1194 日本政府と連合國最高司令官に信任された外國外交代表間の直接交涉認可に關する覺書
(SCAPIN2170)一九五一年九月一三日
1, 取消覺書、一九五一年二月一三日附連合國最高司令部發日本政府宛の覺書(SCAPIN2142)「日本政府と連合國最高司令官に信任された外國外交代表間の直接交涉の認可」に關する件。
2. 次の各覺書を參照すること:
a. 一九四五年一一月四日附日本政府宛の覺書(SCAPIN237)「日本政府と中立諸國代表間の公式關係」に關する件
b. 一九四六年一月二九日附日本政府宛の覺書(SCAPIN677)「日本の若干の遠隔地域の政治的行政的隔離」に關する件
c. 一九四六年一二月二日附日本政府宛の覺書(SCAPIN1372)「日本官憲との接觸」に關する件
d. 一九四八年五月二八日附日本政府宛の覺書(SCAPIN1901)「貿易關係事項に關し日本政府貿易廳と商社、個人及び外國使節團の間の直接交涉認可」に關する件
3. 日本政府が、連合國最高司令官に信任された外國政府外交代表と直接交涉することをこの覺書によって認可する。ただし本覺書の規定條項に從うことを要し、參照各覺書に含まれている制限規定は、右制限附接觸を許す範圍においてのみ緩和される。
4. 日本政府は、兩者の相互に關係ある問題について、第九項に述べられている外交代表より書面による通信を、受理し、または送附して差支えない。ただし、日本と他の諸國の間の協定はすべて連合國最高司令官の事前の承認を受けねばならない。口頭による會談は、書類による通信のなされた問題に關してのみ許される。
5. 現在の政策の解釋またはそれからの逸脫を含む問題に關する通信は、從前通り連合國最高司令部外交局を通じて提出せねばならない。
6. 直接の書面通信に對するこの許可は、日本政府への責任の特別移讓である。從って日本政府は、本覺書の規定によって受理または送附する全通信の寫しを、連合國最高司令部外交局に提出せねばならない。日本政府が、本覺書によって認可された通信のすべてにおいて、ローマ字を讀み易くするに必要な日本文字または漢字と共に、英語を使用することを指令する。
7. 書面通信のこの直接經路は、外國外交代表が希望する場合は、從前通り本司令部を通じて通信を送達するその權利を奪うものではない。信任されている外國外交代表及び日本政府はいずれも、そのどちらかが特別の場合に、望ましいと認めるときは、受領した通信で論議すべき點があるとか、または政策問題を含むと考えられるものを、連合國最高司令官に照會してその考慮、解明または回答を求めることができる。
8. 日本における外國外交代表の信任狀提出は從前通り、連合國最高司令官のみに對してなされる。
9. 日本政府は、本覺書の規定により連合國最高司令官に信任されている下記外國外交代表と直接通信することができる。この表は必要に應じて今後の覺書によって修正される。
a. 在日オーストラリア使節團
b. 在日ベルギー使節團
c. 在日ブラジル外交使節團
d. 在日カナダ連絡使節團
e. 在日中國使節團
f. 在日デンマーク外交使節團
g. 在日フランス使節團
h. 在日インド連絡使節團
i. 在日インドネシア使節團
j. 在日イタリア外交使節團
k. 在日韓國外交使節團
l. 在日オランダ使節團
n. 在日ノールウェイ外交使節團
m. 在日ペルー外交使節團
o. 在日フィリッピン使節團
p. 在日ポルトガル外交出張所
q. 在日スペイン外交使節團
r. 在日スウェ一デン外國使節團
s. 在日スヰス外交使節團
t. 在日タイ國外交使節團
u. 在日トルコ外交出張所
v. 在日連合王國連絡使節團
w. 在日ウルガイ外交出張所
10. 日本政府より反對の意志表示のない限り、特定問題に關する日本政府と外國外交使節團間のすべての通信の經路は、日本外務省を通ずるものと了解する。ただし、國際貿易の實施に關する通信は、使節團と通產省との間で直接交換されるものとする。