1101. 入國者係官設置に關する覺書
(SCAPIN2082)一九五〇年二月二〇日
1. a. 一九四九年六月二二日附日本政府宛の覺書(SCAPIN2019)「入國者係官設置」の件はこれを取消す。
b. 次の各文書を參照すること:
(1) 一九五〇年二月三日附連合國最高司令部囘章第三號「個人、貨物、航空機及び海上船舶の、日本國出入管理」に關する件。
(2) 一九四九年一一月三日附日本政府宛の覺書(SCAPIN2055)「日本への不法入國禁壓」に關する件。
(3) 一九五〇年二月二〇日附日本政府宛の覺書(SCAPIN2083)「稅關、入國及び檢疫」に關する件。
2. 日本政府は、一九五〇年二月三日附連合國最高司令部囘章第三號指定の入國港に、必要な入國者係官を直ちに配置し、連合國最高司令官の認可する日本國出入者の總てに對する適切な入國監督を確實に行うことを要する(たゞし、公用命令によつて旅行する占領軍關係要員はこれを除く)。
3. 日本政府は、占領軍關係要員を除き、連合國最高司令官が個人に對して供與する一切の通關許可證の中央記錄事務所を、設置しなければならない。この記錄所は、「中央ロケーター・ファイルズ」と名づけ、連合國最高司令官の供與するすべての通關許可證に關し、日本政府入國者係官に通吿する。中央ロケーター・ファイルズは、二四時間制により、十分英語を話し得る職員を配置し、連合國最高司令官によつて日本國出入を認可される個人に關する通吿を受け取るものとする。右の通吿を受けた場合中央ロケーター・ファイルズは、日本政府入國者係官に對し、連合國最高司令官によつて供與された通關許可證について通報する。
4. 一九五〇年二月二五日以後、東京、橫濱及び神戶にある日本政府入國者係官が、占領軍要員を除き、日本國內にある個人が上記參照文書第一項b(1)によつて提出する日本退去及び/または日本退去及び再入國申請書を受理するよう指令する。
5. 東京、橫濱及び神戶にある日本政府入國者係官は、上記第四項による申請書を受理したその場合その個人の旅券または有效な旅行書類に裏書證明し、日本退去及び/または日本退去及び再入國の許可が、連合國最高司令官によつて供與された旨記入する權限を與えられる。たゞし、右個人の旅券は、次の手續きを完了した後においてのみ裏書證明することができる:
a. 上記參照文書第一項b(1)の第三項b規定の非占領軍要員:
(1) 日本政府は受領した各申請書の寫し一通に承認または非承認の旨記入し、その寫しを日曜祭日を除き每日連合國最高司令官に送達すること。
(2) 非占領軍要員の旅券は、各申請書の寫し一通が連合國最高司令官に送達受領されてから四八時間後に裏書證明することができる。たゞし、日本政府入國者係官が、當該申請書の拒否または處置延期の通報を受けなかつた場合に限る。
(3) 日本政府入國者係官による處置完了後、その處置を記入した第二の寫し一通を二四時間以內に、連合國最高司令官に送附すること。
b. 上記參照文書第一項b(1)の第三項c規定の日本國在住者:
(1) 日本政府は、申請書の寫し三通に承認の旨記入し、連合國最高司令官に送達してその審査決定を受けること。承認された申請書は日本政府入國者係官に返還し必要な處置をとらしめる。
(2) 日本國內在住者の旅券は、日本政府入國者係官が、連合國最高司令官からの承認申請書も受領した後に、始めて裏書證明することができる。
(3) 日本政府入國者係官の處置完了後、二四時間以內に、その處置を示す申請書一通を連合國最高司令官に送達すること。
6. 別紙第一記載の形樣大きさの所要スタンプが、日本退去及び/または日本退去及び再入國に對する個人の旅券裏書證明に使用するため、日本政府により入手される。
7. 日本政府は、本指令の規定に從つて個人の旅券に記入する裏書證明每に千円(1,000)を徵收することを認可する。
8. 本指令實施のため日本政府關係機關と、連合國最高司令部當該部局間の直接交涉をこの覺書によつて認可する。
別紙二通
1. スタンプ形式。
2. 最高司令部通牒三號。