近年、不正な者が法律の不備につけ込んで紙幣等を模造する事例が増加し、一般市民が被害を受けている。昨年、政府は紙幣模造取締法案を帝国議会に提出したが、不幸な事態により成立に至らなかった。その後も弊害は拡大し、公債証書の模造や朝鮮での模造紙幣使用など問題が深刻化している。経済圏の拡大に伴い、通貨の信用を損なう行為は未然に防ぐ必要があるため、本法案の制定は急務である。なお、本案は昨年の法案を一部修正したものだが、基本的な内容は同じである。
参照した発言:
第8回帝国議会 貴族院 本会議 第29号