二〇七 朝鮮人、中國人、琉球人及び臺灣人の登錄に關する覺書
一九四六年二月一七日
一 日本帝國政府は、日本に在住する朝鮮人、中國人、琉球人及び臺灣人の總てを一九四六年三月一八日迄に登錄しなくてはならない。
二 登錄には次の各項の記入を要する。
(a) 氏名
(b) 年齡
(c) 性別
(d) 本國での居住地
(e) 日本國內の居住地
(f) 職業
(g) 歸國についての希望の有無
(h) 歸國希望者の場合は、引揚本國に於ける行先地。
三 歸國を希望せぬ旨登錄した者は歸國の權利を失ふ。
四 登錄の通吿を受け、指定日又はそれ以前に登錄しなかつた者は、歸國の希望なき者と看做し、歸國の權利を失ふ。
五 登錄完了の上、日本帝國政府は次の報吿を當司令部に提出しなければならない。
(a) 日本在住の朝鮮人、中國人、琉球人及び臺灣人の總數。
(b) 歸國を希望する各國人別の員數。
(c) 歸國希望の朝鮮人總數は、更に次の二項に區分し、その總數を示すこと。
(1) 歸國先が北朝鮮(北緯三八度以北の朝鮮)である者の總數
(2) 北緯三八度以南の朝鮮を歸國先とする者の總數
(d) 歸國希望の琉球人總數は、更に各歸國先の島に區分してその總數を示すこと。
(e) 歸國希望の中國人については、その總數を更に北支、中支及び南支に歸國する者に區分し、各の員數を示すこと。
六 登錄前及び登錄の際に、日本帝國政府は朝鮮人、中國人、琉球人及び臺灣人に對し、次のことを通吿しなければならない。
(a) この登錄は彼等の歸國に對する希望の有無を決定する爲行ふものであること。
(b) 登錄を怠ることは歸國の權利を失ふ理由となること。
(c) 歸國希望の登錄をした者は、日本政府の發する指示に從つて歸國しなければならないこと。若し違反すれば歸國の權利を失ふこと。
(d) 日本殘留希望の登錄をした者は、歸國の權利を失ふこと。