五六一 制限會社の補足規制に關する覺書
一九四六年九月二八日
1. 聯合國最高司令部發日本帝國政府宛の次の諸覺書を參照すること:
a. 一九四五年一二月ハ日附「制限會社一覽表の設定」に關する件
b. 一九四五年一二月八日附「制限會社の規制」に關する件
2. 日本帝國政府は、以下の商社が聯合國最高司令官の事前承認を受けない限り、如何なる非制限會社に於ても直接間接に一切の利益を獲得せず、又その經營に直接間接に參加しないことを確保するに必要な處置を取らねばならない:
a. 前記第一項aの參照覺書によつて設定された制限會社一覽表に記載されている一切の商社
b. 制限會社の一切の非制限子會社
c. 制限會社の非制限子會社によつて支配されているその他一切の個人商社。
3. a. 「直接間接に利益を獲得する」とは次に述べることを含むが、これのみに限らないものと定義される。卽ち、制限會社の重役、役員その他の雇傭者を通じて、或はかかる制限會社の非制限子會社又はかかる非制限子會社重役、役員その他の雇傭者を通じて、或は、かかる制限會社又は非制限子會社によつて支配されるその他の會社又は個人或はかかる會社の重役役員又は雇傭者を通じて、非制限會社に於ける利益を獲得すること。「一切の利益」というのは所有株券、負債、負債證書その他それによりかかる非制限會社に對して支配がなされるところの一切の手段、又はかかる非制限會社の株式の十分の一若くはそれ以上を所有することを意味する。
b. 「直接間接にその經營に參加する」とは、
(1) 制限會社又はかかる制限會社の重役、役員若くは雇傭者、或は
(2) 制限會社の非制限子會社、又はかかる子會社の重役、役員若くは雇傭者、或は、
(3) 制限會社若くはその非制限子會社によつて支配される會社若くは個人、又はかかる會社の重役、役員若くは雇傭者、
と、他の非制限會社との間に結ばれ、それによつて、前揭の制限會社、或はその非制限子會社、或は制限會社又はその非制限子會社によつて支配される他の會社又は個人が後揭の他の非制限會社の經營に參與し、或は他の非制限會社の販賣又は生產につき支配を行うところの一切の協定又は了解を含むが、それのみには限らないものと定義される。
4. 日本帝國政府は、前記第二項a、b及びcに引用されている會社又は個人が、前記第三項a及びbに定義されているような利益又は經營參加を、一九四五年一二月八日又はその以後に獲得した場合、その利益又は參加を終止する計畵案を、本覺書の日附から三〇日以內に、聯合國最高司令官に必ず提出するよう、必要な措置を取らねばならない。
5. 本覺書の規定事項一切を實施するため、聯合國最高司令部關係幕僚部と日本帝國政府の關係機關の間の直接交涉を認可する。