(徴兵事務条例中改正加除ノ件)
法令番号: 勅令第三十號
公布年月日: 明治28年4月1日
法令の形式: 勅令
朕樞密顧問ノ諮詢ヲ經テ徵兵事務條例中改正追加ノ件ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
明治二十八年三月二十九日
陸軍大臣 伯爵 山縣有朋
海軍大臣 伯爵 西鄕從道
內務大臣 子爵 野村靖
勅令第三十號
徵兵事務條例中左ノ通改正追加ス
第四條第一項中「徵集スルヲ例トシ不足スルトキハ同管內他ノ大隊區ヨリ補充ス」ノ二十八字ヲ削リ同條第四項ノ次ニ左ノ一項ヲ加フ
本條第一項第二項ニ依リ要員ヲ充タシ能ハサルトキハ他ノ大隊區若クハ他ノ師管ヨリ其ノ不足ヲ補充スルコトヲ得
第十一條中「第二十條」ヲ「第二十二條」ニ改ム
第十九條第二十一條及第二十二條中「新兵」ヲ「現役兵及補充兵」ニ改ム
第三十四條第一項中「現役ニ徵ス可キ」ヲ「タル」ニ改ム
第三十六條中「新兵徵募」ヲ「現役兵徵募及補充兵編入」ニ「新兵名簿豫備徵員」ヲ「現役兵名簿補充兵」ニ改ム
第三十八條第一項中「新兵」ヲ「現役兵」ニ「豫備徵員」ヲ「補充兵」ニ改メ「大隊區司令官」ノ下ニ「又ハ警備隊區司令官」ノ九字ヲ加フ同條第二項中「新兵」ヲ「現役兵」ニ改ム
第四十一條中「新兵徵募豫備徵員」ヲ「現役兵徵募補充兵」ニ改ム
第四十三條第一項中「第二十條」ヲ「第二十二條」ニ改ム
第七章ノ下「新兵」ヲ「現役兵及補充兵」ニ改ム
第四十七條第一項中「新兵」ヲ「現役兵」ニ改ム
第四十八條 現役兵入營ノトキハ先ツ大隊區司令部若クハ便宜ノ地ニ召集シ入營兵引率員之ヲ入營地ニ引率シ大隊區司令部所在ノ入營地ニ在テハ大隊區司令官ヨリ直ニ當該隊長ニ交付ス但入營兵五人未滿ナルトキハ直ニ入營地ニ單行セシム
近衞現役兵及海軍現役兵ハ其ノ集合地ニ引率シ入營兵受領員ニ交付スルモノトス但入營兵引率員出發後到著シタル者ハ直ニ入營地ニ單行セシム
第四十九條第一項中「新兵」ヲ「現役兵」ニ改ム
第五十條第一項中「新兵」ヲ「現役兵」ニ改メ「寄留地」以下三十字ヲ削リ同條第二項中「又ハ寄留地ニ於テ徵集ニ應ス可キ者ニシテ同條區域外ノ本籍ニ復歸シ」ノ三十一字ヲ削ル
第五十一條 現役兵入營前死亡シ若クハ疾病犯罪其ノ他ノ事故ニ由リ十二月三十一日迄ニ入營シ難シト認メタル者又ハ入營ノ後翌年一月三十一日前ニ死亡シタル者若クハ常備後備ノ服役及永久服役ニ堪ヘ難キ者アルトキハ其ノ徵募區ヨリ同兵種ノ第一補充兵若クハ海軍補充兵ヲ抽籤番號ノ順序ニ從ヒ召集シ若シ其ノ徵募區ヨリ召集スルコト能ハサルトキハ大隊區內他ノ徵募區ヨリ補フ其ノ配賦ハ各徵募區補充兵ノ總數ヲ率トシ比例ヲ以テ之ヲ定ム
第五十二條中「新兵」ヲ「現役兵」ニ改ム
第五十三條第一項中「新兵」ヲ「現役兵」ニ「第二十條」ヲ「第二十二條」ニ改メ同條第二項中「新兵」ヲ「其ノ年徵集ニ應ス可キ現役兵」ニ改ム
第五十四條第一項中「新兵入營前」ヲ「現役兵入營前及補充兵補充兵證書附與後其ノ年十一月三十日以前ノ者モ含有ス以下皆同シ」ニ改メ同條第二項ヲ削リ同條第三項中「轉籍若クハ復歸」ヲ「其ノ轉籍」ニ改ム
第五十五條第一項中「新兵入營前」ヲ「現役兵入營前及補充兵」ニ「徵集」ヲ「召集」ニ改メ同條第三項中「徵集」ヲ「召集」ニ改ム
第五十五條ノ次ニ左ノ一條ヲ加フ
第五十六條 第一補充兵及海軍補充兵ハ他ノ徵募區ニ轉籍スルモ現役兵補缺ノ爲メニハ舊徵募區ノ召集ニ應セシム
第八章總テ削除以下逐章繰上ク
第六十條ヲ第五十七條トシ以下第六十二條迄順次繰上ク
第六十條第一項中「第十條」ヲ「第十二條」ニ改ム
第六十二條第一項中「第二十條」ヲ「第二十二條」ニ「第二十一條」ヲ「第二十三條」ニ改ム
第六十二條ノ次ニ左ノ二條ヲ加フ
第六十條 徵兵令第二十三條第一項ノ事故止ミタル者ノ屆書及同條第二項ノ歸朝シタル者ノ屆書ハ町村長ヨリ其ノ年ノ壯丁名簿進達前ニ在テハ其ノ名簿ト共ニ、進達後ニ在テハ三日以內ニ大隊區徵兵官又ハ警備隊區徵兵官ニ差出ス可シ但市長ニ在テハ本文ノ屆書ヲ大隊區徵兵署開設ノトキ同署ニ提出ス可シ
第六十一條 他ノ徵募區ニ寄留シ其ノ地ニ於テ身體檢査ヲ受ケンコトヲ冀望スル者ハ三月一日迄ニ島司又ハ郡市長ニ願出可シ
島司又ハ郡長ニ差出ス願書ニハ本籍地町村長ノ奧書證印ヲ受ク可キモノトス
島司郡市長其ノ願ヲ許可シタルトキハ之ヲ本人寄留地ノ島司郡市長ニ通知ス可シ
本條ノ願出已ムヲ得サル事故ノ爲メ三月一日ヲ過クルモノハ島司郡市長ヨリ本人寄留地ノ島司郡市長ニ協議シ徵募上故障ナキモノニ限リ許可ス可シ
第六十三條ヲ削除シ第六十四條ヲ第六十二條トシ以下順次繰上ク
第六十六條中「新兵」ヲ「現役兵」ニ改ム
第六十七條第一項中「現役年期ヲ通シテ」ノ下ニ「陸軍ニ在テハ七箇年四箇月間海軍ニ在テハ」ノ十九字ヲ加ヘ同條第二項ノ次ニ左ノ一項ヲ加フ
陸軍現役兵ニシテ一時服役ニ堪ヘ難キ者軍隊第二期ノ敎育ヲ卒ラサル前ニ在テハ第一補充兵ニ編入シ現役年期ヲ通シテ七箇年四箇月間服役セシム
第六十八條第一項中「第二十條」ヲ「第二十二條」ニ「編入ス但」ヲ「編入シ」ニ改メ「現役年期ヲ通シテ」ノ下ニ「陸軍ニ在テハ七箇年四箇月間海軍ニ在テハ」ノ十九字ヲ加ヘ「服役セシム」ノ下ニ「但陸軍現役兵ニシテ軍隊第二期ノ敎育ヲ卒ラサル前ニ在テハ第一補充兵ニ編入シ現役年期ヲ通シテ七箇年四箇月間服役セシム」ノ五十六字ヲ加フ
第六十九條中「函館江差福山」ノ六字ヲ削ル
第七十條中「同令第二十六條後段ノ例ニ準シ」ノ十四字ヲ削リ「徵集ニ應ス」ヲ「身體檢査ヲ受ク」ニ改ム
附 則
現今ノ豫備徵員ハ從前ノ規程ニ依ル
朕枢密顧問ノ諮詢ヲ経テ徴兵事務条例中改正追加ノ件ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
明治二十八年三月二十九日
陸軍大臣 伯爵 山県有朋
海軍大臣 伯爵 西郷従道
内務大臣 子爵 野村靖
勅令第三十号
徴兵事務条例中左ノ通改正追加ス
第四条第一項中「徴集スルヲ例トシ不足スルトキハ同管内他ノ大隊区ヨリ補充ス」ノ二十八字ヲ削リ同条第四項ノ次ニ左ノ一項ヲ加フ
本条第一項第二項ニ依リ要員ヲ充タシ能ハサルトキハ他ノ大隊区若クハ他ノ師管ヨリ其ノ不足ヲ補充スルコトヲ得
第十一条中「第二十条」ヲ「第二十二条」ニ改ム
第十九条第二十一条及第二十二条中「新兵」ヲ「現役兵及補充兵」ニ改ム
第三十四条第一項中「現役ニ徴ス可キ」ヲ「タル」ニ改ム
第三十六条中「新兵徴募」ヲ「現役兵徴募及補充兵編入」ニ「新兵名簿予備徴員」ヲ「現役兵名簿補充兵」ニ改ム
第三十八条第一項中「新兵」ヲ「現役兵」ニ「予備徴員」ヲ「補充兵」ニ改メ「大隊区司令官」ノ下ニ「又ハ警備隊区司令官」ノ九字ヲ加フ同条第二項中「新兵」ヲ「現役兵」ニ改ム
第四十一条中「新兵徴募予備徴員」ヲ「現役兵徴募補充兵」ニ改ム
第四十三条第一項中「第二十条」ヲ「第二十二条」ニ改ム
第七章ノ下「新兵」ヲ「現役兵及補充兵」ニ改ム
第四十七条第一項中「新兵」ヲ「現役兵」ニ改ム
第四十八条 現役兵入営ノトキハ先ツ大隊区司令部若クハ便宜ノ地ニ召集シ入営兵引率員之ヲ入営地ニ引率シ大隊区司令部所在ノ入営地ニ在テハ大隊区司令官ヨリ直ニ当該隊長ニ交付ス但入営兵五人未満ナルトキハ直ニ入営地ニ単行セシム
近衛現役兵及海軍現役兵ハ其ノ集合地ニ引率シ入営兵受領員ニ交付スルモノトス但入営兵引率員出発後到著シタル者ハ直ニ入営地ニ単行セシム
第四十九条第一項中「新兵」ヲ「現役兵」ニ改ム
第五十条第一項中「新兵」ヲ「現役兵」ニ改メ「寄留地」以下三十字ヲ削リ同条第二項中「又ハ寄留地ニ於テ徴集ニ応ス可キ者ニシテ同条区域外ノ本籍ニ復帰シ」ノ三十一字ヲ削ル
第五十一条 現役兵入営前死亡シ若クハ疾病犯罪其ノ他ノ事故ニ由リ十二月三十一日迄ニ入営シ難シト認メタル者又ハ入営ノ後翌年一月三十一日前ニ死亡シタル者若クハ常備後備ノ服役及永久服役ニ堪ヘ難キ者アルトキハ其ノ徴募区ヨリ同兵種ノ第一補充兵若クハ海軍補充兵ヲ抽籤番号ノ順序ニ従ヒ召集シ若シ其ノ徴募区ヨリ召集スルコト能ハサルトキハ大隊区内他ノ徴募区ヨリ補フ其ノ配賦ハ各徴募区補充兵ノ総数ヲ率トシ比例ヲ以テ之ヲ定ム
第五十二条中「新兵」ヲ「現役兵」ニ改ム
第五十三条第一項中「新兵」ヲ「現役兵」ニ「第二十条」ヲ「第二十二条」ニ改メ同条第二項中「新兵」ヲ「其ノ年徴集ニ応ス可キ現役兵」ニ改ム
第五十四条第一項中「新兵入営前」ヲ「現役兵入営前及補充兵補充兵証書附与後其ノ年十一月三十日以前ノ者モ含有ス以下皆同シ」ニ改メ同条第二項ヲ削リ同条第三項中「転籍若クハ復帰」ヲ「其ノ転籍」ニ改ム
第五十五条第一項中「新兵入営前」ヲ「現役兵入営前及補充兵」ニ「徴集」ヲ「召集」ニ改メ同条第三項中「徴集」ヲ「召集」ニ改ム
第五十五条ノ次ニ左ノ一条ヲ加フ
第五十六条 第一補充兵及海軍補充兵ハ他ノ徴募区ニ転籍スルモ現役兵補欠ノ為メニハ旧徴募区ノ召集ニ応セシム
第八章総テ削除以下逐章繰上ク
第六十条ヲ第五十七条トシ以下第六十二条迄順次繰上ク
第六十条第一項中「第十条」ヲ「第十二条」ニ改ム
第六十二条第一項中「第二十条」ヲ「第二十二条」ニ「第二十一条」ヲ「第二十三条」ニ改ム
第六十二条ノ次ニ左ノ二条ヲ加フ
第六十条 徴兵令第二十三条第一項ノ事故止ミタル者ノ届書及同条第二項ノ帰朝シタル者ノ届書ハ町村長ヨリ其ノ年ノ壮丁名簿進達前ニ在テハ其ノ名簿ト共ニ、進達後ニ在テハ三日以内ニ大隊区徴兵官又ハ警備隊区徴兵官ニ差出ス可シ但市長ニ在テハ本文ノ届書ヲ大隊区徴兵署開設ノトキ同署ニ提出ス可シ
第六十一条 他ノ徴募区ニ寄留シ其ノ地ニ於テ身体検査ヲ受ケンコトヲ冀望スル者ハ三月一日迄ニ島司又ハ郡市長ニ願出可シ
島司又ハ郡長ニ差出ス願書ニハ本籍地町村長ノ奥書証印ヲ受ク可キモノトス
島司郡市長其ノ願ヲ許可シタルトキハ之ヲ本人寄留地ノ島司郡市長ニ通知ス可シ
本条ノ願出已ムヲ得サル事故ノ為メ三月一日ヲ過クルモノハ島司郡市長ヨリ本人寄留地ノ島司郡市長ニ協議シ徴募上故障ナキモノニ限リ許可ス可シ
第六十三条ヲ削除シ第六十四条ヲ第六十二条トシ以下順次繰上ク
第六十六条中「新兵」ヲ「現役兵」ニ改ム
第六十七条第一項中「現役年期ヲ通シテ」ノ下ニ「陸軍ニ在テハ七箇年四箇月間海軍ニ在テハ」ノ十九字ヲ加ヘ同条第二項ノ次ニ左ノ一項ヲ加フ
陸軍現役兵ニシテ一時服役ニ堪ヘ難キ者軍隊第二期ノ教育ヲ卒ラサル前ニ在テハ第一補充兵ニ編入シ現役年期ヲ通シテ七箇年四箇月間服役セシム
第六十八条第一項中「第二十条」ヲ「第二十二条」ニ「編入ス但」ヲ「編入シ」ニ改メ「現役年期ヲ通シテ」ノ下ニ「陸軍ニ在テハ七箇年四箇月間海軍ニ在テハ」ノ十九字ヲ加ヘ「服役セシム」ノ下ニ「但陸軍現役兵ニシテ軍隊第二期ノ教育ヲ卒ラサル前ニ在テハ第一補充兵ニ編入シ現役年期ヲ通シテ七箇年四箇月間服役セシム」ノ五十六字ヲ加フ
第六十九条中「函館江差福山」ノ六字ヲ削ル
第七十条中「同令第二十六条後段ノ例ニ準シ」ノ十四字ヲ削リ「徴集ニ応ス」ヲ「身体検査ヲ受ク」ニ改ム
附 則
現今ノ予備徴員ハ従前ノ規程ニ依ル