五二五 引揚船舶に關する覺書
一九四六年八月二八日
1. 一九四六年五月七日附聯合國最高司令官よりの覺書、「引揚」に關する件を參照すること。
2. 合衆國リバテイー船Ⅴ〇七五號上陸用舟艇Q〇七四號、Q〇七六號、Q〇九一號及びQ〇九四號が佐世保を出港するに就ては、參照文書の附屬書第一第四項を實施する特別の命令が、合衆國海軍日本商船運航統制機關より發せられてゐる。これらの舟艇は命令通り出港しなかつた。船舶運營會から提出されたその理由は上記舟艇の日本人乘員が海員組合の要求が、滿足されるまで罷業を行つてゐるといふことであつた。
3. 軍事占領目的に有害な同盟罷業その他の勞働停止は禁止されてゐる。引揚は軍事占領目的の一つと解される。從つて罷業その他本計畫を阻害する行動はこれを禁止されてゐる。
4. 日本帝國政府は、警察力を行使せず次の處置を取らねばならない:
a. 引揚計畫促准のため船舶運營會が正當に發した命令に從つて上記第二項に述べられた舟艇に配員しこれを運航すること
b. 同種事件の再發を防止するため必要な措置を講ずること
c. 取つた措置を遲滯なく聯合國最高司令官に報吿すること
5. 所要の結果が、警察力を行使せずしてここに規定された通り達成出來ない場合は、それに關する速やかな報吿を聯合國最高司令官に提出せねばならない。