陸軍一年志願兵条例
法令番号: 勅令第十四號
公布年月日: 明治22年2月27日
法令の形式: 勅令
朕陸軍一年志願兵條例ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
明治二十二年二月二十五日
內閣總理大臣 伯爵 黑田淸隆
陸軍大臣 伯爵 大山巖
勅令第十四號
陸軍一年志願兵條例
第一條 徵兵令第十一條ニ據リ一箇年間陸軍現役ヲ志願スル者ハ兵種及衞戍地ヲ選ヒ服役スルコトヲ得但服役中ノ費用官給ヲ受クル者ハ此限ニ在ラス
第二條 一年志願兵ノ被服裝具彈藥武器及屬具ハ其所屬部隊ヨリ現品ヲ給シ其被服費裝具費彈藥費武器及屬具修理費トシテ金六拾圓ヲ納メシム但服役滿期ノ際精算ヲ爲シ殘金アルトキハ之ヲ還付ス
武器及屬具ハ服役滿期ノトキ之ヲ返納セシム
第三條 騎兵トシテ服役スル者ハ馬匹及馬具ヲ貸與シ其馬匹ニ係ル一切ノ費用及馬具修理費トシテ第二條ノ納金ノ外金八拾圓ヲ納メシム但服役滿期ノ際精算シ殘金アルトキハ之ヲ還付ス
第四條 一年志願兵ハ日給ヲ給セサルモノトス
徵兵署檢査所往復旅費及入營退營旅費ハ一切自辨トス
第五條 一年志願兵ハ營外ニ居住シ通勤セシメ其居宅及食餌ノ費用ハ本人ノ自辨トス
若シ品行不正ノ事アルトキハ營內ニ居住セシメ食餌ハ該部隊ヨリ給シ其費用ヲ辨償セシム
第六條 身元貧困ニシテ費用ノ全部ヲ自辨スルコト能ハサル者ニハ左ノ區別ニ從ヒ官費ヲ以テ服役セシム
一 居宅及食餌ノ費用ノ外自辨シ能ハサル者ニハ一般ノ兵卒同樣部隊ヨリ被服裝具彈藥武器及屬具ヲ給與ス
二 武器及屬具ノ修理費ノ外自辨シ能ハサル者ニハ一般ノ兵卒同樣部隊ヨリ食餌被服裝具彈藥ヲ給與シ營內ニ居住セシム
第七條 官費ヲ以テ服役ヲ許ス可キ一年志願兵ノ人員ハ每年陸軍大臣之ヲ定ム
第八條 官費ヲ以テ服役セシム可キ壯丁前條ノ定員ニ超過シタルトキハ年少ノ者ヨリ順次次年ニ囘シ入隊セシムルコトアル可シ
第九條 一年志願兵タラント欲スル者ハ其願書ニ左ノ書類ヲ添ヘ一月三十一日迄ニ島司又ハ郡市長ニ差出シ島司郡市長ハ本人身元資產ノ有無及犯罪ノ有無ヲ取調ヘ證明書ヲ作リ之ヲ願書ニ添ヘ本人居住地所管ノ旅團長ニ差出ス可シ
一 戶主本人戶主ナレハ其家族ノ承認書
此承認書ハ第二條第三條第五條第一項又ハ第六條第一項若クハ第二項ノ費用ヲ自辨スルコトヲ記スルモノトス
二 官立學校帝國大學撰科及小學科ヲ除ク府縣立師範學校中學校若クハ文部大臣ニ於テ中學校ノ學科程度ト同等以上ト認メタル學校若クハ文部大臣ノ認可ヲ經タル學則ニ依リ法律學政治學理財學ヲ敎授スル私立學校卒業ノ者ハ前項ニ揭クル承認書ノ外該學校ノ卒業證書
第十條 一年志願兵タラント欲スル者ニシテ一月三十一日迄ニ第九條第二項ノ學校ヲ卒業セサルモ其年ノ九月三十日迄ニ卒業ス可キ者ハ卒業證書ニ換フルニ學校長ノ證明書ヲ以テ願出ルコトヲ得但卒業シタルトキハ直ニ卒業證書ヲ添ヘ旅團長ニ屆出可シ
第十一條 第九條ノ志願者中學術ノ試驗ヲ受ク可キ者ハ其人名書ヲ旅團長ヨリ師團長ヲ經テ監軍ニ呈シ監軍ハ之ヲ將校學校監ニ下シ將校學校監ハ之ヲ陸軍將校生徒試驗委員ニ下付ス
師團長ハ身體檢査ノ時日ヲ定メ府縣知事ニ通達シ志願者ヲ召集シ其地所在ノ軍醫ヲシテ身體檢査ヲ爲サシメ合格者ノ人名書ヲ陸軍將校生徒試驗委員到著ノトキ交付ス
第十二條 陸軍將校生徒試驗委員ハ志願者ノ身體檢査ニ合格シタル者ノ學術ヲ試驗シ試驗書ヲ旅團長ニ送付ス
第十三條 學術ノ試驗ヲ受ク可キ者ノ試驗及合格格例ハ其時々監軍之ヲ定メ陸軍大臣之ヲ吿達ス
第十四條 旅團長ハ試驗ノ成績ニ依リ及第落第ヲ定メ之ヲ本人ニ通知シ其及第者ニハ併セテ認定證書ヲ附與ス
第九條第二項ノ卒業證書及第十條ノ證明書ヲ所持スル者ハ一般ノ徵兵ト同時ニ身體ノ檢査ヲ爲シ其合格者ニハ認定證書ヲ附與ス但第十條ノ證明書ヲ所持スル者ノ認定證書ハ同條但書ノ屆出ヲ爲シタルトキ之ヲ附與スヘシ
第十五條 一年志願兵認定證書ヲ附與シタル人名書ハ旅團長ヨリ大隊區徵兵官ニ送付ス可シ
第十六條 一年志願兵ノ入隊期日ハ每年十二月一日トス
第十七條 一年志願兵認定證書ヲ受ケタル者ハ十一月三十日限リ第二條第三條第六條第二項ノ費用ヲ部隊ニ納ム可シ
第十八條 一年志願兵入隊シタルトキ若クハ次年囘リト爲リタルトキハ本籍所管大隊區徵兵官ニ屆出可シ
第十九條 一年志願兵入隊スルトキハ聯隊長獨立大隊ニ在テハ大隊長以下同シ之ヲ部下某中隊ニ編入シ該中隊長ヲシテ敎育ニ任セシム
第二十條 一年志願兵軍事學ノ敎授ハ聯隊長部下大尉若クハ中尉ノ內一名ヲシテ之ヲ掌ラシム
第二十一條 一年志願兵ノ敎育及軍事學ノ敎授ニ就テハ聯隊長其責ニ任スルモノトス
第二十二條 一年志願兵ノ勤務及服裝ハ一般ノ兵卒ト異ナルコトナシ但營中雜役ヲ免シ又被服ニ特別ノ徽章ヲ附ス
室內其他諸物品ノ掃除及馬匹馬具等掃拭ノ爲メ兵卒ヲ使役スルコトヲ得但馬匹馬具等ノ掃拭ヲ習得スル爲メニハ自ラ之ヲ爲スヲ要ス
第二十三條 一年志願兵中勤務ニ熟達シ且品行方正ニシテ豫備士官ノ敎育ヲ授クルニ堪フ可キト認ムル者ハ入隊ノ日ヨリ起算シ六箇月ノ後上等兵トナシ特別ノ敎育ヲ授ケ下士ノ勤務ヲ爲サシム
第二十四條 上等兵ト爲シタル者ハ服役滿期ノ際聯隊長ハ一年志願兵終末試驗委員ヲシテ學科及實地上ノ試驗ヲ爲サシメ之ニ及第シタル者ハ其成績ヲ近衞都督又ハ師團長歩兵ハ旅團長ヲ經テニ具狀シ認可ヲ受ケ終末試驗及第證書ヲ授與シ二等軍曹ニ任シ豫備役ニ編入ス
終末試驗ニ落第シタル者ハ二等軍曹ニ任シ若クハ下士適任證書ヲ附與シ豫備役ニ編入ス
第二十五條 醫學藥學又ハ理財學若クハ商業學卒業證書ヲ所持スル者ハ步兵隊ニ獸醫學卒業證書ヲ所持スル者ハ騎兵隊砲兵隊又ハ輜重兵隊ニ於テ前半年間隊列勤務ヲ爲シ後半年ノ初ニ於テ志願軍吏生志願軍醫生志願藥劑生又ハ志願獸醫生ト爲リ各專門ノ勤務ヲ練習スルコトヲ得志望ノ者ハ入隊ノ際學校ノ卒業證書ヲ以テ其由ヲ申立可シ
獸醫學卒業證書ヲ所持シ志願獸醫生タランコトヲ志望スル者ハ第三條ノ納金ヲ爲スニ及ハス
第二十六條 志願軍吏生志願軍醫生志願藥劑生及志願獸醫生ヲ命スルニハ近衞又ハ師團監督部長若クハ軍醫長獸醫長ヨリ近衞都督又ハ師團長ノ認可ヲ請フ可シ
第二十七條 志願軍吏生志願軍醫生志願藥劑生及志願獸醫生ハ曹長同等ノ取扱ヲ受クルモノトス
第二十八條 志願軍吏生志願軍醫生志願藥劑生及志願獸醫生ト爲シタル者ハ服役滿期ノ際近衞又ハ師團監督部長若クハ軍醫長若クハ獸醫長一年志願兵終末試驗委員ヲシテ實地ノ試驗ヲ爲サシメ之ニ及第シタル者ハ其成績ヲ近衞都督又ハ師團長ニ具狀シ認可ヲ受ケ終末試驗及第證書ヲ授與シ豫備役ニ編入ス
終末試驗ニ落第シタル者ハ曹長若クハ軍曹相當官ニ任シ豫備役ニ編入ス
第二十九條 近衞都督又ハ師團長ハ一年志願兵終末試驗委員ヲ組織シ及其試驗ノ方法ヲ定ム
第三十條 一年志願兵認定證書ヲ得タル者正當ノ事由ナクシテ其年ノ十二月一日ニ入隊セサルトキハ一年志願兵ノ資格ヲ失フモノトス
第三十一條 戰時若クハ事變ニ際スルトキハ一年志願兵ト雖モ一般ノ兵卒ト同シク服役セシム
附 則
第三十二條 明治二十二年ニ限リ第九條ノ願出期限ハ三月十五日迄トス
第三十三條 第二條第三條ノ納金額ニ變更ヲ要スルトキハ閣令ヲ以テ之ヲ定ム
朕陸軍一年志願兵条例ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
明治二十二年二月二十五日
内閣総理大臣 伯爵 黒田清隆
陸軍大臣 伯爵 大山巌
勅令第十四号
陸軍一年志願兵条例
第一条 徴兵令第十一条ニ拠リ一箇年間陸軍現役ヲ志願スル者ハ兵種及衛戍地ヲ選ヒ服役スルコトヲ得但服役中ノ費用官給ヲ受クル者ハ此限ニ在ラス
第二条 一年志願兵ノ被服装具弾薬武器及属具ハ其所属部隊ヨリ現品ヲ給シ其被服費装具費弾薬費武器及属具修理費トシテ金六拾円ヲ納メシム但服役満期ノ際精算ヲ為シ残金アルトキハ之ヲ還付ス
武器及属具ハ服役満期ノトキ之ヲ返納セシム
第三条 騎兵トシテ服役スル者ハ馬匹及馬具ヲ貸与シ其馬匹ニ係ル一切ノ費用及馬具修理費トシテ第二条ノ納金ノ外金八拾円ヲ納メシム但服役満期ノ際精算シ残金アルトキハ之ヲ還付ス
第四条 一年志願兵ハ日給ヲ給セサルモノトス
徴兵署検査所往復旅費及入営退営旅費ハ一切自弁トス
第五条 一年志願兵ハ営外ニ居住シ通勤セシメ其居宅及食餌ノ費用ハ本人ノ自弁トス
若シ品行不正ノ事アルトキハ営内ニ居住セシメ食餌ハ該部隊ヨリ給シ其費用ヲ弁償セシム
第六条 身元貧困ニシテ費用ノ全部ヲ自弁スルコト能ハサル者ニハ左ノ区別ニ従ヒ官費ヲ以テ服役セシム
一 居宅及食餌ノ費用ノ外自弁シ能ハサル者ニハ一般ノ兵卒同様部隊ヨリ被服装具弾薬武器及属具ヲ給与ス
二 武器及属具ノ修理費ノ外自弁シ能ハサル者ニハ一般ノ兵卒同様部隊ヨリ食餌被服装具弾薬ヲ給与シ営内ニ居住セシム
第七条 官費ヲ以テ服役ヲ許ス可キ一年志願兵ノ人員ハ毎年陸軍大臣之ヲ定ム
第八条 官費ヲ以テ服役セシム可キ壮丁前条ノ定員ニ超過シタルトキハ年少ノ者ヨリ順次次年ニ回シ入隊セシムルコトアル可シ
第九条 一年志願兵タラント欲スル者ハ其願書ニ左ノ書類ヲ添ヘ一月三十一日迄ニ島司又ハ郡市長ニ差出シ島司郡市長ハ本人身元資産ノ有無及犯罪ノ有無ヲ取調ヘ証明書ヲ作リ之ヲ願書ニ添ヘ本人居住地所管ノ旅団長ニ差出ス可シ
一 戸主本人戸主ナレハ其家族ノ承認書
此承認書ハ第二条第三条第五条第一項又ハ第六条第一項若クハ第二項ノ費用ヲ自弁スルコトヲ記スルモノトス
二 官立学校帝国大学撰科及小学科ヲ除ク府県立師範学校中学校若クハ文部大臣ニ於テ中学校ノ学科程度ト同等以上ト認メタル学校若クハ文部大臣ノ認可ヲ経タル学則ニ依リ法律学政治学理財学ヲ教授スル私立学校卒業ノ者ハ前項ニ掲クル承認書ノ外該学校ノ卒業証書
第十条 一年志願兵タラント欲スル者ニシテ一月三十一日迄ニ第九条第二項ノ学校ヲ卒業セサルモ其年ノ九月三十日迄ニ卒業ス可キ者ハ卒業証書ニ換フルニ学校長ノ証明書ヲ以テ願出ルコトヲ得但卒業シタルトキハ直ニ卒業証書ヲ添ヘ旅団長ニ届出可シ
第十一条 第九条ノ志願者中学術ノ試験ヲ受ク可キ者ハ其人名書ヲ旅団長ヨリ師団長ヲ経テ監軍ニ呈シ監軍ハ之ヲ将校学校監ニ下シ将校学校監ハ之ヲ陸軍将校生徒試験委員ニ下付ス
師団長ハ身体検査ノ時日ヲ定メ府県知事ニ通達シ志願者ヲ召集シ其地所在ノ軍医ヲシテ身体検査ヲ為サシメ合格者ノ人名書ヲ陸軍将校生徒試験委員到著ノトキ交付ス
第十二条 陸軍将校生徒試験委員ハ志願者ノ身体検査ニ合格シタル者ノ学術ヲ試験シ試験書ヲ旅団長ニ送付ス
第十三条 学術ノ試験ヲ受ク可キ者ノ試験及合格格例ハ其時々監軍之ヲ定メ陸軍大臣之ヲ告達ス
第十四条 旅団長ハ試験ノ成績ニ依リ及第落第ヲ定メ之ヲ本人ニ通知シ其及第者ニハ併セテ認定証書ヲ附与ス
第九条第二項ノ卒業証書及第十条ノ証明書ヲ所持スル者ハ一般ノ徴兵ト同時ニ身体ノ検査ヲ為シ其合格者ニハ認定証書ヲ附与ス但第十条ノ証明書ヲ所持スル者ノ認定証書ハ同条但書ノ届出ヲ為シタルトキ之ヲ附与スヘシ
第十五条 一年志願兵認定証書ヲ附与シタル人名書ハ旅団長ヨリ大隊区徴兵官ニ送付ス可シ
第十六条 一年志願兵ノ入隊期日ハ毎年十二月一日トス
第十七条 一年志願兵認定証書ヲ受ケタル者ハ十一月三十日限リ第二条第三条第六条第二項ノ費用ヲ部隊ニ納ム可シ
第十八条 一年志願兵入隊シタルトキ若クハ次年回リト為リタルトキハ本籍所管大隊区徴兵官ニ届出可シ
第十九条 一年志願兵入隊スルトキハ連隊長独立大隊ニ在テハ大隊長以下同シ之ヲ部下某中隊ニ編入シ該中隊長ヲシテ教育ニ任セシム
第二十条 一年志願兵軍事学ノ教授ハ連隊長部下大尉若クハ中尉ノ内一名ヲシテ之ヲ掌ラシム
第二十一条 一年志願兵ノ教育及軍事学ノ教授ニ就テハ連隊長其責ニ任スルモノトス
第二十二条 一年志願兵ノ勤務及服装ハ一般ノ兵卒ト異ナルコトナシ但営中雑役ヲ免シ又被服ニ特別ノ徽章ヲ附ス
室内其他諸物品ノ掃除及馬匹馬具等掃拭ノ為メ兵卒ヲ使役スルコトヲ得但馬匹馬具等ノ掃拭ヲ習得スル為メニハ自ラ之ヲ為スヲ要ス
第二十三条 一年志願兵中勤務ニ熟達シ且品行方正ニシテ予備士官ノ教育ヲ授クルニ堪フ可キト認ムル者ハ入隊ノ日ヨリ起算シ六箇月ノ後上等兵トナシ特別ノ教育ヲ授ケ下士ノ勤務ヲ為サシム
第二十四条 上等兵ト為シタル者ハ服役満期ノ際連隊長ハ一年志願兵終末試験委員ヲシテ学科及実地上ノ試験ヲ為サシメ之ニ及第シタル者ハ其成績ヲ近衛都督又ハ師団長歩兵ハ旅団長ヲ経テニ具状シ認可ヲ受ケ終末試験及第証書ヲ授与シ二等軍曹ニ任シ予備役ニ編入ス
終末試験ニ落第シタル者ハ二等軍曹ニ任シ若クハ下士適任証書ヲ附与シ予備役ニ編入ス
第二十五条 医学薬学又ハ理財学若クハ商業学卒業証書ヲ所持スル者ハ歩兵隊ニ獣医学卒業証書ヲ所持スル者ハ騎兵隊砲兵隊又ハ輜重兵隊ニ於テ前半年間隊列勤務ヲ為シ後半年ノ初ニ於テ志願軍吏生志願軍医生志願薬剤生又ハ志願獣医生ト為リ各専門ノ勤務ヲ練習スルコトヲ得志望ノ者ハ入隊ノ際学校ノ卒業証書ヲ以テ其由ヲ申立可シ
獣医学卒業証書ヲ所持シ志願獣医生タランコトヲ志望スル者ハ第三条ノ納金ヲ為スニ及ハス
第二十六条 志願軍吏生志願軍医生志願薬剤生及志願獣医生ヲ命スルニハ近衛又ハ師団監督部長若クハ軍医長獣医長ヨリ近衛都督又ハ師団長ノ認可ヲ請フ可シ
第二十七条 志願軍吏生志願軍医生志願薬剤生及志願獣医生ハ曹長同等ノ取扱ヲ受クルモノトス
第二十八条 志願軍吏生志願軍医生志願薬剤生及志願獣医生ト為シタル者ハ服役満期ノ際近衛又ハ師団監督部長若クハ軍医長若クハ獣医長一年志願兵終末試験委員ヲシテ実地ノ試験ヲ為サシメ之ニ及第シタル者ハ其成績ヲ近衛都督又ハ師団長ニ具状シ認可ヲ受ケ終末試験及第証書ヲ授与シ予備役ニ編入ス
終末試験ニ落第シタル者ハ曹長若クハ軍曹相当官ニ任シ予備役ニ編入ス
第二十九条 近衛都督又ハ師団長ハ一年志願兵終末試験委員ヲ組織シ及其試験ノ方法ヲ定ム
第三十条 一年志願兵認定証書ヲ得タル者正当ノ事由ナクシテ其年ノ十二月一日ニ入隊セサルトキハ一年志願兵ノ資格ヲ失フモノトス
第三十一条 戦時若クハ事変ニ際スルトキハ一年志願兵ト雖モ一般ノ兵卒ト同シク服役セシム
附 則
第三十二条 明治二十二年ニ限リ第九条ノ願出期限ハ三月十五日迄トス
第三十三条 第二条第三条ノ納金額ニ変更ヲ要スルトキハ閣令ヲ以テ之ヲ定ム