一九七 歸還者が日本に持ち歸る通貨竝に金融上の諸證書に關する覺書
一九四六年二月八日
一 關係書類―一九四五年一〇月一二日附、聯合國最高司令部發、日本帝國政府宛の「輸出入の統制に關する補足覺書」。
一九四六年一月四日附、最高司令部發、日本帝國政府宛の「歸還日本人による日本政府國債の輸入に關する覺書」。
二 (a) 一九四五年一〇月一二日附の覺書第二項(イ)の制限以內で、日本に歸還する日本人が圓通貨、圓爲替證書及び日本政府國債を如何樣に取り交ぜて持ち歸る事も認可して差支ない。
(b) 第二項(a)に述べた關係書類の例外として、日本に歸國する俘虜であつた日本人は、俘虜であつた期間中當然支拂を受ける筈の總金額に等しい圓通貨、圓爲替證書又は國債を、追加額として持ち歸ることを許して差支ない。
三 日本に入國する俘虜であつた者は俘虜であつたことを確認し、同時に俘虜としての所得を記入した證明書を携行しなければならない。第一項記載の一九四五年一〇月一二日覺書第二項に規定されてゐる制限條項は、俘虜であつた者の所得總額を超過する圓通貨、圓爲替證書又は國債に適用される。歸還日本人で、俘虜であつたことについての正當な證明書のない者は、總て右第二項(a)の規定に從はねばならない。
四 歸還日本人が圓通貨の代りとして持ち歸る圓爲替證書は上陸港で日本政府が支拂つて差支ない。適當な記錄を取り、證明書は安全に保管することを要する。