第一條 屯田兵司令官ハ少將ヲ以テ之ニ補シ直ニ
天皇陛下ニ隸シ屯田兵ヲ統率シ軍事ニ係ル諸件ヲ總理ス
第二條 司令官ハ屯田兵ノ出師準備ヲ整理シ部下軍隊ノ練成ニ就テハ其責ニ任ス
第三條 司令官ハ屯田兵ノ徵募補充竝ニ開墾耕稼ノ事ヲ掌ル
第四條 司令官ハ不虞ノ侵襲ニ際シ北海道ノ防禦及陸軍諸官廨諸建築物ノ保護ニ任ス
北海道廳長官地方ノ靜謐ヲ維持スル爲メ兵力ヲ請求スル時事急ナレハ司令官直ニ之ニ應シテ後陸軍大臣及參謀總長ニ報吿ス可シ若シ其事變危險ニシテ北海道廳長官ノ請求シ能ハサル例外ノ場合ニ在テハ司令官兵力ヲ以テ便宜事ニ從フコトヲ得
第五條 疾疫其他例外ノ場合ニ方リ司令官一時其部下軍隊ヲ移轉セシメントスル時至急ヲ要スレハ之ヲ實行シテ後陸軍大臣及參謀總長ニ報吿ス可シ
第六條 司令官ハ北海道ニ在ル軍隊及陸軍官廨ニ於ケル風紀軍紀ヲ統監シ軍法會議及監獄ヲ管轄ス
第七條 司令官ハ軍政及人事ニ係ル事ニ就テハ陸軍大臣國防及出師計畫ニ係ル事ニ就テハ參謀總長ノ區處ヲ受ク司令官ハ此兩官ニ對シ各其主任ノ事ニ就キ定期又ハ臨時報吿ヲ爲ス可キモノトス
軍隊及移住給與上ニ關スル事ニ就テハ屯田兵監督部長タル監督ヲ指揮ス
第八條 司令官ハ隨時屯田兵隊ヲ檢閱シ每年一囘其景況ヲ陸軍大臣ニ報吿ス可シ
第九條 司令官赴任ノ節司令部所在地ノ地方長官始審裁判所長及檢事上席ノ者トハ三日以內互ニ訪問シ北海道ニ在ル控訴院長檢事長始審裁判所長檢事上席ノ者トハ三十日以內互ニ移文訪問ス可シ但官等卑キ者ヨリ先ンス可シ
第十條 屯田兵副司令官ハ大佐ヲ以テ之ニ補シ其職務司令官ニ亞キ司令官ヨリ委任ノ事項ハ之ヲ專行ス
第十二條 參謀部及副官部ノ將校ハ各自擔任ノ事務ヲ司リ其司令官ニ具申ス可キ事ニ就テハ先ツ副司令官ニ開陳ス可シ
第十三條 法官部理事軍醫長及屯田兵監督部長タル監督ヨリ司令官ニ具申ス可キ事ニ就テハ先ツ副司令官ニ開陳ス可シ