878 農地改革に關する覺書
(SCAPIN1855)一九四八年二月四日
1. 次の各覺書を參照すること:
a. 一九四五年一二月九日附日本政府宛の覺書上記同首題に關する件
b. 一九四六年一〇月二一日附法律第四三號自作農創設特別措置法
c. 一九四五年一二月二八日附法律第六四號及び、一九四六年一〇月二一日附法律第四〇二號によつて改正された一九三八年四月二日附法律第六七號、農地調整法
2. 自作農創設特別措置法及び農地調整法は、上記參照覺書に從つて、封建的土地所有制度を廢止し、公平且つ民主的な基礎による土地の再分配に對する經濟的障害を取除くため制定されたものである。しかしながらこれら土地改革法の制定以來、これによつて不利を受ける或種の關係者によつて、農地改革計畫の完遂を阻害せんとする努力がなされている。
3. 土地改革計畫の强力な實施は、日本に眞に自由かつ民主的な社會を創設するための先決要件である。これは連合軍の日本占領の主要目的の一つであるばかりでなくまた日本國民の主要目的の一つでもある。從つて、上記兩法律の嚴正强力かつ恐れることなき實施は、不可欠な至上命令である。
4. 從つて次の各項を指令する:
a. 農林省は都道府縣及び市町村農地委員會に指示を發し、土地改革法の適用を受けるべき一切の土地を、現存の手續に從いまた、土地改革計畫の目的を阻害しようとする壓力團體による不當な交涉を顧慮することなく、直ちに買收せしめなければならない。
b. 日本政府は、贈賄、脅迫その他不法行爲によつて土地改革措置の實施を阻害する一切の者に對し、即時强力な對策を講じなければならない。右處置の報吿書を本司令部に提出することを要する。