一五一 日本の測地學測量標の復活に關する覺書
一九四六年一月一〇日
一 日本帝國政府が、九州、四國、本州、北海道にある測地學上の測量標を復活し、破損または破壞された測量標を再び設置する計畫を始めることを希望する。この覺書だけの用法として、測地學上の測量標といふのは、正確な酒精水準器で決定したすべての基本水準標と第三級またはそれ以上の正確度を持つたすべての三角測量點に關係するものを意味する。
二 この測量標の復活計畫に關して、各測量標のための日本語の調查カードを、最高司令部に提供するやう希望する。そのカードには次の事が記入されねばならない。(a)測量點の級位(b)地理上の座標(c)高度と高度の級位(d)現狀(e)略圖(f)今後の復活に役立つやうな位置の說明(g)總ての眼に見える測量點の方位と逆方位。
三 この計畫を完成する目標期日を次のやうに定める。
(a) 名古屋平野と關東平野の西半とにある測量標の復活は一九四六年三月三一日。
(b) 四主要島にある總ての測量標復活は一九四七年六月三〇日。
(c) 四主要島にある總ての測量標の再設置は一九四八年一二月三一日
四 最高司令部工務部長の事務所がこの計畫の當該監督本部である。この仕事の實施のために、日本帝國政府が指定した機關は、この計畫が有効に着手されるために、ただちに最高司令部と連絡をつけるべきである。