継人ニ限リ其ノ給与未済額ヲ明治九年八月太政官第百八号布告第一条及同年十二月太政官第百五十二号布告ノ率ニ拠リ換算シ其ノ元金額ヲ禄高整理ノ為発行スル公債証書ヲ以テ給与ス
但シ常事犯ノ為没禄若ハ減禄セラレタル者ハ此ノ限ニ在ラス
第二条 明治六年十二月太政官第四百二十五号布告ニ拠リ処分ヲ受ケタル者ニシテ其ノ禄高ニ対スル相当額ノ給与ニ不足アル者ハ其ノ本人及本法施行ノ日ニ於テ現ニ其ノ家名承継人タル者ニ限リ其ノ給与未済額ヲ明治六年十二月太政官第四百二十六号布告第一条ノ率ニ拠リ換算シ其ノ元金額ヲ禄高整理ノ為発行スル公債証書ヲ以テ給与ス
第三条 第一条及第二条ノ禄高ヲ金額ニ換算スルハ明治八年九月太政官第百三十八号布告ニ拠リ取調ヘタル既定ノ石代相場ニ拠ル
第四条 第一条及第二条ノ給与ヲ受ケムトスル者ハ其ノ理由及証拠ヲ具シ地方庁ヲ経由シテ大蔵大臣ニ願出ツヘシ
但シ本法施行ノ日ヨリ一箇年以内ニ願出サルトキハ本法ノ給与ヲ受クルコトヲ得ス
附 則
第五条 此ノ法律ニ抵触スル法律命令ハ此ノ法律施行ノ日ヨリ其ノ効力ヲ失フモノトス