私設鉄道株式会社ニ関スル法律
法令番号: 法律第4号
公布年月日: 明治28年2月26日
法令の形式: 法律

提案理由 (AIによる要約)

商法の規定では、株式会社は株券の4分の1の払込を待って登記し、事業開始が可能となるが、この規定は全ての商事会社に適用される一般規定である。しかし鉄道事業のような大資本を要する事業では、資本の大部分を遊ばせることになり、事業の発達を妨げる。そこで、商法の一般規定から除外する単行法を提案する。ただし会社の健全性を保つため、未だ安定していない会社の株券売買を制限するなど、商法の精神に基づいた弊害防止策も盛り込んでいる。これにより鉄道事業の速やかな発展を期待する。

参照した発言:
第8回帝国議会 衆議院 本会議 第8号

審議経過

第8回帝国議会

衆議院
(明治28年1月15日)
(明治28年1月22日)
貴族院
(明治28年1月26日)
(明治28年2月4日)
朕帝國議會ノ協贊ヲ經タル私設鐵道株式會社ニ關スル法律ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
明治二十八年二月二十一日
內閣總理大臣 伯爵 伊藤博文
遞信大臣 伯爵 黑田淸隆
司法大臣 芳川顯正
法律第四號
私設鐵道株式會社ニ關スル法律
第一條 私設鐵道株式會社ハ各株式ニ付十分一以上ノ拂込ヲ爲シタルトキハ其ノ登記ヲ受クルコトヲ得
第二條 前條ニ依リ登記ヲ受ケタル後ト雖四分一拂込前ノ株式ノ讓渡ハ無效タリ
第三條 私設鐵道株式會社ハ其ノ資本金十分一未滿ニ減シタルトキハ解散ス
但シ其ノ拂込金額四分一以上ニ及ヒタルモノハ商法第二百三十條第四ニ據ル
附 則
此ノ法律ハ發布ノ日ヨリ施行ス
朕帝国議会ノ協賛ヲ経タル私設鉄道株式会社ニ関スル法律ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
明治二十八年二月二十一日
内閣総理大臣 伯爵 伊藤博文
逓信大臣 伯爵 黒田清隆
司法大臣 芳川顕正
法律第四号
私設鉄道株式会社ニ関スル法律
第一条 私設鉄道株式会社ハ各株式ニ付十分一以上ノ払込ヲ為シタルトキハ其ノ登記ヲ受クルコトヲ得
第二条 前条ニ依リ登記ヲ受ケタル後ト雖四分一払込前ノ株式ノ譲渡ハ無効タリ
第三条 私設鉄道株式会社ハ其ノ資本金十分一未満ニ減シタルトキハ解散ス
但シ其ノ払込金額四分一以上ニ及ヒタルモノハ商法第二百三十条第四ニ拠ル
附 則
此ノ法律ハ発布ノ日ヨリ施行ス