(予定鉄道線路中私設鉄道会社ニ敷設許可ノ件ニ関スル法律)
法令番号: 法律第14号
公布年月日: 明治27年6月12日
法令の形式: 法律

提案理由 (AIによる要約)

伊那線と西筑摩線(木曽線)の2つのルートを比較検討した結果、伊那線はアプト式区間を避けるために5マイル以上の長大トンネルが必要となり、42分の1の勾配も伴うため工事が困難である。また、工費も西筑摩線より約800万円多くかかることが判明した。伊那線ルートは人口も少なく、鉄道運輸上の見込みも薄い。三河国経由では連山が続き、トンネルが連続するため工費が高くなる。一方、西筑摩線は諏訪から塩尻へ出るルートで距離も大差なく、工費も少なくて済む。そのため、伊那地方の重要性は認識しつつも、やむを得ず西筑摩線を採用することとした。

参照した発言:
第6回帝国議会 衆議院 鉄道比較線路決定に関する法律案外七件委員会 第1号

審議経過

第6回帝国議会

衆議院
(明治27年5月17日)
(明治27年5月24日)
(明治27年5月25日)
貴族院
(明治27年5月26日)
(明治27年5月29日)
朕帝國議會ノ協贊ヲ經タル豫定鐵道線路中私設鐵道會社ニ敷設許可ノ件ニ關スル法律ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
明治二十七年六月十一日
內閣總理大臣 伯爵 伊藤博文
遞信大臣 伯爵 黑田淸隆
陸軍大臣 伯爵 大山巖
大藏大臣 渡邊國武
法律第十四號
明治二十五年法律第四號鐵道敷設法豫定鐵道線路中左ノ線路ハ私設鐵道會社ニ其ノ敷設ヲ許可スルコトヲ得
一 東京府下上野ヨリ千葉縣下千葉佐倉ヲ經テ銚子ニ至ル鐵道線ヨリ分岐シテ木更津ニ至ル鐵道線中千葉縣下千葉ヨリ曾我町ニ至ル鐵道
一 福岡縣下久留米ヨリ山鹿ヲ經テ熊本縣下熊本ニ至ル鐵道線中熊本縣下山鹿ヨリ植木ニ至ル鐵道
政府ハ前項ノ許可ヲ與フル場合ニ於テ本線路ノ全部ヲ敷設スルノ必要ヲ認ムルニ當リ其ノ會社ニ於テ之カ敷設ヲ爲サヽルトキハ其ノ建設費實費ヲ以テ前項ノ鐵道ヲ政府ニ買收シ又ハ之ヲ他ノ會社ニ賣渡サシムル爲相當ノ條件ヲ附スヘシ
朕帝国議会ノ協賛ヲ経タル予定鉄道線路中私設鉄道会社ニ敷設許可ノ件ニ関スル法律ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
明治二十七年六月十一日
内閣総理大臣 伯爵 伊藤博文
逓信大臣 伯爵 黒田清隆
陸軍大臣 伯爵 大山巌
大蔵大臣 渡辺国武
法律第十四号
明治二十五年法律第四号鉄道敷設法予定鉄道線路中左ノ線路ハ私設鉄道会社ニ其ノ敷設ヲ許可スルコトヲ得
一 東京府下上野ヨリ千葉県下千葉佐倉ヲ経テ銚子ニ至ル鉄道線ヨリ分岐シテ木更津ニ至ル鉄道線中千葉県下千葉ヨリ曽我町ニ至ル鉄道
一 福岡県下久留米ヨリ山鹿ヲ経テ熊本県下熊本ニ至ル鉄道線中熊本県下山鹿ヨリ植木ニ至ル鉄道
政府ハ前項ノ許可ヲ与フル場合ニ於テ本線路ノ全部ヲ敷設スルノ必要ヲ認ムルニ当リ其ノ会社ニ於テ之カ敷設ヲ為サヽルトキハ其ノ建設費実費ヲ以テ前項ノ鉄道ヲ政府ニ買収シ又ハ之ヲ他ノ会社ニ売渡サシムル為相当ノ条件ヲ附スヘシ