938 日本商船に關する覺書
(SCAPIN1931)一九四八年九月二日
1, 次の各覺書を參照すること;
a. 「民間商船委員會の任命」に關する一九四五年一一月九日附SCAPIN256
b. 「日本商船の賣却または傭船」に關する一九四七年一一月二六日附SCAPIN1828
c. 一九四八年六月一六日附極東方面海軍部隊指揮官書簡、「日本商船、SCAPIN番號の附與及び運航證明書の發行」に關する件
d. 一九四八年六月一六日附極東方面海軍部隊指揮官書簡、「日本商船運航統制官の監督下における船舶の運航」に關する件
2. この指令は、第一項にあげた參照文書を修正または廢棄するものでもなく、また己に聲明されている次の現存方針を變更するものと解釋してはならない。
a. 引揚に割當てられている一切の船舶は、民間商船委員會を通じて日本船舶運航統制官の運航上管理上の統制のもとにおいて右引揚作業のため留保しておくべきこと。
b. 商船の任務割當及び現に施行中の登錄手續は從前通りとすること。
3. 日本商船隊の利用を增大するため、手續き上次の改訂事項が日本政府によつて實施されることを要する;
a. 日本政府はその各省及び各種機關を通じて、日本政府がその完全な所有權を有し、且つ次の特殊目的に使用するためのみの目的をもつて計畫され又使用されている一切の船舶に對し、その運營上の管理權を行使する:漁業監視、漁業調查硏究、漁業訓練、海底電線の敷設、氣象業務、訓練、下水處分、曳船、救助、浚渫、碎氷、及び警察巡邏。右業務種別を擴張する場合は極東海軍部隊指揮官の事前承認を要する。右運營上の管理は、船舶の乘員配乘、補給及び經理を含む。これら船舶の傭船、性格、所有權及び運營上の身分に變化のあつた場合は、第一項b參照文書に述べられている所要事項に從つて、運輸省が報吿の責任をとるものとする。
b. 次の特殊業務のみを目的として計畫され又使用された一切の船舶は、それぞれの民間所有者が運營する:救助、曳船、浚渫、下水處分、泥土運搬、荷船、乘客渡船、公共事業、浮クレーン及び浮ドック、右業種の變更は、極東海軍部隊指揮官の事前承認を受けることを要する。これら船舶の傭船條件、性格、所有權及び運營上の身分に變更のあつた場合、船長または所有者が責任をもつて運輸省に報吿せねばならない。
c. 各民間所有者は、農林省の直接監督を受けて、專ら漁業及び補鯨業に從事する總屯數一〇〇屯以上の船舶を運營して差支えない。傭船、所有權または運營上の地位に變化があつた場合は、漁業局長官から運輸省に報吿するものとする。
b. 民間商船委員會は上記第三項a乃至cに述べられていない總屯一〇〇屯以上の一切の鋼船を、日本商船運航統制官の指示を受けて、定期傭船契約によつて使用することができる。
e. 民間商船委員會を通じて、上記第三項a、b、c、及びdに言及されている船舶は、日本商船運航統制官の行政上の管理を受けなければならない。
f. 運輸省は所要報吿書をとりまとめ統合して提出せねばならない。
4. 上記の改訂事項は次の目的によつて加えられたものである:
a. 船舶運營に對する最も有効な手段を規定すること。
b. 國民經濟に十分の利益をもたらすこと。
c. 船舶業の技能及び能力を一層十分に利用すること。
d. 現存船舶の輸送能力を增加すること。
e. 日本政府の運營上の欠陷を減少すること。
5. 日本の商船隊及び雜船艇の運營上の責任を、上に記した正規の機關へ秩序正しく漸次的に移管するため、その實施に當つて、連合國最高司令部民間運輸局及び極東海軍部隊指揮官と、日本政府との間の直接交涉を認可する。