集会及政社法
法令番号: 法律第十四號
公布年月日: 明治26年4月14日
法令の形式: 法律
朕帝國議會ノ協贊ヲ經タル集會及政社法ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
明治二十六年四月十三日
內閣總理大臣 伯爵 伊藤博文
內務大臣 伯爵 井上馨
法律第十四號
集會及政社法
第一條 此ノ法律ニ於テ政談集會ト稱フルハ何等ノ名義ヲ以テスルニ拘ラス政治ニ關ル事項ヲ講談論議スル爲公衆ヲ會同スルモノヲ謂フ政社ト稱フルハ何等ノ名義ヲ以テスルニ拘ラス政治ニ關ル事項ヲ目的トシテ團體ヲ組成スルモノヲ謂フ
第二條 政談集會ニハ發起人ヲ定ムヘシ
政談集會ヲ開クトキハ發起人ヨリ開會二十四時間以前ニ會場所在地ノ管轄警察官署ニ屆出ヘシ
政談集會ノ屆出ニハ左ノ事項ヲ記載シ發起人署名捺印スヘシ
一 集會ノ場所
二 集會ノ年月日時
三 發起人ノ氏名、住所
四 講談論議者ノ氏名
前項ノ屆出アリタルトキハ警察官署ハ直ニ其ノ領收證ヲ交付スヘシ
屆書ニ記載シタル時刻ヨリ三時間ヲ過キテ開會セス若ハ三時間以上中斷スルトキハ屆出ノ效ヲ失フモノトス
法律ヲ以テ組織シタル議會ノ議員選擧準備ノ爲ニ選擧權ヲ行フヘキ者及被選擧權ヲ有スル者ニ限リ會同スル所ノ集會ハ投票ノ日ヨリ前五十日間ハ第二項ノ屆出ヲ要セス
第三條 屋外ニ於テ公衆ヲ會同シ若ハ多衆運動セムトスルトキハ發起人ヨリ二十四時間以前ニ會同スヘキ場所、年月日時及其ノ通過スヘキ路線ヲ管轄警察官署ニ屆出テ認可ヲ受クヘシ但シ祭葬、講社、學生生徒ノ體育運動其ノ他慣例ノ許ス所ニ係ルモノハ此ノ限ニ在ラス
屋外ニ於テ政談集會ヲ開キ又ハ政治ニ關ル意思ヲ表スルノ目的ヲ以テ公衆ヲ會同スルハ堅固ナル屏障ヲ設ケ自由ノ交通ヲ遮斷シタル地域內ニ限ルモノトス
警察官署ハ安寧秩序ニ妨害アリト認ムルトキハ何等ノ場合ニ拘ラス屋外ノ集會又ハ多衆運動ヲ禁止スルコトヲ得
第四條 帝國議會開會ヨリ閉會ニ至ルノ間ハ議院ヲ距ル三里以內ニ於テ屋外ノ集會又ハ多衆運動ヲ爲スコトヲ得ス但シ第三條第一項ノ但書ハ本條ニ於テモ之ヲ適用ス
第五條 左ニ揭クル者ハ政談集會ノ發起人タルコトヲ得ス
一 日本臣民ニ非サル者
二 公權剝奪及停止中ノ者
第六條 左ニ揭クル者ハ政談集會ニ會同シ若ハ其ノ發起人タルコトヲ得ス
一 現役及召集中ノ豫備後備ノ陸海軍軍人
二 警察官
三 官立公立私立學校ノ敎員學生生徒
四 女子
五 未成年者
法律ヲ以テ組織シタル議會ノ議員選擧準備ノ爲ニ開ク所ノ集會ハ投票ノ日ヨリ前五十日間ハ選擧權ヲ行フヘキ者及被選擧權ヲ有スル者ニ限リ本條ノ制限ニ依ルヲ要セス
第七條 政談集會ニ於テハ日本臣民ニ非サル者ヲシテ講談論議者タラシムルコトヲ得ス
第八條 警察官署ハ制服ヲ著シタル警察官ヲ派遣シ政談集會ニ臨監セシムルコトヲ得
發起人ハ臨監警察官ニ其ノ求ムル所ノ席ヲ供シ且集會ニ關ル事項ニ付尋問アルトキハ之ニ答フヘシ
政談集會ニアラサルモ其ノ狀況安寧秩序ヲ妨害スルノ虞アリト認ムル集會ニハ第一項ノ臨監ヲ爲スコトヲ得
第九條 集會及運動ニハ戎器又ハ兇器ヲ携帶シテ會同スルコトヲ得ス但シ制規ニ依リ戎器ヲ携帶スル者ハ此ノ限ニ在ラス
第十條 集會ニ於テ罪犯ヲ曲庇シ又ハ刑律ニ觸レタル者若ハ刑事裁判中ノ者ヲ救護シ又ハ賞恤シ又ハ犯罪ヲ敎唆スルノ談論ヲ爲スコトヲ得ス
第十一條 會場ニ於テ故ラニ喧擾ヲ爲シ又ハ狂暴ニ涉ル者アルトキハ警察官ハ之ヲ制止シ其ノ命ニ從ハサルトキハ會場外ニ退出セシムルコトヲ得
第十二條 集會ニ於テ講談論議安寧秩序ニ妨害アリト認ムルトキハ警察官ハ其ノ人ノ講談論議ヲ停止スルコトヲ得
第十三條 警察官ハ左ノ場合ニ於テ集會ノ解散ヲ命スルコトヲ得
一 集會ノ成立此ノ法律ニ背キタルトキ
二 警察官ノ臨監ヲ拒ミ又ハ其ノ求ムル所ノ席ヲ供セス又ハ其ノ尋問ニ答ヘサルトキ
三 會衆騷擾ニ涉リ警察官之ヲ制止スルモ鎭靜セサルトキ
四 第六條第九條ノ違犯者多數ニシテ警察官ヨリ退場ヲ命スルモ其ノ命ニ從ハサルトキ
五 集會ノ狀況安寧秩序ニ妨害アリト認ムルトキ
第十四條 第二條ノ屆出ヲ爲サスシテ政談集會ヲ開キタルトキハ發起人ヲ三圓以上三十圓以下ノ罰金ニ處ス
第二條ノ屆出ヲ爲スモ實ヲ以テセサルトキハ發起人罰前項ニ同シ
第十五條 第三條ノ認可ヲ受ケスシテ集會若ハ運動ヲ爲シタルトキハ發起人ヲ五圓以上五十圓以下ノ罰金ニ處ス
第十六條 第四條ヲ犯シタルトキハ發起人ヲ十一日以上六月以下ノ輕禁錮又ハ十圓以上百圓以下ノ罰金ニ處ス
第十七條 第五條第六條ヲ犯シタル者ハ二圓以上二十圓以下ノ罰金ニ處ス
第七條ヲ犯シタル發起人又ハ政談集會ニ會同スルコトヲ得サル者ヲ勸誘シテ會同セシメタル發起人ハ罰前項ニ同シ
第十八條 第九條ヲ犯シタル者ハ十一日以上三月以下ノ輕禁錮又ハ五圓以上五十圓以下ノ罰金ニ處ス
第十九條 第十條ヲ犯シタル者ハ十一日以上六月以下ノ輕禁錮又ハ十圓以上百圓以下ノ罰金ニ處ス
第二十條 警察官ヨリ解散ヲ命セラレタル後仍退散セサル者又ハ退出ヲ命セラレタル後仍退出セサル者ハ十一日以上三月以下ノ輕禁錮又ハ二圓以上二十圓以下ノ罰金ニ處ス
第二十一條 政社ニハ社員名簿ヲ備ヘ及役員ヲ置クヘシ
政社ハ組成後三日以內ニ其ノ役員ヨリ社名、社則、事務所及役員ノ氏名ヲ其ノ事務所所在地ノ管轄警察官署ニ屆出ヘシ其ノ屆出ノ事項ニ變更アリタルトキ亦同シ
前項ノ屆出アリタルトキハ警察官署ハ直ニ其ノ領收證ヲ交付スヘシ
役員ハ其ノ政社ニ關ル事項ニ付警察官ヨリ尋問アルトキハ之ニ答フヘシ
第二十二條 政社ニシテ政談集會ヲ開クトキハ第二條ノ手續ヲ爲スヘシ但シ會場及講談論議者ヲ豫定シテ定期ニ集會スルモノハ之ヲ初期ノ開會二十四時間以前ニ屆出ルトキハ爾後ノ例會ハ屆出ヲ要セス其ノ屆出ノ事項ニ變更アリタルトキハ仍第二條ノ手續ニ依ルヘシ
第二十三條 左ニ揭クル者ハ政社ニ加入スルコトヲ得ス
一 現役及召集中ノ豫備後備ノ陸海軍軍人
二 警察官
三 官立公立私立學校ノ敎員學生生徒
四 女子
五 未成年者
六 公權剝奪及停止中ノ者
第二十四條 政社ニ於テハ日本臣民ニ非サル者ヲシテ加入セシムルコトヲ得ス
第二十五條 政社ハ標章及旗幟ヲ用井ルコトヲ得ス
第二十六條 政社ハ他ノ政社ト連結スルコトヲ得ス
第二十七條 政社ニ於テハ法律ヲ以テ組織シタル議會ノ議員ニ對シテ其ノ發言表決ニ付議會外ニ於テ責任ヲ負ハシムルノ規定ヲ設クルコトヲ得ス
第二十八條 政社ニシテ支社ヲ設クルトキハ總テ政社ノ規定ニ依ル
第二十九條 結社ニシテ安寧秩序ニ妨害アリト認ムルトキハ內務大臣ハ之ヲ禁止スルコトヲ得
第三十條 第二十一條ニ違フトキハ其ノ役員ヲ五圓以上五十圓以下ノ罰金ニ處ス
第二十一條ノ屆出ヲ爲スモ實ヲ以テセス又ハ尋問ヲ受ケテ答フルニ實ヲ以テセサル役員ハ罰前項ニ同シ
第三十一條 第二十三條ニ背キ入社シタル者及入社セシメタル役員ハ二圓以上二十圓以下ノ罰金ニ處ス
第二十四條ヲ犯シタル役員ハ罰前項ニ同シ
第三十二條 第二十五條ニ背キ標章旗幟ヲ用井タル者及其ノ政社ノ役員ハ罰前條ニ同シ
第三十三條 第二十六條ヲ犯シタルトキハ其ノ役員ヲ十一日以上六月以下ノ輕禁錮又ハ五圓以上五十圓以下ノ罰金ニ處ス
第三十四條 第二十九條ノ禁止ノ命ニ從ハスシテ仍結社ノ實アル者ハ一月以上六月以下ノ輕禁錮又ハ十圓以上百圓以下ノ罰金ニ處ス
第三十五條 此ノ法律ヲ犯シタル者ハ刑法ノ自首減輕、再犯加重、數罪俱發ノ例ヲ用井ス
第三十六條 此ノ法律ニ關ル公訴ノ時效ハ六箇月ヲ經過スルニ由テ成就ス
第三十七條 法律命令ニ定ムル所ノ集會ハ此ノ法律ニ依ルノ限ニ在ラス
朕帝国議会ノ協賛ヲ経タル集会及政社法ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
明治二十六年四月十三日
内閣総理大臣 伯爵 伊藤博文
内務大臣 伯爵 井上馨
法律第十四号
集会及政社法
第一条 此ノ法律ニ於テ政談集会ト称フルハ何等ノ名義ヲ以テスルニ拘ラス政治ニ関ル事項ヲ講談論議スル為公衆ヲ会同スルモノヲ謂フ政社ト称フルハ何等ノ名義ヲ以テスルニ拘ラス政治ニ関ル事項ヲ目的トシテ団体ヲ組成スルモノヲ謂フ
第二条 政談集会ニハ発起人ヲ定ムヘシ
政談集会ヲ開クトキハ発起人ヨリ開会二十四時間以前ニ会場所在地ノ管轄警察官署ニ届出ヘシ
政談集会ノ届出ニハ左ノ事項ヲ記載シ発起人署名捺印スヘシ
一 集会ノ場所
二 集会ノ年月日時
三 発起人ノ氏名、住所
四 講談論議者ノ氏名
前項ノ届出アリタルトキハ警察官署ハ直ニ其ノ領収証ヲ交付スヘシ
届書ニ記載シタル時刻ヨリ三時間ヲ過キテ開会セス若ハ三時間以上中断スルトキハ届出ノ効ヲ失フモノトス
法律ヲ以テ組織シタル議会ノ議員選挙準備ノ為ニ選挙権ヲ行フヘキ者及被選挙権ヲ有スル者ニ限リ会同スル所ノ集会ハ投票ノ日ヨリ前五十日間ハ第二項ノ届出ヲ要セス
第三条 屋外ニ於テ公衆ヲ会同シ若ハ多衆運動セムトスルトキハ発起人ヨリ二十四時間以前ニ会同スヘキ場所、年月日時及其ノ通過スヘキ路線ヲ管轄警察官署ニ届出テ認可ヲ受クヘシ但シ祭葬、講社、学生生徒ノ体育運動其ノ他慣例ノ許ス所ニ係ルモノハ此ノ限ニ在ラス
屋外ニ於テ政談集会ヲ開キ又ハ政治ニ関ル意思ヲ表スルノ目的ヲ以テ公衆ヲ会同スルハ堅固ナル屏障ヲ設ケ自由ノ交通ヲ遮断シタル地域内ニ限ルモノトス
警察官署ハ安寧秩序ニ妨害アリト認ムルトキハ何等ノ場合ニ拘ラス屋外ノ集会又ハ多衆運動ヲ禁止スルコトヲ得
第四条 帝国議会開会ヨリ閉会ニ至ルノ間ハ議院ヲ距ル三里以内ニ於テ屋外ノ集会又ハ多衆運動ヲ為スコトヲ得ス但シ第三条第一項ノ但書ハ本条ニ於テモ之ヲ適用ス
第五条 左ニ掲クル者ハ政談集会ノ発起人タルコトヲ得ス
一 日本臣民ニ非サル者
二 公権剥奪及停止中ノ者
第六条 左ニ掲クル者ハ政談集会ニ会同シ若ハ其ノ発起人タルコトヲ得ス
一 現役及召集中ノ予備後備ノ陸海軍軍人
二 警察官
三 官立公立私立学校ノ教員学生生徒
四 女子
五 未成年者
法律ヲ以テ組織シタル議会ノ議員選挙準備ノ為ニ開ク所ノ集会ハ投票ノ日ヨリ前五十日間ハ選挙権ヲ行フヘキ者及被選挙権ヲ有スル者ニ限リ本条ノ制限ニ依ルヲ要セス
第七条 政談集会ニ於テハ日本臣民ニ非サル者ヲシテ講談論議者タラシムルコトヲ得ス
第八条 警察官署ハ制服ヲ著シタル警察官ヲ派遣シ政談集会ニ臨監セシムルコトヲ得
発起人ハ臨監警察官ニ其ノ求ムル所ノ席ヲ供シ且集会ニ関ル事項ニ付尋問アルトキハ之ニ答フヘシ
政談集会ニアラサルモ其ノ状況安寧秩序ヲ妨害スルノ虞アリト認ムル集会ニハ第一項ノ臨監ヲ為スコトヲ得
第九条 集会及運動ニハ戎器又ハ兇器ヲ携帯シテ会同スルコトヲ得ス但シ制規ニ依リ戎器ヲ携帯スル者ハ此ノ限ニ在ラス
第十条 集会ニ於テ罪犯ヲ曲庇シ又ハ刑律ニ触レタル者若ハ刑事裁判中ノ者ヲ救護シ又ハ賞恤シ又ハ犯罪ヲ教唆スルノ談論ヲ為スコトヲ得ス
第十一条 会場ニ於テ故ラニ喧擾ヲ為シ又ハ狂暴ニ渉ル者アルトキハ警察官ハ之ヲ制止シ其ノ命ニ従ハサルトキハ会場外ニ退出セシムルコトヲ得
第十二条 集会ニ於テ講談論議安寧秩序ニ妨害アリト認ムルトキハ警察官ハ其ノ人ノ講談論議ヲ停止スルコトヲ得
第十三条 警察官ハ左ノ場合ニ於テ集会ノ解散ヲ命スルコトヲ得
一 集会ノ成立此ノ法律ニ背キタルトキ
二 警察官ノ臨監ヲ拒ミ又ハ其ノ求ムル所ノ席ヲ供セス又ハ其ノ尋問ニ答ヘサルトキ
三 会衆騒擾ニ渉リ警察官之ヲ制止スルモ鎮静セサルトキ
四 第六条第九条ノ違犯者多数ニシテ警察官ヨリ退場ヲ命スルモ其ノ命ニ従ハサルトキ
五 集会ノ状況安寧秩序ニ妨害アリト認ムルトキ
第十四条 第二条ノ届出ヲ為サスシテ政談集会ヲ開キタルトキハ発起人ヲ三円以上三十円以下ノ罰金ニ処ス
第二条ノ届出ヲ為スモ実ヲ以テセサルトキハ発起人罰前項ニ同シ
第十五条 第三条ノ認可ヲ受ケスシテ集会若ハ運動ヲ為シタルトキハ発起人ヲ五円以上五十円以下ノ罰金ニ処ス
第十六条 第四条ヲ犯シタルトキハ発起人ヲ十一日以上六月以下ノ軽禁錮又ハ十円以上百円以下ノ罰金ニ処ス
第十七条 第五条第六条ヲ犯シタル者ハ二円以上二十円以下ノ罰金ニ処ス
第七条ヲ犯シタル発起人又ハ政談集会ニ会同スルコトヲ得サル者ヲ勧誘シテ会同セシメタル発起人ハ罰前項ニ同シ
第十八条 第九条ヲ犯シタル者ハ十一日以上三月以下ノ軽禁錮又ハ五円以上五十円以下ノ罰金ニ処ス
第十九条 第十条ヲ犯シタル者ハ十一日以上六月以下ノ軽禁錮又ハ十円以上百円以下ノ罰金ニ処ス
第二十条 警察官ヨリ解散ヲ命セラレタル後仍退散セサル者又ハ退出ヲ命セラレタル後仍退出セサル者ハ十一日以上三月以下ノ軽禁錮又ハ二円以上二十円以下ノ罰金ニ処ス
第二十一条 政社ニハ社員名簿ヲ備ヘ及役員ヲ置クヘシ
政社ハ組成後三日以内ニ其ノ役員ヨリ社名、社則、事務所及役員ノ氏名ヲ其ノ事務所所在地ノ管轄警察官署ニ届出ヘシ其ノ届出ノ事項ニ変更アリタルトキ亦同シ
前項ノ届出アリタルトキハ警察官署ハ直ニ其ノ領収証ヲ交付スヘシ
役員ハ其ノ政社ニ関ル事項ニ付警察官ヨリ尋問アルトキハ之ニ答フヘシ
第二十二条 政社ニシテ政談集会ヲ開クトキハ第二条ノ手続ヲ為スヘシ但シ会場及講談論議者ヲ予定シテ定期ニ集会スルモノハ之ヲ初期ノ開会二十四時間以前ニ届出ルトキハ爾後ノ例会ハ届出ヲ要セス其ノ届出ノ事項ニ変更アリタルトキハ仍第二条ノ手続ニ依ルヘシ
第二十三条 左ニ掲クル者ハ政社ニ加入スルコトヲ得ス
一 現役及召集中ノ予備後備ノ陸海軍軍人
二 警察官
三 官立公立私立学校ノ教員学生生徒
四 女子
五 未成年者
六 公権剥奪及停止中ノ者
第二十四条 政社ニ於テハ日本臣民ニ非サル者ヲシテ加入セシムルコトヲ得ス
第二十五条 政社ハ標章及旗幟ヲ用井ルコトヲ得ス
第二十六条 政社ハ他ノ政社ト連結スルコトヲ得ス
第二十七条 政社ニ於テハ法律ヲ以テ組織シタル議会ノ議員ニ対シテ其ノ発言表決ニ付議会外ニ於テ責任ヲ負ハシムルノ規定ヲ設クルコトヲ得ス
第二十八条 政社ニシテ支社ヲ設クルトキハ総テ政社ノ規定ニ依ル
第二十九条 結社ニシテ安寧秩序ニ妨害アリト認ムルトキハ内務大臣ハ之ヲ禁止スルコトヲ得
第三十条 第二十一条ニ違フトキハ其ノ役員ヲ五円以上五十円以下ノ罰金ニ処ス
第二十一条ノ届出ヲ為スモ実ヲ以テセス又ハ尋問ヲ受ケテ答フルニ実ヲ以テセサル役員ハ罰前項ニ同シ
第三十一条 第二十三条ニ背キ入社シタル者及入社セシメタル役員ハ二円以上二十円以下ノ罰金ニ処ス
第二十四条ヲ犯シタル役員ハ罰前項ニ同シ
第三十二条 第二十五条ニ背キ標章旗幟ヲ用井タル者及其ノ政社ノ役員ハ罰前条ニ同シ
第三十三条 第二十六条ヲ犯シタルトキハ其ノ役員ヲ十一日以上六月以下ノ軽禁錮又ハ五円以上五十円以下ノ罰金ニ処ス
第三十四条 第二十九条ノ禁止ノ命ニ従ハスシテ仍結社ノ実アル者ハ一月以上六月以下ノ軽禁錮又ハ十円以上百円以下ノ罰金ニ処ス
第三十五条 此ノ法律ヲ犯シタル者ハ刑法ノ自首減軽、再犯加重、数罪俱発ノ例ヲ用井ス
第三十六条 此ノ法律ニ関ル公訴ノ時効ハ六箇月ヲ経過スルニ由テ成就ス
第三十七条 法律命令ニ定ムル所ノ集会ハ此ノ法律ニ依ルノ限ニ在ラス