法令質問

本欄應答事項は社會便益の増め設けたるものなれば玉石同架の嫌あるも益し巳を得ざる所なり
出題者 大坂 木村一郎
(九)商法施行前に設立したる株式會社にして五十萬圓の資本を二十萬圓に減少せんとす其方法は一株五十圓券なるを二十圓券となさんとす右は法律上差支なきや但五十圓拂〓濟なり(商法施行法五十五條參照)
解答者 遠江 花井皷鎗 東京 愛讀生
(九)資本全減少は定款の變更なるを以て商法第二百九條により總株主の半數以上にして資本の半額以上に當たる株主出席し其義决權の過半數を以て之を决せざるべからず而して其減少の决議を爲したるときは同法第七十八條乃至第八十條の規定によらざるべからず又其減少の方法として五十圓券を二十圓券となすが如きは法律上差支なし(第三十號第六の解答參照)
出題者 東京 猪狩〓甲
(十)甲が其不動産を乙に讓渡したる後再び之を丙に讓渡たり而て乙丙何れも未だ之が登記を爲さざるときは其所有權は何人に在りや
解答者 後志國 岩内生 京都府 西村髮太郎
羽前 山口生
▲解答(十) 物權の設定及移轉は當事者の意思表示のみに因りて其效力を生ずるものにして登記は第三者に對抗する條件に過ぎず故に丙にして登記をなしたるときは其所有權丙に在るは勿論なるも本問の如く乙丙共に未だ登記を爲さゞる以上は其所有權乙者にありと云はざるべからず