980 日本國外に本店を持つ會社の支店の日本國內にある財産の淸算に關する覺書
(SCAPIN1965)一九四九年一月一八日
1. 一九四五年九月二二日附連合國最高司令部發日本政府宛の覺書「金融取引の統制」に關する件を參照すること。
2. 上記第一項參照覺書の規定條項にかかわらず、日本政府がかつて日本占領地域に本社を持つ各會社の日本國內所在財產のすべてを淸算するに必要な手續を設定すべきことを指令する。たゞし日本人の利權が一〇パーセント以下の財產は、この覺書の規定から除外される。
3. 右の手續を實施するにあたつて、日本政府は右會社の日本所在支店の有能な役員を、その財產の淸算人に指名せねばならない。適當な役員が得られない場合は、日本政府はその支店外において淸算人を指名して差支えない。この淸算人は、日本政府の設定した手續によつて速やかに右淸算事務を實施完了せねばならない。日本政府大藏省及び連合國最高司令部の事前承認なきかぎり、いかなる資產も淸算人において賣却することができない。
4. 各淸算人は任命を受けてから九〇日以內に、次の報吿を提出することが要請される:
a. 提出されたすべての債權を次の各種別にした完全な報吿書:
(1) 日本國內所在の資產に對し留置權によつて確保されている日本國內及び外國からの債權
(2) 日本國內所在の支店または代理店との間の業務取引から生じた日本國內及び外國からの債權(本社及び支店相間の債權を除く)。
b. 一覽表記載各物件の帳薄價格及び時價を示す日本國內所在資產一切の完全な目錄。日本政府は受領と同時に、上記資料一切の寫し二通を、連合國最高司令部民間財產管理官宛に提出せねばならない。
5. 日本政府大藏省は、一切の報吿の正確であるべきことに對して責任をとらねばならない。
6. 各淸算人は上記第四項に要求されている報吿提出と同時に、全債權の支拂手續計畫をも提出することを要する。しかしいかなる債權も日本政府大藏省及び連合國最高司令部の事前承認なく支拂うことはできない。
7. この指令を實行するにあたつて、連合國最高司令部民間財產管理官と、日本政府關係各省間の直接交涉を認可する。
別紙一通 日本國外に本社を有つ一覽表(三部)。