1016 占領軍の需要に割當てられた資金に物資調達計算符合を採用する件に關する覺書
(SCAPIN1999)一九四九年五月三日
1. 一九四八年三月三一日附日本政府宛の覺書「占領軍の需要に割當てられた資金の支出」に關する件修正を參照すること。
2. 日本政府によつて占領軍の需要に割當てられた資金の支出統制が改善され、從來日本政府によつて實行されてきたよりも一層完全正確な報吿、計算及び記錄を準備することは、連合國最高司令官の希望するところである。右統制實行のためには、金融取引の義務負擔、支出、報吿及び記錄の統一性に基ずく適切な組織を採用することが必要である。
3. 上記第二項の目的を達成するため占領軍は次の各項を含む調達勘定符號を採用した。
a. 要求者符號―最初の三アラビヤ數字
b. 使用團體符號―二字及び上記aに續く數字
c. 豫定勘定分類符號―三數字及び上記bに續く數字
d. 目的分類符號―符號の最後の群である二字から成る
例:
要求者 使用團體 豫定符號 目的符號
121 20 123 09
右符號組織の定義及び槪略說明の寫しを日本政府に提供する。
4. a. 第八軍司令官は、一九四九日本會計年度期間中の占領軍維持に割當てられた資金の支出を日本政府に認可する各調達要求書及び受領證に、各適當な調達勘定符號を記入するよう指令されている。
b. 一九四九年四月一日以前に發出され、第八軍司令官の書簡指令によつて更新または期間を延長された調達書類は、右勘定符號を附されていない。しかし、一九四九年四月一日以後要求される業務或いは物質に對する更新または期間延長の調達書類に對して發出された各受領書は、適當な勘定符號が附されてあり、一九四九日本會計年度期間占領軍維持に割當てられた資金から支拂われねばならない。
c. 一九四九年四月一日以前または以後に發出された調達書類で、一九四八日本會計年度占領軍の需要の一部として計畫されその支拂が承認されている設營工事または同樣の事業を指令するものに對しては、特別の注意を拂わねばならない。右によつて發出された調達書類には調達符號は附されていないが、右書類に記されている要求事項は、一九四八會計年度に屬するものであつて、本年度豫算中「繰越」種目の支拂に割當てられた部分からの支拂を認可する旨が明示されている。右の如き支出は、如何なる事情があつても、一九四九日本會計年度占領軍需要に割當てられた資金から支拂われてはならない。
5. 一九四九年四月一日乃至一九五〇年三月三一日日本會計年度に關して、日本政府は次の處置をとらねばならない:
a. 第八軍司令官が調達書類及び支拂の適用される受領證に對して指定する符號を、各支拂書類に記入すること。
b. 各支出をそれぞれ該當する終戰處理費の項に記入すること。
c. 連合國最高司令官によつて特に別途認可のある場合を除き、占領軍部隊の發出する各調達書類及び關連受領證に記された圓金額に對する債務及び支拂を制限すること。
d. 一九四九年四月一日またはそれ以後の日附ある要求書類及び第八軍司令官の書簡指令によつて更新された要求書類によつて調達された占領軍の需要に關連する支拂のみが、一九四九日本會計年度中の占領軍維持に割當てられた資金から支拂われることを確保すること。一九四九年四月一日以前に承認された豫定工事または作業に發出された調達要求に關する一切の支拂は、本年度豫算のうち特に「繰越」作業を目的として設定された部分からなされるべきこと。
6. この指令の實施を容易にするため、連合國最高司令部關係機關と、日本政府代表者間の直接交涉を認可する。