一〇四 日本軍醫藥用麻藥在庫品ノ保管及分配ニ關スル覺書
一九四五年一二月四日
一 日本軍所屬醫藥用麻藥在庫品ノ中、聯合國最高司令部ノ決定スル數量ヲ、司令部ノ指定スル期日ニ、米國軍ヨリ解放シ承認ヲ得タル製藥卸賣商社ニ對シ其ノ保管ニ委ヌルモノトス。
二 日本帝國政府ハ、遲クモ一九四五年一二月二二日迄ニ、右軍所屬麻藥在庫品ヲ受領シ其ノ保管ニ任ズベキ製藥卸賣商社ノ表ヲ、最高司令部ニ提出スベシ。但シ右ノ商社ハ最高司令部ノ承認ヲ受クルヲ要ス。
三 認可申請ノ爲提出スル製藥商社ノ表ハ、北海道一、本州ノ中第八軍管轄區域三、四國及九州各一ヲ加ヘ第六軍管轄區域四ノ商社ヨリ成ルモノトス。提出ノ商社表ト共ニ左ノ情報ヲ提供スベシ。
(a) 商社ノ名稱及詳細ナル所在地。
(b) 商社責任者(複數)ノ氏名及地位。
(c) 麻藥ヲ安全ニ貯藏スル爲ノ設備。
四 日本軍所屬醫藥在庫品ガ承認ヲ得タル卸賣藥劑商社ノ保管ニ委ネラレタル後、各商社ハ每月最終日ヨリ十日以內ニ聯合國最高司令部ニ到着スルヤウ報吿書ヲ提出スベシ。右月次報吿ニハ商社ノ責任アル役員ノ認明書ヲ附シ、日本軍所屬麻藥在庫ニ關スル左ノ報吿ヲ記スベシ。
(a) 每月一日又ハ在庫品保管ヲ引受ケタル當初ニ於ケル手持在庫目錄。
(b) 一ヶ月間ニ處分セル在庫品ノ數量、各項每ニ處分ノ期日讓渡ノ相手方及讓渡認許ヲ示スコト。
(c) 每月最終日ニ於ケル手持在庫目錄。
五 承認ヲ得タル商社ハ其ノ保管ニ委ネラレタル日本軍所屬在庫品ニ對シ責任ヲ有スルモノトシ、最高司令部ノ許可ヲ得タル場合以外在庫品ノ讓渡ヲ爲スベカラズ。右ノ許可ヲ得ル爲、日本帝國政府ハ每月一〇日迄ニ次ノ一ヶ月間ニ必要ナル麻藥在庫品ノ解除ニ對スル推薦狀ヲ最高司令部ニ提出シ、其ノ承認ヲ受クベシ。推薦狀ニハ右ノ在庫品ガ正當ナル醫療上ノ要求ノ爲必要ニシテ、他ヨリ入手シ得ザルモノナル旨ヲ記セル證明書ヲ添附スベシ