六一九 不法移管を受けた連合國國民の財産の返還に關する覺書
一九四六年一一月二二日
1. 一九四六年五月六日付連合國最高司令部發日本帝國政府宛の覺書、「日本國內にある財產を連合國國民に返還する手續」に關する件を參照すること。
2. 第二部附屬書Aとして、上記參照覺書に添附された「受領證樣式」は今後廢止し、附屬書Aとしてこの覺書に添付された「受領證樣式」をもつてこれに代える。
3. 日本帝國政府は、一九四一年一二月七日連合國國民が日本國內で所有していた財產であつて、立法にもとずいてであると、また法律の形式に從つたような手續やその他の方法によつたのであると否とを問わず、脅迫、不當沒收行爲、占有剝奪、または掠奪によつて移管されたものを返還するに必要な手續を規定すべきことを指令する。なお右の返還は次の條件のもとで行われねばならない:
a. 連合國最高司令部は、返還財產の各件ごとに返還すべき財產の引渡及び所有權移轉の時期と場所を明記した指令を日本帝國政府に交付する。
b. 附屬書Aとして、この覺書に添付されている「日本國內における不法移管財產の連合國國民に對する返還領收證」の樣式により、そこに記された一切の條項を含む領收書を、原本一通及び寫し七通を作り、領收證樣式第二頁の下部に示されている配布先に從つて配布すること。寫しにはすべて署名することを要する。
c. 「日本國內における不法移管財產の連合國國民に對する返還領收證」に定められた空欄に記入しきれない場合は別紙を用い、右の空欄にその旨を記入すること。
d. 領收證は返還を受ける者と日本帝國政府代表との共同財產調查の結果たるべきこと
4. 返還の各件ごとに、日本帝國政府代表は、返還されるべき財產の存在する地域の軍政府係官に對して、返還を要求する指令の寫しを提出しなければならない。軍政府係官又はその代表は返還に立會うものとする。
別紙:「日本國內における不法移管財產の連合國國民に對する返還領收證」