93b 救濟配給のために保管されてゐる豫備物資に關する覺書
一九四五年一一月二二日
1. 聯合國軍より日本帝國政府に引渡されるべき資材、需品及び裝備の件に關する一九四五年一〇月二六日附貴政府覺書第三七二號を受領した。
2. 日本帝國政府は、覺書第三七二號の第三項(1)及び第三項(2)に列記されてゐる主要食糧及び衣料の一切の在庫につきその詳細目錄を遲滯なく本司令部に提出しなければならない。尙これには各府縣內に於ける正確な所在地をも示すことを要する。
3. 列記された食糧及び衣料の配給に先立ち、又一九四五年一二月一五日以前に、配分計畫案が日本帝國政府より本司令部に提出され承認を受けることを要する。この計畫案は以下各項を規定しなければならない。
a. 府縣廳を通じて運用される中央機關による救濟配給の統制管理
b. 特に現在の又は從來の陸海軍に於ける地位のためではなく、厚生關係諸問題の處理に於ける訓練と技倆のために選ばれた人員を職員とする各府縣社會厚生機關
c. 家庭豫算の不足によつて決定される個人的必要のみを基礎とした救濟物資受給資格
d. 物資の多數給食に使用されることの防止、及び本司令部の特定認可なき配給豫定計畫の防止
e. 受給者に入費をかけざる救濟物資の配布
f. 物資の配給を受けた各家庭に對する記錄の保存、これには必要な確認資料を含むこと
g. 社會厚生機關によつて發行された引取認可による正常配給機構を通ずる配給
h. 個々の記錄(f項)と個々の引取認可(g項)を基礎とした各地方の詳細報吿
i. 府縣別に以下の各項を示すメートル屯單位による月次報吿の中央機關による當司令部への提出
(1) 各月頭初に於ける手持物資の項目別數量
(2) 補給源別にその月中に在庫に追加された物資
(3) 無料で窮民に配布された量及びその他の理由(例へば腐敗及び移動等で引取られた量を示すその月中の引取物資)
(4) 月末手持の各項目の數量
(5) その月中に物資の配布を受けた家族數及びそれら家族に表はされてゐる個人(家族員)員數
(6) 全府縣に對する上記項目の總計