郡の廃置分合は、国家行政の機関を円滑に運転し、郡の自治を行うための重要な準備である。古代からの郡の区画は、武門政治の時代に行政上の実効性を失ったが、明治維新後は行政機関として、また自治団体としての役割を担うようになった。そのため、郡の境界を適切に定め直す必要が生じた。政府は地理、歴史、交通の便、面積、人口、租税などを考慮し、また現在の郡役所の位置も重視して調査を行った。この法案により全国の郡数は709から532に減少するが、これは府県制・郡制施行の前提となる重要な改革である。
参照した発言:
第9回帝国議会 衆議院 本会議 第28号