890 解散諸團體に所屬する財産の處分に關する覺書(SCAPIN1868)
一九四八年三月一日
1. 次の各覺書を參照すること:
a. 一九四六年四月二二日附連合國最高司令部發日本政府宛の覺書、「解散團體の財產管理」に關する件
b. 一九四六年一〇月二九日附連合國最高司令部發日本政府宛の覺書、「解散團體の資金」に關する件
c. 一九四六年一月四日附連合國最高司令部發日本政府宛の覺書、「若干の政黨、協會、結社その他團體の廢止」に關する件
d. 一九四七年七月一日附民間財產管理官發內務省宛の覺書、「解散團體に所屬する財產の維持費」に關する件
e. 一九四七年九月二二日附民間財產管理官發內務省宛の覺書、「解散團體の財產認可」に關する件
f. 一九四七年一二月二六日發布の法律第二四一號によつて修正された一九四六年一〇月二一日發布の法律第四三號「自作農創設特別措置法」並びに關係諸法令及び規則
g. 一九四五年一二月二八日法律第六四號、一九四六年一〇月二一日法律第四二號及び一九四七年一二月二六日法律第二四〇號によつてそれぞれ改正された一九三八年四月二日發布の法律第六七號、「農地調整法」並びに關係諸法令及び規則
2. 參照覺書第一項a.b.d及びeをこの覺書によつて削除する。
3. この覺書にいう解散團體の定義は、上記參照覺書第一項cに定義されている團體である。
4. この覺書の別紙附屬書Aに指定されている解散諸團體及び上記參照文書第一項Cの條項に該當する諸團體に所屬する一切の資產、流通證劵、受取勘定、動產、不動產及びその他の財產資產の所有權を、この覺書の日附現在において、これを日本政府に移管する。
5. 日本政府は調查會を設け一切の過度な淸算費用、贈與、借入資金、金錢の移讓、承繼團體への投資及び一万圓を超える補助金を回收しなければならない。これらの團體に附屬する一切の資產動產、及び不動產の、賣却その他の方法による移讓は、この覺書によつて一切無効であることを宣言し、これらの財產に對する所有權は即刻日本政府に歸屬せしめる。連合國最高司令部民間財產管理官の認可を受けた動產の賣却は、引續き有効であり、從つてこの條項規定から除外する。
6. 更にこの覺書により日本政府に次の各項の指令する:
a. 解散團體に屬する一切の財產を賣却によつて處理すること。
b. 解散團體に屬する資產賣却を扱う賣却機關を指定すること。日本政府の指定する賣却機關は、連合國最高司令部民間財產管理官の承認を得なければならない。
c. この指令によつて日本政府に歸屬せしめられた一切の農地、農業設備、農業建築物その他農業用財產は、上記參照文書第一項f及びgに規定されている農地改革計畫に從うことを要すること。
d. 現在病院及び學校によつて使用されている解散團體に屬する財產及び設備は、引續き使用すべきこと。
e. 現在必要な官廳用目的に使用されつつある財產のみ、引續き同じ目的に使用し賣却せざること。現在日本政府官吏の使用している住宅は、適格申込者に賣却するを要する。日本政府は、本覺書の日付の日より六〇日以內に、官廳用として使用される財產の所在及び種目を述べた完全な報吿書を、連合國最高司令部民間財產管理官宛に提出せねばならない。
f. 日本政府は、賠償に指定された財產及び返還すべき財產は一切保留または賣却してはならないこと。
7. 更に、次の各規定がこれら財產の賣却を統制すべきことを日本政府に指令する:
a. 財產は、上記參照文書第一項cに述べられている解散團體の前役員、重役または有力社員に賣渡してはならない。賣却は連合國最高司令官による別途指令のない限り、日本國民に限つて行われねばならない。
b. 動產の賣却値段は、目錄價格以下であつてはならない、また賣却當時の最高公定價格を越えてはならない。
c. 上記第六項cに特記あるものを除き、賣却すべき一切の不動產は、封印入札制によつて行われるべく、受容し得る最高入札者に賣渡すことを要する。
d. 動產購入の申込者、及び不動產購入の封印入札は一切事前に連合國最高司令部民間財產管理官に提出の上その承認を受けねばならない。
e. 賣却すべき財產はすべて廣く公示するを要する。日本政府の指定する賣却機關は、これら財產の賣却に對する公示計畫を作製せねばならない。右計畫は連合國最高司令官に提出の上承認を得るを要する。
8. 日本政府が解散團體の資金から支拂いを決定した負債の支拂いに對し、事前承認を受けなければならない。
9. 更に日本政府が、日本銀行內に外國貿易圓勘定と名附ける勘定を設定すべきことを指令する。現在解散團體名義にて、日本銀行連合國最高司令官保管勘定に豫入されてゐる金額は、日本銀行內外國貿易圓勘定に移管せねばならない。右移管完了の上、移管金額を示す詳細報吿書を、連合國最高司令部に提出することを要する。本覺書の日附を發効日として、今後解散團體勘定を貸方とし連合國最高司令官管理勘定に拂込まれる金額はすべて日本銀行內外國貿易圓勘定の貸方に記入するものとする。解散團體財產の賣却より生じた一切の利益は、本勘定の貸方に記入する。
10. 貿易廳が輸出入計畫實施のため外國貿易圓勘定に預入されている資金を利用することをこの覺書によつて認可する、但し、國內需要量を越える新採掘貴金屬の購入に優先權を與えるものとする。貿易廳のこの資金による支出は、すべて連合國最高司令部の事前承認を要する。
11. 日本政府が、本覺書の日附以後六〇日以內に始まる月次報吿書を、連合國最高司令部民間財產管理官宛に提出すべきことを併せて指令する。各報吿書は、每月二〇日業務締切現在において作製し、每月二五日より遲れることなく提出せねばならない。これら報吿書は次の各項を含むものとする:
a. 回收された財產の種目、所在、價値及び回收先
b. 賣却財產の種別、購入者の氏名住所及び領收價格
c. 一切の收入支出の詳細を示す日本銀行外國貿易圓勘定の現狀報吿
12. 民間財產管理官及び連合國最高司令官一般會計部と賣却機關との間の直接交涉を認可する。
別紙一通附屬書A.