六四一 日本への不法入國の抑止に關する覺書
一九四六年一二月一〇日
1. 以下各覺書を參照すること:
a. 一九四六年六月一二日附連合國最高司令官覺書、上記首題に關する件
b. 一九四六年八月九日附連合國最高司令官覺書、「仙崎收容所を通ずる引揚の中止」に關する件
2. 上記各覺書を取り消し、次をもつてこれに代える。
3. コレラが今なお朝鮮において流行しているから、不法に朝鮮から日本へ人員を輸送する船舶を發見し抑留するため積極的な措置を繼續することが必要である。
4. 日本帝國政府は:
a. 不法に日本の港に入る船舶を發見するための措置を引續き有效とすること
b. そのような一切の船舶を拿捕し、出來れば乘組員、乘客及び貨物と共に佐世保又は舞鶴に囘航し、それらの港にある合衆國軍當局に引渡すこと。
c. 日本國內で逮捕された一切の不法入國朝鮮人はコレラ檢疫を受けしめるか又は日本入國者に關して現存する各覺書に從つて醫療處置を施すこと。檢疫官からの許可あり次第これら朝鮮人を鐵道によつて佐世保收容所に輸送すること。
d. 不法入國朝鮮人はそのために指定された船舶によつて佐世保收容所より送出すこと。
e. 不法入國朝鮮人を輸送する列車及び船舶に日本人警官を護衞として乘せること。
5. 日本人警備警官に必要な援助と權威を與え、又その任務遂行に協力するため必要な連合軍警備兵は、地區所在連合軍指揮官に申請して確保することが出來る。