通信一束

◎宇都宮通信
辯護士總會 縣下組合辯護士總會は去る七日當市中河原町旭舘に於て開會したり出席辯護士は江原、神谷、前島、關口、石田、山田、花崎、佐久間の九氏十時開會役員の選擧をなしたるに會長には佐間久間氏副會長には石田榊原の兩氏當選次に常議員の改選をなしたるに行森、前島、關口、榊原、戸田、神谷、江原の七氏當選し其れより議事に移りたり當日の議案たる檢事正より諮問の刑事控訴事件は委員附托となし委員には花崎、石田、佐久間の三氏を擧げ次に佐久間氏提出の議案會費徴收の件事務員任用の件等にて午後一時决了したり(朽木生投)
名古屋通信
辯護士會の總會 去る六月午後二時より當市會議事堂に於て總會を開けり出席者四十二名にて先づ前年度决算報告を是認し併せて本年度豫算を可决し次に美濃部辯護士の建議に係る裁判所構成法改正問題に對しては正副會長常議員に臨時機宜の處分を一任することを全會一致にて可决し役員改選を行ひしに左の諸氏當選し三時半散會尋いて安東新會長より當日出席の辯護士及び志水市長市役所各課長内藤縣會議長縣市參事會員等百十餘名を前津小林東陽舘に招じ安東氏新任の挨拶に續て内藤魯一氏の祝詞あり夫より宴に移り酒間盛榮校書の舞踏數番ありて一同歡を盡くし午後八時過散會せり而して其改選役員は左の如し
(會長)安東敏之(副會長)福岡謙八(常議員十一名)兼松淺次郎、伊藤種基、加藤重三郎、青山@040367;四郎、天野景治、佐藤知一、土井勝清、千賀金五郎小鹽美之、野村篤弘、美濃部貞亮(金〓居士投)
千葉通信
辯護士界 當地辯護士界にて最も其業務の多忙なるは神田仲二、清古平吉、杉山彌太郎の三氏なるが如し而して現在辯護士組合會長淺井蒼介氏の任期は來る五月を以て任期滿了するに付き其後任には清古平吉氏就任する筈なり由來當組合會長の選任は最も公平なる方法を取り其開業順に由り逐次登任するの慣例なれば他の地方に於ける金顛しとは全然異れり▲裁判所部内 彼の司法官増俸問題に關しては刑事部長宮本力之助、五味平五郎の諸氏卒先して辭表を提出し宮本氏の如きは一時は自宅に引篭り全く事務を見ざりしが去る九日以來再び法廷に臨み執務することゝなれり想ふに所長并に檢事正の論旨に基くものなるべし因に茲に判檢事諸子の短評を試みんに所長板垣不二男氏は執務頗る機敏にして且つ事件の眞相を得るに勗め自ら民事裁判長となり土曜日を除くの外毎囘審理に從事せり檢事正小玉半五郎氏は控訴事件は自分審理に干與し居れるかこれ又公平の稱あり氏は永年檢事々務を鞅掌し頗る老練家たり由來當地方殊に成田及び佐原の如きは世人より惡漢の巣窟の如く視せられたる所にして檢事局と警察官吏との折合も自然面白からざりしが上には伊東已代治男の門下たる阿部浩氏知事として牧民の職に在り小玉檢事正又世故に長する人なればこれ等の障碍を打破して今や舊來の面目を更め來れり尚ほ小玉氏の部下に丸岡平造と云へる檢事あり其性極めて廉直且つ感情に富める人なるが被告人にして若し不當の申立をなさんか其情を憎むこと甚しく情迫つては知らず知らず卓を叩ち大聲を放つて論告することあり其響音時に民事法廷に達し同廷に在るものをして何事の起りたるかと驚きて其辯論を中止せしむること常なりと云ふ▲執達吏 當地には早川松之助と云ふ一人の執達吏あるのみにして執行機關の運轉頗る寛なり假處分又は假差押への如きは命令當時より往々一週間餘を經されば其執行を見る能はざることあり爲めに時機を失すること多ければ管内の人民に非常に其不便を喞ち至急吏員の増員を希望し居れり▲囚人面會の不自由辯護士が受托事件辯護上の必要より囚人に面會を許すに當つて他の地方にては裁判所の假監に於て之を許す所あるも當地にては一切裁判所にては之を許さゝる由り一〓監獄紋に就きて之を爲さゝるを得ず爲に己を得ず開廷延期を申請するに至るは自他の不便尠からざれば當地にても他の例に倣ひ裁判所にて囚人に面會を許されんことは辯護士の等しく希法して措かざる所たり從來は辯誠上の事に付き囚人に押印せしむる事の如きも裁判所の假監に於ては之を許されざりしが目下にては稍寛となり書記立會の上押印することを許すに至りたり(千葉太〓投)