陸軍衛生部予備後備下士補充条例
法令番号: 勅令第八十八號
公布年月日: 明治22年6月27日
法令の形式: 勅令
朕陸軍衞生部豫備後備下士補充條例ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
明治二十二年六月二十六日
內閣總理大臣 伯爵 黑田淸隆
陸軍大臣 伯爵 大山巖
勅令第八十八號
陸軍衞生部豫備後備下士補充條例
第一條 陸軍衞生部豫備下士ノ補充ハ左ニ揭クル者ヲ以テス
第一 豫備役看護手中看護長又ハ調劑手適任證書ヲ所持スル者
第二 看護手ニシテ現役免除ノ際看護長又ハ調劑手ニ任セラレタル者
第三 服役七箇年ニ滿タスシテ現役ヲ退キタル看護長又ハ調劑手
第二條 各軍醫長ハ衞生部ノ豫備下士ヲ養成スル責任ヲ有ス故ニ每年近衞及各師團ニ於テ尠クモ看護手八名若クハ九名ヲ其滿期ニ際シ衞生部下士ニ任シ或ハ衞生部下士適任證書ヲ附與シテ除隊スルモノトス
第三條 第二條ノ人員ハ看護長ニ七名調劑手ニ一名若クハ二名三年間ニ四名ノ割トス
第四條 第二條ノ下士ニ任スヘキ者ハ看護手中技能優等ニシテ且品行方正ナル者ニ限ル
其當選者ハ滿期一箇月前軍醫長ヨリ陸軍省醫務局長ニ具狀シ認可ヲ請ケ三等看護長又ハ三等調劑手ニ任ス
第五條 陸軍衞生部後備下士ノ補充ハ左ニ揭クル者ヲ以テス
第一 後備役看護手中看護長又ハ調劑手適任證書ヲ所持スル者
第二 豫備役ヲ終リ後備役ニ轉入スル看護長又ハ調劑手
第三 服役七箇年以上十二箇年ニ滿タスシテ現役ヲ退キタル看護長又ハ調劑手
第六條 第一條第一及第五條第一ノ看護手ハ戰時若クハ事變ニ際シ看護長又ハ調劑手ノ缺員ニ應シ軍醫長之ヲ三等看護長又ハ三等調劑手ニ任ス
第七條 豫備後備ノ看護長調劑手一等看護長一頭調劑手ハ除クハ任官後現役下士ノ進級停年ニ等シキ年數ヲ超ユルトキハ特ニ進級ノ爲メニスル勤務演習ニ於テ實地ノ技能ヲ査閱シ進級セシムルコトヲ得其方法ハ別ニ定ムル所ニ依ル
第八條 豫備後備ノ衞生部下士及衞生部下士適任證書ヲ所持スル看護手ハ志願ニ由リ服役期限ヲ延スコトヲ得
第九條 禁錮ノ刑ニ處セラレ又ハ監視ニ付セラレ又ハ逃亡若クハ失踪シタル者其刑期中及逃亡失踪中ノ日數ハ服役年期ニ算入セス
附 則
第十條 豫備後備ノ衞生部下士ハ當分ノ內豫備後備ノ看護卒中衞生部下士適任證書ヲ所持スル者ヨリ補充スルコトアルヘシ
第十一條 後備軍軀員滿期ノ際志願ニ由リ服役延期中ノ者ハ其期限滿ツル迄後備役ニ服セシム
朕陸軍衛生部予備後備下士補充条例ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
明治二十二年六月二十六日
内閣総理大臣 伯爵 黒田清隆
陸軍大臣 伯爵 大山巌
勅令第八十八号
陸軍衛生部予備後備下士補充条例
第一条 陸軍衛生部予備下士ノ補充ハ左ニ掲クル者ヲ以テス
第一 予備役看護手中看護長又ハ調剤手適任証書ヲ所持スル者
第二 看護手ニシテ現役免除ノ際看護長又ハ調剤手ニ任セラレタル者
第三 服役七箇年ニ満タスシテ現役ヲ退キタル看護長又ハ調剤手
第二条 各軍医長ハ衛生部ノ予備下士ヲ養成スル責任ヲ有ス故ニ毎年近衛及各師団ニ於テ尠クモ看護手八名若クハ九名ヲ其満期ニ際シ衛生部下士ニ任シ或ハ衛生部下士適任証書ヲ附与シテ除隊スルモノトス
第三条 第二条ノ人員ハ看護長ニ七名調剤手ニ一名若クハ二名三年間ニ四名ノ割トス
第四条 第二条ノ下士ニ任スヘキ者ハ看護手中技能優等ニシテ且品行方正ナル者ニ限ル
其当選者ハ満期一箇月前軍医長ヨリ陸軍省医務局長ニ具状シ認可ヲ請ケ三等看護長又ハ三等調剤手ニ任ス
第五条 陸軍衛生部後備下士ノ補充ハ左ニ掲クル者ヲ以テス
第一 後備役看護手中看護長又ハ調剤手適任証書ヲ所持スル者
第二 予備役ヲ終リ後備役ニ転入スル看護長又ハ調剤手
第三 服役七箇年以上十二箇年ニ満タスシテ現役ヲ退キタル看護長又ハ調剤手
第六条 第一条第一及第五条第一ノ看護手ハ戦時若クハ事変ニ際シ看護長又ハ調剤手ノ欠員ニ応シ軍医長之ヲ三等看護長又ハ三等調剤手ニ任ス
第七条 予備後備ノ看護長調剤手一等看護長一頭調剤手ハ除クハ任官後現役下士ノ進級停年ニ等シキ年数ヲ超ユルトキハ特ニ進級ノ為メニスル勤務演習ニ於テ実地ノ技能ヲ査閲シ進級セシムルコトヲ得其方法ハ別ニ定ムル所ニ依ル
第八条 予備後備ノ衛生部下士及衛生部下士適任証書ヲ所持スル看護手ハ志願ニ由リ服役期限ヲ延スコトヲ得
第九条 禁錮ノ刑ニ処セラレ又ハ監視ニ付セラレ又ハ逃亡若クハ失踪シタル者其刑期中及逃亡失踪中ノ日数ハ服役年期ニ算入セス
附 則
第十条 予備後備ノ衛生部下士ハ当分ノ内予備後備ノ看護卒中衛生部下士適任証書ヲ所持スル者ヨリ補充スルコトアルヘシ
第十一条 後備軍躯員満期ノ際志願ニ由リ服役延期中ノ者ハ其期限満ツル迄後備役ニ服セシム