五〇三 造船工業部門の賠償指定に關する覺書
一九四六年八月一三日
1. 別表記載の私營造船所及び日本海軍造船所一切が、聯合國最高司令官の保管管理に移されたことをここに日本帝國政府に通吿する。
2. 別表は中間賠償案によつて撤去を受ける造船所を指定するもので、完全最終的のものと解釋せられてはならない。別表記載の造船所に於ける現在の船舶建造及び修理計畫は、現存の指示に從つて繼續することを要する。別表記載の造船所の運營繼續が許可せられてゐると否とに拘はらず、何れの場合に於ても、設備の適切な保管維持及び保全を確保するに必要な處置が講ぜられねばならない。
3. 合衆國第八軍司令官及び在日本海軍部隊指揮官によつて、適切な保管管理及び保護的維持の設定に必要と認められる一切の職員、設備及び物資が兩者の使用に供されねばならない。
4. 本覺書受領後七二時間以內に、日本帝國政府は適格代表者を合衆國第八軍司令官及び在日本海軍部隊指揮官のもとに出頭させ、本覺書の目的達成に必要な詳細指示を受けさせることを要する。
5. 在日本海軍部隊指揮官が神奈川縣所在橫須賀海軍工廠の管理に任ずる。その他一切の造船所は合衆國第八軍司令官の管理下におかれる。
6. 本覺書の規定は、今後の覺書によつて指定されることある特定工場の卽時閉鎖及び撤去を妨げるものと解釋されてはならない。