四八七 朝鮮への及び朝鮮よりの引揚に關する覺書
一九四六年八月八日
1. 次の諸覺書を參照すること:
a. 一九四六年五月七日附聯合國最高司令官覺書修正「引揚」に關する件
b. 一九四六年六月二七日附聯合國最高司令官覺書、「朝鮮への引揚」に關する件
c. 一九四六年七月二七日附聯合國最高司令官覺書、「朝鮮への引揚」に關する件
2. 上記覺書に含まれ本覺書に牴觸する一切の指示事項は本覺書によつて替えられる。
3. 一九四六年八月一〇日以後、北緯三八度以南の朝鮮にある故鄕への歸還を希望する在日朝鮮人の引揚は次の計畫に從ふ。
4. 以前北緯三八度以南の朝鮮に住んでゐた在日朝鮮人の引揚は、上記第一項aの參考覺書附屬書第三第一項dに記されてゐる場合を除き、一九四六年一一月一五日又はそれ以前に完了しなければならない。
5. a. 引揚船舶は、日本の博多から朝鮮釜山へ一日四千名を送り出すやう配船されてゐる。これらの船舶は空荷のまま日本へ歸航するものとする。
b. 船舶は、朝鮮から佐世保へ日本人を送る必要に應じて配船すること。
6. 日本帝國政府は次の處置を取らねばならない:
a. 引揚人が前記第五項aに規定されてゐる通り確實に利用し得られるやう博多收容所に充分の朝鮮人を待機させておくこと。
b. 朝鮮から日本に歸着する日本人引揚者を、前記第一項aの參照文書に規定されてゐるやうに收容處理すること。
c. 朝鮮から佐世保に歸着する一切の船舶を、上記第一項aの參照文書附屬書第五第三項b(2)に規定されてゐる通り處置すること。
d. 上記第一項aの參照文書附屬書第三第一項の規定を引續き守ること。
e. 以下の各項を明かにする報吿書を、一九四六年一一月三〇日までに聯合國最高司令官に提出すること:
(1) 上記第一項aの參照文書附屬書第三第一項dに述べられてゐる通り、一九四六年一一月一五日またはそれ以前に引揚げなかつたが而も引揚の特權を喪失してゐない朝鮮人の家族別名簿。
(2) 上記第六項e(1)に述べられた各家族が博多收容所に移動し得る大體の日時。如何なる場合にも一九四六年一二月三一日以後には引揚の延引は許されない。