1213 かいらい政府の在日財産に關する覺書
(SCAPIN2188)一九五一年一二月二〇日
1. 日本にある或種の財產が、第二次世界大戰中のいわゆる「かいらい政權」の支配下にあった地域の現政府の請求權の對象であるか、または今後そうなることがあることを、日本政府に通吿する。從來民間財產管理局が監督管理していた財產は、別紙附屬書Aに表示されている。
2. 日本にある各かいらい政府財產の法的所有權決定のため、日本政府は、相互に合意し得る時期に、請求權者たる政府が日本政府によって、舊かいらい政權の後繼政府と認められる場合及び認められた時、これら政府と個別的な交涉に入らねばならない。請求權者たる各政府の日本にある使節團は、直接日本政府にその要求を提出するよう、連合國最高司令官より通吿される。
3. 一九五一年一二月一五日以後、日本政府は、別紙附屬書Aに表示されている財產物件及び、舊かいらい政府またはかいらい政府の元官吏の財產として、日本においてその權利が要求せられる追加財產物件を、それらの法律上の所有權が最終的に決定されるまで、これを保管せねばならない。要員及び現に民間財產管理局の事務所及び東京都の四谷の倉庫にある動產物件は、第四項の規定に從って、日本政府の保管に移される。連合國最高司部民間財產管理局の保管する金銭は、今後の指令によって一九五二年二月一日またはそれ以前に、日本政府の保管に移される。
4. かいらい政府財產の監督統制權は、平和條約の發効の日まで、連合國最高司令官に留保される。日本政府は、附屬書A記載の資金を受取るために指定される機關の名稱と、同じく附屬書Aに表示され、現に連合國最高司令部民間財產管理局が、舊かいらい政府またはそれら政府の元官吏のために保管している個人的財產及び動產に對して署名する代表者の氏名を、一九五一年一二月二二日までに、連合國最高司令部民間財產管理局に報吿せねばならない。平和條約の發効に至るまで、日本政府は、かいらい財產に關し、それらの財產に關連して、日本政府と後繼政府と認められた政府との間に成立した一切の協定の寫しを含め、その取った一切の處置月例報吿書を、連合國最高司令官に提出せねばならない。
5. 連合國最高司令官が、附屬書Bに表示した財產を各政府に引渡したことを、日本政府に對し念のため申添える。この財產はかいらい政權關係要員が日本に持ち込んだものと決定されたもので、且つ日本國內において取得されたものではない。
別紙二通 略
1. 附屬書A
2. 附屬書B