九一　閉鎖金融機關ニ對スル債務支拂領收證ニ關スル覺書
一九四五年一一月一九日
一　一九四五年九月三〇日附覺書ニヨル或種金融機關其ノ他ノ閉鎖以降、該機關ニ對スル債務者中、支拂期日滿了セル債務ヲ、全面的ニ若クハソノ一部ヲ支拂ヒタキ希望ヲ表明セルモノアリ。カカル支拂申出ノ受理機關ヲ設定スルコトハ、關係各方面ヲ利スルモノナリ。
二　依ツテ日本帝國政府ハ日本銀行若クハソノ代理機關ニ命ジ、閉鎖機關ノ債務者ヨリ提出サレタル一切ノ金額ヲ受理セシムベキコトヲ茲ニ指令ス。「追ツテ精算スベキ內金」トシテ右金額ヲ受領セル旨記載セル假領收證ヲ與フベシ債務者ノ最終的負債償却並ニ若シ抵當物件アラバソノ解除ニ關シテハ、後刻、現ニ任命サレアル若クハ將來任命セラルベキ淸算人ニ於テ便宜ニ實施セラルベシ。
三　日本帝國政府ハ日本銀行ニ對シ、同銀行ガ債權者タル金融機關ニ代リ、一切ノ小切手、手形、ソノ他類似ノ證書類ノ裏書呈示支拂受理ヲ認許セラレタル旨通吿スベシ。右實施ニ當リ日本銀行ハコノ限定サレタル資格ニ於テノミ、閉鎖金融機關ノ代理人トシテ行動シ得ベシ。
四　日本銀行ノ受領セル金額ハ債權所有金融機關ノ名義ニテ、日本銀行ノ特殊勘定ニ預入スベシ。コレラ勘定ヨリスル支出ハ、本司令部ノ文書ニヨル事前承認ナクシテナスベカラズ。
五　指令事項實施ノ爲、大藏省、日本銀行及本司令部ノ關係幕僚部間ニ於ケル直接連絡ヲ許可ス。
六　本覺書ノ受領確認並ニ本覺書ニ從ヒテ取レル處置ニ關スル報吿ヲ提出スベシ。